Trademark Appeal Case
防護標章の著名性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−20748(T2001−20748/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願標章
本願標章は、「チャート」の文字を横書きしてなり、第16類に属する願書記載の商品を指定商品として、登録第1640465号商標(以下「原登録商標」という。)に係る防護標章登録出願として、平成12年7月14日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、平成13年7月17日付け手続補正書により、第16類「紙類,印刷物,書画,写真,写真立て,かるた,歌がるた,トランプ,花札,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」と補正されたものである。
2 原登録商標
原登録商標は、「チャート」の文字を横書きしてなり、昭和53年11月2日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年12月26日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、第6類、第9類、第16類、第19類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換の登録が平成16年10月20日になされ、現に有効に存続しているものである。
3 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願標章は自己の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願標章は、商標法第64条に規定する要件を具備しない。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)本願標章は、原登録商標と同一の構成態様よりなるものであって、その出願も原登録商標権者によるものであることが、商標登録原簿及び本件出願書類に徴して認められる。
(2)次に、原登録商標の著名性についてみるに、請求人(出願人)が提出した甲各号証によれば、請求人は、大正14年に「数学研究社」を創設、「チャート式数学」第1版を発行し、その後、1947年(昭和22年)に、「数研出版株式会社」を創立し、「チャート式」を復刊、「チャート式物理」、「チャート式国語」、「青チャート」、「赤チャート」等の「チャート式」シリーズの参考書を出版、販売したこと、雑誌「サンデー毎日」、「会社案内」及び「パンフレット」、等には、「チャート式」、「チャート」、「赤チャート」及び「青チャート」の各文字が使用されていることが認められる。
上記事実よりすれば、「チャート式」及び「チャート」の文字からなる商標は、請求人の取扱いに係る商品「学習参考書」等に永年使用されたことにより、該商品分野における取引者、需要者間においては、請求人の取扱いに係る商品を表示するものとしてある程度認識されていたことが窺える。
しかしながら、請求人の提出した証拠よりは、原登録商標と同一態様の標章のみが実際に宣伝広告された事実を示す証左は乏しく、むしろ「チャート式」商標として使用されている証左が圧倒的に多いことから、原登録商標が広く一般の取引者、需要者に認識されていたものとは直ちに認め難いところである。
(3)しかも、本願標章及び原登録商標を構成する「チャート」の文字は、「海図、地図」等を意味する英語「chart」に由来する外来語として、「ヒットチャート」や「フローチャート」のように使用され、親しまれた語であって、独創的な標章(商標)とはいえないものであり、商標としての自他商品識別力は本来的に弱いものといえるから、「チャート」の文字のみで請求人の原登録商標を連想、想起させるほど格別に取引者、需要者の注意を強く惹くものであるともいえず、原登録商標の著名性は決して高いものと認めることができない。
(4)また、本願標章に係る指定商品についてみると、防護標章登録は原登録商標に係る指定商品及び指定役務と非類似商品及び役務について認められるところ、本願標章の補正後の指定商品には、原登録商標に係る指定商品と同一又は類似の商品(「印刷物,書画,写真,写真立て」)をいまだ包含しているものであるばかりでなく、それ以外の商品(「紙類,かるた,歌がるた,トランプ,花札,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。)」)についても、原登録商標を使用した商品「学習参考書」とは、そもそもその性質、用途、生産・取引系統、販売場所等を大きく異にするものである。
(5)以上を総合勘案すると、たとえ他人が本願標章と同一の標章を、補正後の本願の指定商品に使用したとしても、請求人の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(6)したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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