sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の立証要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30196(T2005−30196/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1045550号商標の指定商品中「第25類 被服」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1045550号商標(以下「本件商標」という。)は、「L’UOMOVOGUE」の文字を横書きしてなり、昭和46年1月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和48年12月6日に設定登録され、その後、指定商品については、第5類、第9類、第10類、第16類、第17類、第20類、第21類、第22類、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び第25類「被服」を指定商品とする書換の登録が平成16年10月13日にされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第25類「被服」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法50条1項の規定によりその登録を取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証(紳士用スーツの写真)について(乙号証中枝番を有するものについて、その枝番のすべてを引用するときは、以下、枝番を省略する。)

乙第1号証は、その撮影日が本件審判の請求の登録日(平成17年3月16日)以降の平成17年4月18日である。しかも、乙第1号証は、販売店等で陳列されている状態や販売促進用の広告等のために撮影されたものでもなく、本件審判の請求の証拠とするためにのみに撮影されたものに他ならない。そして、被請求人は、当該写真に撮影された紳士用スーツがいつ、どこで、誰によって、どの程度販売されており、被請求人がこれをどのようにして入手したのか等、具体的な流通、販売の事実を明らかにしていない。また、被請求人は、販売事実を具体的に示す注文書、納品書、売上伝票等の取引書類及び価格、取引数量、販売額等を示す資料は一切提出していない。

それ故、乙第1号証は、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたことの証拠となり得ないことは明らかである(甲第1号証(平成8年審判第15352号事件の審決)参照)。

なお、当該写真の紳士用スーツに付されている本件商標が表示された「タグ」は、後から、既製のスーツにも容易に縫い付けることが可能であるから、具体的、客観的な流通、販売の状況が一切不明である紳士用スーツ1着に、たまたまそのようなタグが付いていたとしても、本件商標の使用を客観的に示す資料と評価することはできない。

(2)乙第8号証(紳士服地の写真)について

被請求人は、本件商標の使用許諾を受けた伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠」という。)から再許諾を受けた長大株式会社(以下「長大」という。)が、本件商標を使用した紳士服地を製造販売し、この服地を使用して紳士用スーツが製造販売された旨主張する。

被請求人の上記主張が、仮に被請求人が上記紳士服地の製造販売という事実によって本件商標が「被服」に対して使用された事実を立証する趣旨であるとしても、かかる紳士服地は、第24類「織物」に分類される商品であって、本件審判の請求に係る指定商品である「被服」とは異なるので、紳士服地に本件商標を使用したとしても、指定商品についての本件商標の使用には当たらない。

したがって、乙第8号証も、本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用を証明する証拠とはならない。なお、乙第8号証は、本件審判の請求の登録日以降の平成17年4月18日に撮影されたものであるから、この点においても証拠価値を有しない。

(3)乙第10号証ないし乙第16号証(メルボ紳士服株式会社(以下「メルボ」という。)による紳士用スーツの仕立ての取引書類)について

被請求人は、乙第11号証ないし乙第16号証の取引書類に基づき、メルボが紳士用スーツ等を製造販売していることにより、本件商標の使用を立証している。

しかしながら、以下のとおり、かかる紳士用スーツ等の製造販売は、何ら本件商標の使用を証明するものではない。

(ア)乙第11号証ないし乙第16号証の取引書類のうち、乙第11号証及び乙第14号証は、その中のスタイル欄に「ルウォモ・ヴォーグ」の記載が認められるが、かかる記載はそれ自体で、実際に製造・販売されたスーツに、本件商標が、自他商品(役務)の識別標識として機能し、かつ、その具体的状況を客観的に認め得る態様で使用されていたことを証明するものではない。また、片仮名表記の「ルウォモ・ヴォーグ」は、本件商標とは異なるものである。

なお、被請求人は、最終製品における本件商標の使用例は、乙第1号証の2の写真のとおりであると主張するが、メルボの製造販売した紳士用スーツと当該写真との関連性は何ら主張されておらず、立証もされていない。

(イ)被請求人は、上記メルボ等の仕立てによる本件商標の使用は、通常使用権者である伊藤忠の監督の下にあるといえるので、通常使用権者の使用と同視し得ると主張するが、上記仕立てが伊藤忠の監督の下にあることを示す証拠は一切存在しない。

上記仕立ての過程を具体的に示す乙第11号証から乙第16号証は、全てメルボと百貨店「ヤマトヤシキ」(以下「ヤマトヤシキ」という。)間のやり取りであり、伊藤忠は一切関与していない。伊藤忠の関与が窺われる唯一の資料である乙第10号証は、本件審判の請求の登録日後の平成17年5月16日付けのものであり、しかもその文面には「ご依頼の件ですが、取り急ぎFAX致します。」とあり、これは、本件審判の請求後初めて、伊藤忠がメルボに対して、上記仕立てに関する報告を求め、メルボがその求めに応じたものにすぎない。したがって、メルボが行う紳士用スーツの仕立てに関して、伊藤忠がメルボから恒常的に報告を受けていたことはなく、本件審判の請求が開始して初めてメルボに対して報告を求めたものであることが分かる。このように、乙第10号証によっては、上記仕立てが伊藤忠の監督の下にあったとは到底言えるものではないばかりか、むしろ乙第10号証によって上記仕立てについて伊藤忠は何ら監督をしていないし関与すらしていなかったことが明らかとなる。

よって、メルボ及びヤマトヤシキによる上記仕立てによる本件商標の使用は、通常使用権者による使用には該当しない。

(ウ)上記(ア)のとおり、乙各号証は、本件商標が紳士用スーツに使用されていた事実を証明するものではない。また、請求人の調査(甲第2号証)によれば、本件商標を使用した紳士用スーツが販売されている事実はなく、メルボの販売する仕立て用紳士服地は発見されたが、該服地に使用されている標章は、「L’UOMO」部分を上段に大書し、「VOGUE」部分を下段に小さく表示したものであり、本件商標とは明らかに異なるものである。

(4)乙第2号証(メンズドレスシャツの写真)について

乙第2号証は、乙第1号証と同様に、本件審判の請求の登録日以降の平成17年4月18日に撮影されたものであり、また、乙第2号証に基づき本件商標の使用が明らかとなるものではない。

したがって、乙第2号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用を何ら証明するものでないことは明らかである。

(5)乙第17号証(トミヤアパレル株式会社(以下「トミヤアパレル」という。)の取引店舗)について

(ア)乙第17号証には、「主要店舗リスト」として複数の店舗が記載されているのみで、その店舗において、メンズドレスシャツ(乙第2号証)が実際に販売されていることについては何ら触れられておらず、かつ、それぞれの店舗で実際に取引があったと認められる取引書類の提出がないから、その内容は客観性に欠けるものであって、本件商標の使用を証明するものではない。

(イ)被請求人とトミヤアパレルとの間の商標使用許諾契約書(乙第6号証及び第7号証)においては、許諾商標は、「L’UOMO」及び「L’UOMO VOGUE」であって、かかる商標は、本件商標とは異なる。したがって、かかる契約書もトミヤアパレルが本件商標を使用していたという根拠とはなり得ない。

なお、請求人の調査では、被請求人が「本件商標を使用している」と主張する「株式会社マイカル」、「ユニー株式会社」、「イズミヤ株式会社」、「株式会社平和堂」、「株式会社イズミ」、「イオン株式会社」、「株式会社東急ストア」のいずれの会社からも、本件商標を付したメンズドレスシャツのような商品はないとの回答を得ており、本件商標の使用は発見されなかった(甲第2号証)。

(6)むすび

以上のとおり、乙各号証は、いずれも本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用を証明するものではない。

よって、被請求人は、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が本件取消審判の請求に係る指定商品についての本件商標の使用をしたことを立証していないから、本件商標の登録は、商標法50条1項の規定により取消しを免れることができない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第17号証(枝番を含む。)を提出した。

1 使用の事実

被請求人は、本件商標を複数の企業に使用許諾しており、本件商標は、通常使用権者又は通常使用権者から再許諾を受けた使用権者らによって使用されている。

(1)使用商品について

被請求人は、使用権者らによって製造販売されている商品のうち、紳士用スーツ及びメンズドレスシャツ(ワイシャツ)の写真を提出する(乙第1号証及び乙第2号証)。

これらの商品が、請求に係る指定商品に含まれていることは明らかであり、使用権者らによるこれらの商品の取扱いは以下のとおりである。

(2)使用権者らについて

(ア)被請求人は、1993年(平成5年)3月15日に、伊藤忠(大阪市中央区久太郎町4丁目1番3号所在)との間で、本件商標の商標権について、商標使用許諾契約を締結している。伊藤忠は、被請求人との上記契約に基づき、1993年3月16日に、長大(愛知県一宮市栄1丁目10番17号所在)に再許諾する契約を締結しており、この使用許諾契約は現在も有効に存続している(乙第3号証ないし乙第5号証)。

(イ)被請求人は、メンズドレスシャツ(乙第2号証)について、トミヤアパレル(東京都港区南青山4−1−6所在)との間で、本件商標の商標権について、使用許諾契約書を締結しており、上記使用許諾契約は現在も有効に存続している(乙第6号証及び乙第7号証)。

(3)本件商標の使用について

(ア)前記長大は、紳士服地・婦人服地を製造販売する会社であり、「L’UOMOVOGUE」を使用した紳士服地を製造し販売している(乙第8号証)。そして、長大は、製造に係る紳士服地をメルボ(大阪市中央区南船場2−1−10所在)、銀座山形屋、松尾株式会社などに販売している。

(イ)メルボは、紳士服の製造販売を業とする会社であり、「L’UOMOVOGUE」の服地を名古屋松坂屋などの百貨店に納品するが、各百貨店では、この服地を販売するのではなく、紳士用スーツなどの注文仕立て用の服地として扱い、注文を受けてから商品に仕立てる。紳士服の仕立ての注文があったときは、紳士服の製造販売を業とするメルボヘも商品の仕立ての注文が入る。

「ヤマトヤシキ」(姫路市二階町55所在、乙第9号証)は、メルボが「L’UOMOVOGUE」の服地を納品している百貨店の一つであり、乙第10号証ないし乙第16号証は、メルボがヤマトヤシキから紳士服の仕立ての受注を受けたこと、仕立てた紳士服をヤマトヤシキに納品したこと、及びヤマトヤシキから支払いを受けたことに関する取引書類の各写しである。

それらの取引書類について、メルボから伊藤忠への報告書(乙第10号証)に沿って説明する。

(a)乙第11号証は、平成16年12月25日付けの受注伝票であり、「赤松」なる顧客の「ブレザー(ジャケット)」の注文である。右上の「スタイル」欄の「L ルウォモヴォーグ」に丸印が付いているように、「L’UOMOVOUGE」の商品である。この整理Noは「19133」(右上欄外)である。

(b)乙第12号証は、平成17年1月19日付けのヤマトヤシキヘの上記(a)の商品の「納品伝票(買取)」である。左のA欄に、(a)と同じ整理番号「19133」が入っており、この伝票番号は「42308」である。品名は「ジャケット」、摘要欄に注文主の「赤松」の名前が入っている。

(c)乙第13号証は、ヤマトヤシキからメルボヘの2005年(平成17年)1月20日付け「支払明細書」である。伝票番号「42308」に対する支払金額は、「42,900」円である。

(d)乙第14号証は、(a)と同日である平成16年12月25日付けの「受注伝票」であって、注文主も同じく「赤松」なる顧客であり、「L’UOMOVOGUE」の「上下スーツ」の注文である。整理No.は「19279」である。

(e)乙第15号証は、平成17年1月19日付けのヤマトヤシキヘの上記(d)の商品の「納品伝票(買取)」である。A欄に整理番号「19279」が入っており、伝票番号は「42307」である。商品名は「スーツ」、摘要欄に「赤松」の名前が入っている。

(f)乙第16号証は、ヤマトヤシキからメルボヘの2005年1月20日付けの「支払明細書」である。伝票番号「42307」に対する支払金額は、「57,720」円である。

以上のように、メルボは、ヤマトヤシキが顧客から注文を受けた紳士用のスーツ及びジャケットの仕立てを受注し、それらの商品を仕立て(製造し)、ヤマトヤシキに納品(販売)している。

そして、本件商標の使用例は、乙第1号証の2(スーツの写真)のとおりであり、上着の内ポケット上方に、「L’OMOVOGUE」の織ネームを付ける。また、左袖ボタンの上方の織ネームは、注文主の好みにより付ける場合もある。

最終的にヤマトヤシキにより本件商標を使用した紳士用スーツ、あるいはジャケットなどの商品が注文主に販売されることになる。

よって、メルボとヤマトヤシキとの取引書類により、本件商標の指定商品中「被服」のうち、紳士用スーツ及びジャケットに本件商標が使用されていることを証明し得たものと確信する。

使用権者については、被請求人は、伊藤忠と使用許諾契約を締結しているが、最終商品である紳士用スーツあるいはジャケットなどの商品が百貨店で注文販売されるまでにはいくつかのルートを経るのは通常の取引形態であり、商品を生産したメルボあるいは商品を販売したヤマトヤシキによる本件商標の使用は、乙第10号証のとおり、伊藤忠の監督の下にあるといえるので、通常使用権者による使用と同一視し得るのである。

また、上記の取引書類は、本件審判の請求の登録日である平成17年3月16日以前であることも明らかである。

(ウ)前記トミヤアパレルは、許諾に係る商品であるメンズドレスシャツ(乙第2号証の2)を生産販売しており、これらメンズドレスシャツは、使用許諾契約日(乙第6号証)以降、乙第17号証に示す各店舗に販売された。

よって、本件商標の指定商品中「被服」に包含されるメンズドレスシャツについて、通常使用権者であるトミヤアパレルが本件商標を使用していることは明らかである。

2 むすび

以上のとおり、被請求人は、本件商標が「紳士用スーツ、ジャケット、ワイシャツ」などに使用されていることを証明し得たものと思料する。

第4 当審の判断

1 伊藤忠及びトミヤアパレルが被請求人より本件商標の商標権の使用許諾を受けた通常使用権者であること、長大は、伊藤忠より、本件商標の商標権の再使用許諾を受けた者であることについては、当事者間に争いはない。

2 そこで、まず、長大が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品に本件商標を使用したか否かについて検討する。

(1)乙第8号証、乙第9号証及び乙第11号証ないし乙第16号証並びに答弁の理由を総合すると、長大は、紳士服地を製造、販売する業者であり、その製造に係る紳士服地に本件商標と同一と認められる「L’UOMOVOGUE」の文字(以下「使用商標」という。)を表示し、該紳士服地を紳士服を製造、販売する業者であるメルボに販売していたこと、メルボは、取引先の一つであるヤマトヤシキに使用商標を表示した紳士服地を納品したこと、ヤマトヤシキが顧客より紳士服の仕立ての注文を受けた場合は、メルボがその仕立てをする場合もあり、平成16年12月25日に、ヤマトヤシキは、顧客より仕立て注文を受けたブレザー(ジャケット)とスーツそれぞれ1着の仕立てをメルボに発注したこと、メルボは、上記発注に対し、平成17年1月19日に、ヤマトヤシキに上記商品を納品したことが認められる。

そうすると、本件商標の使用権者である長大は、使用許諾に係る商品とは異なる紳士服地について、使用商標を表示して取引に当たっていた(商標使用許諾契約書(乙第3号証)第1条参照)ものであり、換言すれば、請求に係る指定商品には含まれない紳士服地について、使用商標を使用していたものといわなければならない。

(2)上記(1)に関し、被請求人は、ヤマトヤシキがその顧客より注文を受け、メルボが仕立てた紳士服は、乙第1号証の2のように、使用商標を表示していたものであり、また、上記メルボ及びヤマトヤシキは、報告書(乙第10号証)にあるように、伊藤忠の監督の下にあるから、通常使用権者による使用と同一視し得る者であり、したがって、本件商標は、使用権者により請求に係る指定商品中の「紳士用スーツ、ジャケット」について使用されていた旨主張する。

しかしながら、メルボ及びヤマトヤシキは、被請求人(商標権者)との関係が何ら明らかにされていないばかりでなく、上記(1)で認定した取引の実態からすれば、両社は、単に長大が製造し、使用商標を表示した紳士服地を購入した一取引者(ヤマトヤシキは、メルボを経緯して購入した一取引者)にすぎない者であるから、メルボがヤマトヤシキの注文に応じて仕立てた紳士服に使用商標を表示し(乙第1号証の2)、これをヤマトヤシキが顧客に販売したとしても、長大の業務に係る紳士服地の一取引者にすぎないメルボ及びヤマトヤシキによる紳士服への使用商標の使用は、本件商標の通常使用権者の使用とみることはできない。

また、メルボから伊藤忠への報告書(乙第10号証)は、本件審判の請求の登録日以降の2005年(平成17年)5月16日にメルボから伊藤忠に宛てたFAXであり、このFAXは、本件審判が請求されたことへの対応策として、伊藤忠がメルボに本件商標の使用状況を問い合わせ、これに対する回答であると推認することができ、これをもって、メルボ及びヤマトヤシキが伊藤忠の監督下にある通常使用権者とみることはできない。他にメルボ及びヤマトヤシキを本件商標の通常使用権者とみるべき証拠の提出はない。

3 次に、トミヤアパレルが本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品に本件商標を使用したか否かについてみるに、乙第2号証によれば、本件請求に係る指定商品中のメンズドレスシャツについて、本件商標が表示されていたことが窺い知れるものの、該商品が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内の市場において、実際に取引に資されたと客観的に認め得る取引書類、あるいは宣伝広告された資料等の提出がなく、乙第17号証のみをもってしては、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者であるトミヤアパレルにより、本件商標が上記メンズドレスシャツについて使用されたという事実を認めることはできない。

4 したがって、長大及びトミヤアパレルは、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたものと認めることはできない。

5 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明し得なかったのみならず、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていないといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、第25類「被服」について、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。