1 本願商標
本願商標は、「カロリーママ」の文字を標準文字で書してなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成15年9月16日に登録出願されたものである。
そして、その指定役務については、当審における平成18年1月6日付けの手続補正書により、第44類「生活習慣病に関する助言及び指導,その他の健康管理に関する助言及び指導,栄養と食生活に関する助言及び指導,健康診断,医療情報の提供」に補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4249079号商標(以下「引用商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成9年4月15日に登録出願、第42類「医業,医療情報の提供,健康診断,調剤,栄養の指導,保育所における乳幼児の保育」を指定役務として、同11年3月12日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「カロリーママ」の文字を一連に横書きしてなるところ、その構成文字は、同書同大で一体に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく、一気、一連に称呼し得るものである。
そして、構成中の「カロリー」の文字は、熱量の単位を表す語として、また、「ママ」の文字は、「おかあさん、女主人」等の意味を有する外来語として、それぞれ一般に知られているとしても、外来語として親しまれている比較的平易な上記両語が、特に軽重の差なく一体に結合している構成にあっては、それが、直ちに特定の意味合いをもって親しまれ、あるいは、特定の役務の質等を具体的に表示するものとして一般に理解されているとは認め難いところであるから、むしろ、構成全体をもって、一体不可分の一種の造語を表したものとして認識されると見るのが自然である。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「カロリーママ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、後掲のとおり「Clinic Mama」の欧文字と、欧文字に比してやや小さい「クリニックママ」の片仮名文字とを二段に書してなるものであるところ、独特の書体をもって表された上段の「Clinic Mama」の文字と、下段にあって前記欧文字の読みを特定するために表示されたものと理解される「クリニックママ」の構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、また、構成文字全体より生ずると認められる「クリニックママ」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく、一気、一連に称呼できるものである。
そして、たとえ「Clinic」及び「クリニック」の文字が、「診療所」等の意味を有し、その指定役務との関係において、業種を表す語として使用される場合があるとしても、上記両語を、一体に表した構成からなる引用商標が、直ちに特定の意味合いをもって親しまれ、あるいは、特定の役務の質等を具体的に表示するものとして一般に理解されているとは認め難いところであるから、かかる構成においては、むしろ構成全体をもって、一体不可分の一種の造語を表したものとして認識されると見るのが自然である。
そうとすれば、引用商標は、その構成文字全体に相応して「クリニックママ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
そこで、本願商標から生ずる「カロリーママ」の称呼と、引用商標から生ずる「クリニックママ」の称呼とを比較すると、両称呼は、その構成音、音数において明らかな差異が認められ、十分に聴別し得るものである。
また、両商標は、外観において明白な差異が認められ、観念においては、両者は、ともに格別の観念の生じない造語であるというべきであるから、比較すべきところがない。
してみると、本願商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれより見ても何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標といわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。