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Trademark Appeal Case

普通名称結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2005−89029(T2005−89029/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4793932号商標(以下「本件商標」という。)は、「Water Masque」の欧文字を標準文字で書してなり、平成12年7月12日に登録出願、第3類「液体製の頭髪用化粧品及びその他の液体製の化粧品」を指定商品として、同16年8月13日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。

本件商標は、「水」の意味を有する英語である「Water」の語と、「仮面」の意味を有する英語である「Masque」の語からなるものであることは、逐一資料を添付して説明するまでもなく明白なところである。また、「Water」及び「Masque」ともに平易な英語であることから、何人も本件商標からは、これをカタカナで表記した「ウォーターマスク」と同じ観念を持って認識されるものであることも明白なところである。

しかるに、本件商標と本件指定商品との関連を鑑みるに、「Water(ウォーター)」の語は、「水」、「水分」あるいは「化粧水」の意味合いをもって、本件指定商品の用途、効能、品質を表す語として普通に使用され、認識されているものであることは明白なところである(甲第2号証参照)。

また、「Masque(マスク)」の語は、本類においては肌に水分を与える目的等で主に顔面に用いられる皮膚用化粧品である「パック」、あるいは同様の目的で化粧水をマスク状のものに含ませて顔面に用いる「マスク状の商品」を表す語として普通に使用され、認識されているものである(甲第3号証ないし甲第8号証参照)。

化粧品等の本類の商品を取り扱う化粧品業界においては、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づき「化粧品の表示に関する公正競争規約」が定められている。この規約の中で、一般消費者が商品を選択するための基準となる名称として「種類別名称」を定め、これを商品に記載することを規定しているが、この規定の中に「パック」に代わるべき名称として「マスク」の語が記載されているところであることから、「パック」と「マスク」の語は同義語として認識されているものでもある(甲第9号証参照)。

さらに、「Water(ウォーター)」の語と「Masque(マスク)」の語を結合した「Water Masque(ウォーターマスク)」の語は、「肌に水分を補給することを目的とするパック」あるいは「化粧水を配合したマスク状の商品」の意味合いをもって使用されているものである(甲第4号証ないし甲第7号証参照)。

すなわち、本件商標は、これを本件指定商品に使用するときは、「肌に化粧水等の水分を与えるマスク状(又はマスク状にして使用する)商品」であることを直感させ、単に商品の効能、品質を表す標章に過ぎないものであることから、商標法第3条第1項第3号の規定に該当するものである。

また、万一本件商標を、「肌に化粧水等の水分を与えるマスク状(又はマスク状にして使用する)商品」以外の本件指定商品に使用するときは、あたかもその商品が「肌に化粧水等の水分を与えるマスク状(又はマスク状にして使用する)商品」であるかの如く直感させ、その商品の品質について誤認を生ずる恐れのあることは明白であって、商標法第4条第1項第16号の規定に該当するものである。

以上の理由により、本件商標は、登録の要件を具備しないものであることから、その登録は無効である。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める。と答弁し、その理由を次のように述べた。

(1)請求人が提示した該甲号証の資料により本件商標を下記の如く検討するに、以下に述べる理由によってその登録の無効理由は全く存在しないものと確信する。

即ち、まず、甲第1号証は本件商標の出願から登録までの経緯の記載書面であり、その記載の通りである。

甲第2号証は、「Water」の語が、「水」「水分」等の語意を有し、化粧品に使用されている。

甲第3号証は、「パック」の語が、スキンケアの手法である語として一辞典に記載があるとしても、「Water Masque」の文字の当該商品の表示ではない。

甲第4号証は、「MASK」の語が、肌に使用するマスクの意味合いの表示のみの記載である。

甲第5号証ないし甲第8号証は「ウォーターマスク」及び「Water Mask」の文字の記載はあるが、各々のその前後に他の文字と結語として使用表示をしており、しかも、該資料が商品の「カタログ」であり、その印刷年月日、頒布量及び配布地域が全く不明である。

甲第9号証は「パック」の別名称が「マスク」であるとの記載はあるが、その語が特定の化粧品の記載ではない。

上記の通り、「Water Masque」の文字が、当該商品の効能、品質を直に表示するものとする甲第2号証ないし甲第9号証資料に拠ってはその立証資料として全く乏しいものである。

(2)しかして、本件商標の構成文字は、「水、液体、水上」等意を表す英語「Water」文字と「仮面、防毒面、野球の捕手のかぶる防護面」等の意を表す「Masque」文字とを結語とし、それぞれの語の頭文字「W」及び「M」は大文字で、その後続文字は小文字で表し、全体を同じ書体で左横書き一連に構成してなるものである。

そして、本件商標がその指定商品について使用するにつき、自他商品の識別性を具備するか否かを判断するに当たっての基準として、その判決例をみるに、商標を構成するある文字部分が、自他商品識別の機能を有するかどうかについては、その部分のみではなく、他の構成部分の識別力、これと結合態様等を含めた見地から決定されるべきものである。旨判示されている(昭和53年(行ケ)第39号東京高裁 昭和54年2月7日判決言渡)。

かかる上記の判決例の説示されている趣旨の見地にたって本件商標を見るに、本件商標の構成文字中の「Water」及び「Masque」の文字が、それぞれ該英語を指称し、その語意を有する文字であるとして当該商品においてなんらかの関係のある文字であるとしても、該2語のそれぞれ自体が本件商品の特定語意は有しない造語の結語からなるものである。

さらに、この両語のそれぞれがこの種商品の化粧業界等の取引上において、その商品の品質・効能等またその商品の普通名称として使用されている事実は、前記の通り、請求人の提示の資料によっては乏しいものであり、また、これら該両語を結語とした「Water Masque」の文字からは「水仮面」又は「液体仮面」なる意味合いは生じ得るとしても、請求人主張の如く、「肌に化粧水等の水分を与えるマスク状(又はマスク状にして使用する)商品」の意味合いを直ちに感得するものとは全く思料し得ないから、本件商標の指定商品等に使用したとしても、その商品の効能、品質等を表示するものとは到底断じ得ない。また、前記以外の商品に使用をしたとしても何等その商品の品質の誤認を生じさせるおそれはない。

(3)しかして、本件商標からは、前記のとおり、その商品の直接的な品質、原材料、効能等を表示するものではないし、その構成上からも両語を分断すべき要素はなく、一体的に纏まった単に、造語からなるものと取引者、需要者間に認識されうるものである。

したがって、本件商標を当該商品に使用したとしても取引上において自他商品の識別標識としての識別力を十分具備するものであるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に該当せず、これが登録されて然るべきである。

4 当審の判断

請求人の提出に係る甲第2号証によれば、「〇〇〇ウォーター」、「ウォーター〇〇〇」等と「ウォーター」の文字が他の文字と結合して使用されている事実は認められ、また、甲第3号証の化粧品事典によれば、「パック(pack)」の一つのタイプとして「貼付タイプ」について「マスクには、汚れや余分な皮脂を取り除くマスクパックと保湿成分やエモリエント成分などを含浸させ、肌に豊かなうるおいを与える保湿マスクなどがある。」と記載されているとしても、本件商標を構成する「Water Masque」の文字がその指定商品の効能、品質を表す語として普通に使用されているのか、その証拠によっては直ちに理解し、認識するとまではいい得ない。

また、甲第4号証ないし甲第8号証の商品の外箱、容器等によれば、「ウォーターマスク」及び「Water Mask」の文字が単独で使用されている事例は一部であり、その証拠によっては、その指定商品の効能、品質を表す語と直ちに理解し、認識するとまではいい得ず、しかも、上記資料は印刷年月日が不明であり、本件商標の登録査定時において、普通に使用されていたことを明らかにするものではない。

さらに、甲第9号証の「化粧品の表示に関する公正競争規約集」には、「パック」に代わるべき名称として「マスク」の語が記載されていることは認められるが、「Water Masque」の文字がその指定商品の効能、品質を表す語として普通に使用されている証拠とはなり得ない。

以上のとおり、請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標がその指定商品について、その効能、品質を表示するものとして取引者、需要者の間に認識されているものとは認められない。また、本件商標がその指定商品について使用された場合、その商品の品質について誤認を生ずるおそれはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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