結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89048(T2004−89048/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4298427号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示した構成よりなり、平成8年7月19日に登録出願、第8類「かみそり刃,その他のかみそり,その他の手動利器(「刀剣」を除く。)」を指定商品として、平成11年7月23日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第872428号商標(以下「引用商標」という。)は、「マッハ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和44年1月22日に登録出願、第13類「手動利器、手動工具、金具(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和45年9月8日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第47号証を提出している。
(1)本件商標について
(ア)本件商標は、その構成から一連の「ジレットマッハ」の自然な称呼が生ずるほか、本件商標を構成するそれぞれの文字部分より「ジレット」及び「マッハ」の称呼が生ずると言うべきである。
すなわち、本件商標中「GILLETTE」の欧文字部分は、被請求人「ザ ジレツト コンパニー」の商号の主要部より採択されたものと認識されるものであると同時に、係る商号の主要部は被請求人を代表する営業標(基本商標)として全商品に使用される被請求人会社に係る代表的出所標識として広く知られたハウスマークである。
現に、被請求人は、ハウスマークである「GILLETTE」をその構成中に含む商標を多数所有している(甲第4号証ないし甲第24号証)。
一般的に、企業が自己の商標を採択、使用するに際して、企業の代表的出所標識(ハウスマーク)と、その取り扱いに係る個々の商品に付される識別標識(ペットマーク)とを併用して使用しているのが実情であるところ、被請求人の所有する甲第4号証ないし甲第24号証の商標から明らかなように、被請求人も、本件商標中の「GILLETTE」の文字をその業務主体を表す代表的出所表示標識として使用し、「MACH」の文字部分をその取り扱いに係る個別商標として認識し使用している。
また、これに接する需要者・取引者においても、本件商標構成中の「GILLETTE」の文字部分を被請求人の業務主体を表す代表的出所表示標識として把握する一方で、ペットネームとしてそれ自体独立して機能し得る「MACH」の文字部分を被請求人の取り扱いに係る個々の商品に付される識別標識として理解し、該文字部分をもって取引に当たる場合も少なくない。
以上のことから、本件商標は「ジレットマッハ」の一連の称呼が生ずるほか、本件商標の構成中、被請求人自身を表す部分であって、被請求人会社に係る代表的出所標識として広く知られている「GILLETTE」の文字部分より、「ジレット」の称呼、ペットマークとして認識される「MACH」部分より、「マッハ」の称呼及び観念をも生ずると言うべきである。
(イ)本件商標は、審査で他人の先行登録商標と類似するとして拒絶され、拒絶査定不服審判を請求し登録に至っているところ、その引用商標となったのは、請求人の本件引用商標であった(甲第25号証)。
なお、被請求人は、「Gillettemach」からなる商標を出願したが、同様に請求人の本件引用商標を引用されて拒絶されている(甲第26号証ないし甲第28号証)。
(2)引用商標について
引用商標は、カタカナで「マッハ」と書してなるところ、その構成から「マッハ」の称呼及び観念が生ずる商標である。
(3)本件商標と引用商標との類否について
上記(1)(2)のとおり、本件商標と引用商標は、いずれも「マッハ」の称呼及び観念を生ずるものであるから、両者は、その称呼及び観念を共通にするものであって、その出所について混同を生じさせるほどに類似していると言うべきである。
また、係る認定は、平成12年(行ケ)第461号審決取消訴訟事件、平成4年(行ケ)第218号審決取消訴訟事件等の判決例より明らかであり(甲第29号証ないし甲第31号証)、特許庁の審査基準上でも類似することは明らかである。
そして、本件商標の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含んでいることが明らかである。
(4)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定に基づき、その登録を無効とすべきものである。
(1)本件商標は、周知又は著名なハウスマーク「GILLETTE」以外の部分「MACH」が独立して認識され、そこから独立の称呼が生じるか否かである。
この点については、係る周知・著名商標以外の部分が分離判断され、そこから独立の称呼が生じるとするのが、従来からの判決例・審決例であり、また特許庁の実務である(甲第29号証ないし甲第40号証)。
さらに、本件商標は、「商標審査基準の解説(第4版):工藤莞司著」(甲第41号証)に照らしても、ハウスマークとして著名な「GILLETTE」の商品「MACH」の如く理解されるものと言うべきである。
(2)被請求人のホームページ上の製品情報においては、「Gillette」の文字と他の識別可能な文字との結合された商標が付された個々の製品が紹介されている(甲第42号証)。
係る「Gillette」の文字部分と他の識別可能な文字とが異なった色彩で表示されていることから明らかなように、被請求人自身が、実際の取引において、ハウスマークである「Gillette」以外の部分であるペットネーム部分のみを独立して取り扱っているものと言えるのである。
(3)以上のように、著名な商標と他の文字等の結合商標については、著名商標以外の部分を分離、抽出して、類否判断をすべきであるから、本件商標においても、被請求人の周知・著名な商標であり、業務主体を表す代表的出所表示標識として把握される「GILLETTE」の文字部分以外の部分である「MACH」の文字部分が分離、抽出され、かかる部分が被請求人の取り扱いに係る個々の商品に付される識別標識として理解されると言うべきである。
本件商標は、「GILLETTE」及び「MACH」の文字の間に間隔を有しているだけでなく、「GILLETTE」部分が周知・著名であるが故にそれ以外の部分を分離、抽出して、類否判断されるものであるから、必ずしも一連に「ジレットマッハ」と称呼されるものではなく、「ジレット」及び「マッハ」とも称呼されると言うべきである。何よりも、被請求人自身が、ホームページの製品紹介において、現に、ハウスマークとペットマークを分離して使用し、称呼を表記しているのであるから、本件商標から「マッハ」の称呼が生ずるとすることは何ら不自然なことではない。
(4)被請求人は、他の登録商標を引用し、請求人の引用商標と併存していると主張する(乙第1号証ないし乙第4号証及び乙第16号証ないし乙第24号証)。
しかしながら、被請求人が引用する商標が登録されているのは、本件商標とは全く事情が異なる理由によるものであるから、本件商標の場合と同列に論じられるべきではない。
被請求人は、請求人の登録商標「マッハ/MACH」(登録第4761278号)及び「マッハ4/MACH4」(登録第4770677号)に対して申立てた別件登録異議申立事件(異議番号2004‐90413及び2004‐90491)において、本件商標を引用商標としたうえで、本件商標「GILLETTEMACH」が分離判断され、互いに類似すると述べているものである(乙第33号証及び乙第34号証)。
上記、異議申立各事件における被請求人の主張は、本件商標から、単に「マッハ」の称呼は生じないものといわなければならない、とする主張と正反対の主張となっているものである。
同一の本件商標について、一方(前記異議申立各事件)では分離判断されるべきと主張し、一方(本件審判事件)では一体と判断すべきと主張する、被請求人の主張は主張自体が相矛盾しており、認められるべきではない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第24号証を提出している。
乙第1号証ないし乙第4号証の商標(AUTO MACH)は、請求人の引用商標との間に非類似性があるとして許されたものである。
本件商標は、世界的に著名な商標、就中商品「かみそり」について世界中で殆どの人が知っている「GILLETTE」と共に使用するものである(乙第5号証ないし乙第10号証)。一方、請求人は「かみそり」について、片仮名で「レザーマッハ」と表示しているが最近では単に片仮名で「マッハ」と表示しているものである(乙第11号証ないし乙第15号証)。
従って、「GILLETTE MACH」の商標を付した商品は出所について誤認されるおそれは全くないものである。
このように「マッハ」の称呼を有する商標が併存して登録された事例からみて、商品出所の誤認のあり得ないものである。
被請求人の指摘する上記理由は、本件査定不服審判において、登録された判断と全く同じである(乙第18号証)。
すなわち、審査官の判断が誤りであると認め、本願商標については、原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきでないと認定している。
甲第31号証の判決例は、本件には妥当しないものである。被請求人は、「MACH・・・」の商標登録を所有しており、それ等は請求人の引用商標と併存して存在している(乙第19号証ないし乙第24号証)
このように世界的に著名な「GILLETTE」の文字を省略して被請求人商標が「MACH」のみで使用されることは全く考えられないところであるし、さらに、被請求人は、「MACHSYN」、「Machsyn」などの「MACH」商標の登録を得ているのであるから、請求人の主張は理由のないものである。
以上述べたとおり、請求人の主張する本件審判請求の無効理由は全く存しないものである。
本件商標は、別掲に表示したとおり、「GILLETTE MACH」の文字よりなるところ、「GILLETTE」の文字と「MACH」の文字との間に半字程度の間隔があるから、両文字は視覚上分離して看取され、かつ、両文字が結合して一般に親しまれた熟語等を形成するものともいえず、両文字の観念的な結びつきも強いものとは言えないものである。
加えて、前半部に位置する「GILLETTE」(ジレット)の文字部分は、被請求人「ザ ジレツト コンパニー」の商号の要部であり、かつ、被請求人が商品「かみそり」に使用した結果、我が国において需要者間に広く知られている商標である。
そして、被請求人は「GILLETTE」商標を被請求人会社に係る代表的出所標識として使用すると共に、「GILLETTE」の文字とその取り扱いに係る個々の商品に付される識別標識(ペットマーク)とを結合して使用していることが認められる(甲第42号証及び乙5号証ないし乙第10号証)。
ところで、一般的に企業は、自己の商標を採択、使用するに際して、企業の代表的出所標識(ハウスマーク)とその取り扱いに係る個々の商品に付される識別標識(ペットマーク)とを結合して使用しているのが実情である。
そして、企業の係る代表的出所標識とその取り扱いに係る個々の商品に付される識別標識(ペットマーク)とを結合してなる商標に接する需要者・取引者は、代表的出所表示標識とペットネームと理解される各文字部分をもって、商取引に資する場合も決して少なくないことは、本件と事案を異にするとしても、請求人の提出した審判決例(甲第29号証ないし甲第40号証)及び「商標審査基準の解説(第4版):工藤莞司著」(甲第41号証)に照らし、容認し得るものである。
そうとすれば、本件商標は、「GILLETTE MACH」の文字に相応し「ジレットマッハ」の称呼が生ずるほか、本件商標の構成中、被請求人会社の要部又は代表的出所標識として広く知られている「GILLETTE」の文字部分より「ジレット」の称呼及びペットマークとして認識される「MACH」の文字部分より「マッハ」の称呼をも生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、「マッハ」の文字に相応し「マッハ」の称呼を生ずることは明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観及び観念の相違を考慮したとしても、「マッハ」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ず、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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