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ナイロンの普通名称化

審判番号
不服2004−18969(T2004−18969/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「雑誌」を指定商品として、平成15年12月19日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、以下の(1)ないし(3)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、ポリアミド系の長鎖状重合成繊維の普通名称である「NYLON」の文字を書してなるもので、単に本願指定商品の「ナイロンからなる繊維素に関する雑誌」を指称する文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第1号に該当する。

(2)本願商標は、構成部にデュポン社の商品名の略称を書してなるから、本願商標をその指定商品に使用することは、社会公共の利益に反し、かつ一般道徳観念にも反するものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(3)本願商標は、デュポン社の著名な「NYLON」標章と同一又は類似するものであるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、それに接する需要者が、たとえ、デュポン社の業務に係る商品であると認識しなくても、本願指定商品がデュポン社の子会社等の関係にある事業者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、「NYLON」の文字は、商品「雑誌」の普通名称であるということはできない。

次に、「NYLON」の文字が、たとえ、原審説示のようにデュポン社の商品名の略称であるとしても、「ナイロン(nylon)」は、「現在はポリアミド系の合成高分子化合物の総称(広辞苑第5版)」であるから、本願商標をその指定商品に使用することが社会公共の利益に反し、かつ一般道徳観念にも反するものということはできない。

さらに、「NYLON」の文字が、たとえ、原審説示のようにデュポン社の著名な「NYLON」標章と同一又は類似するものであるとしても、「ナイロン(nylon)」は、前記したとおり「現在はポリアミド系の合成高分子化合物の総称」であるから、本願商標をその指定商品に使用しても、それに接する需要者が、デュポン社の子会社等の関係にある事業者の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということもできない。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのないものであって、さらに、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれもないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第1号、同法第4条第1項第7号及び同第15号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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