Trademark Appeal Case
KLEVI'SとLEVI'Sの類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−16112(T2004−16112/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「KLEVI’S」の欧文字を標準文字を用いて表してなり、第25類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成15年11月28日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、平成16年7月12日付け手続補正書により、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、アメリカ国の被服メーカーである『リーバイ・ストラウス社』が『ジーンズ』等に使用して著名な文字『LEVI’S』の文字を含むものであるから、これを本願の指定商品に使用する場合、恰もそれが上記会社の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「KLEVI’S」の欧文字を表してなるところ、その構成は、「KLEVI」の欧文字と、所有格符号である「’(アポストロフィ)」を用いた「’S」との組み合わせによるものと認められる。
そして、当該文字は、特定の語義を有しない造語と認められるものである。
他方、原審が引用する商標「LEVI’S」(以下「引用商標」という。)は、リーバイ・ストラウス社が、商品「ジーンズ製衣服」等に長年使用し、我が国においても広く知られている商標と認められる。
このことは、以下の事実からも明かである。
(1)小学館プログレッシブ英和中辞典(1994年2月10日第2版 株式会社小学館発行)の「Levi’s」の項によれば、「《商標名》リーバイス:デニム地のズボン。」等との記載がある。
(2)英和商品名辞典(第3刷 1991年 株式会社研究社発行)の「LEVI’S」によれば、「米国 California州のLevi Strauss&Co.製のジーンズ。・・・」等との記載がある。
(3)流行ブランド図鑑(昭和60年5月25日 株式会社講談社第1刷発行)の「LEVI’S リーバイス」によれば、「ジーンズといえばリーバイス。そして、モデルは501。(中略)そのリーバイスの歴史は、1850年、創始者リーバイ・ストラウスがテント用のキャンバス地から、金鉱夫用の丈夫なパンツを作った時から始まる。(中略)ここに現在のリーバイスの原型パンツ(501)が誕生する。以後リーバイスはジーンズの代名詞と言われ続け今に至るのである。」との記載がある。
(4)別冊チャネラー’91−11 ファッション・ブランド年鑑’92年版(1991年11月5日 株式会社チャネラー発行)によれば、取扱商品は、ベルト、小物、バッグを中心とするアクセサリー全般、商品の特徴として、リーバイスジーンズにコーディネートするためのアクセサリーズ。アメリカンテイストのカジュアルグッズ、販路として、ジーンズショップ60%、専門店20%、百貨店20%、との記載のほか、別冊チャネラー’95−11 ファッション・ブランド年鑑’96年版(1995年11月20日 株式会社チャネラー発行)によれば、「リーバイス(Levi’s)」、取扱商品は、メンズベルト、サイフ他、等との記載がある。
(5)1993.03.03 東京朝刊 8頁によれば、「ジーンズの『リーバイス』、売上高で業界初の50億ドル突破−−米国」の見出しのもと、「【サンフランシスコ1日時事】『リーバイス』の商標名で知られる米大手アパレルメーカー、リーバイ・ストラウス社(本社・カリフォルニア州サンフランシスコ市)は一日、一九九二会計年度(九一年十二月―九二年十一月)の総売り上げが前年比一四%増の五十六億ドルになったと発表した。ジーンズや同関連商品に対する世界的な需要の高まりに支えられたもので、同社によると、アパレル業界で年間売り上げが五十億ドルを突破したのは初めて。」との記載がある。
(6)1995.02.28 流通サービス新聞 7頁によれば、「リーバイ・ストラウス・ジャパン、量販店向けEDI強化。ジーンズを拡販」の見出しのもと、「リーバイ・ストラウス・ジャパン(社長エー・ジョン・チャペル氏)は、量販店を中心にした販売活動の強化を目指して九五年末までにEDI(電子データ交換)強化を中心としたシステム開発に力を入れる。また今年は日本でのジーンズ販売開始二十五周年に当たるため、大掛かりなキャンペーン『リーバイスオールドジーンズリサーチ』などを実施する。そのため、九五年十一月期も売り上げの五―六%を宣伝広告に投入する。」等との記載がある。
(7)2000.12.27 繊研新聞 5面 によれば、「リーバイ・ストラウスジャパン 11月期見通しは計画上回る売上高」の見出しのもと「立体裁断が寄与 リーバイ・ストラウスジャパンのロバート・W・ガルガーニ社長はこのほど、二〇〇〇年十一月期の業績見通しについて『下半期の伸び率は上半期ほどではなかったが、前年同期をクリアし満足できるものだった。年間トータルでも目標を達成できた』と当初計画を上回ったことを明らかにした。立体裁断の『リーバイス・エンジニアド・ジーンズ』が全販売本数の一〇%強を占め、売り上げをけん引した。同社は九九年十一月期に売上高が二百五十七億千九百万円となり、前期比一六・八%落ち込んだ。二〇〇〇年十一月期は上期で七・七%の増収を達成、下期も前年を上回り、当初目標の二百八十五億五千六百万円をクリアできる見通しだ。」との記載がある。
(8)2004.02.17 東京夕刊 5頁によれば、「[ブランド街]リーバイス=LEVI’S リベットのないジーンズも」の見出しのもと、「アメリカ西部開拓時代。サンフランシスコで雑貨商を営んでいたリーバイ・ストラウスは客の声を耳にした。『過酷な労働に耐える丈夫なパンツが必要だ』。時代は丈夫な作業着を求めていた。 作業着を馬具用の鋲(びょう)で補強するアイデアを持ち込んだのは、取引があった仕立屋のヤコブ・デイビスだった。一八七三年、共同で『衣料品のポケットの補強に金属リベットを使用する方法』に関する特許を取得した。ジーンズの原型が誕生したのだ。 代表的な商品『501』のボタン留めのフロント、後ろポケットの弓形の刺しゅう『アーキュエット・ステッチ』、二頭の馬が引っ張っても破れない強さを示す『ツーホースマーク』―リーバイスの象徴は順次、加わり、世界で累計五十億本以上を売る商品になった。」との記載があるほか、多数の新聞記事の掲載が認められる。
以上のとおり、引用商標は、リーバイ・ストラウス社の「ジーンズ製衣服」等を表示するものとして、本願商標の商標登録出願がなされた平成15年11月28日以前より、我が国の取引者、需要者間において広く知られ周知著名となっていたものであり、その著名性は、現在も継続していると認めることができる。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標は、上記、周知著名商標と、語頭において、「K」の一文字が附加されているのみで、その他の文字を同じくするものであり、その指定商品は上記周知著名商標の使用に係る商品「ジーンズ製の衣服」を含み密接な関係を有するものであるから、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「LEVI’S」の文字に注目し、認識し、引用商標「LEVI’S」を想起するか、連想するものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用したときは、引用商標を付した被服等の取引者、需要者が、リーバイ・ストラウス社又は同社と経済的もしくは組織的に何らかの関係がある者の業務にかかる商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがあるといわなければならない。
請求人は、審判請求書において、「KLEVI」は、欧米人の名字又は名前であり、あるいは、「’S」を付すことによって人名であると容易に認識することができるから、「K」と「LEVI’S」とを分離して判断することは許されず、本願商標中に著名商標「LEVI’S」が含まれているという認定自体が失当であり、その構成文字が「LEVI’S」において共通することをもって需要者が出所の混同を生じるおそれはない旨、主張する。
しかしながら、たとえ、「KLEVI」の文字が、欧米人の人名又は名前のひとつであったとしても、請求人の提出にかかる参考資料1から、「『KLEVI』の部分を人名であることを認識することができる日本人は少ない」とした先の拒絶の理由を覆すに足る証拠は、見出し得ないばかりでなく、所有格を表す「’S」が付された場合、それを冠した語が必ずしも人名であるとはいえないところである。しかして、本願商標の構成中「LEVI’S」の文字部分は、引用商標と同一の綴りよりなるものであり、引用商標は、リーバイ・ストラウス社がジーンズ製被服等に使用して、我が国において周知著名な商標であること前記認定のとおりであるから、請求人の主張を採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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