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Trademark Appeal Case

使用商標と登録商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30249(T2005−30249/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4122534号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4122534号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLUBADIDAS TEAM」の欧文字と「クルバディダス チーム」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成8年9月19日に登録出願、第25類「洋服,コート,ワイシャツ類,下着,和服,靴下,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,ナイトキャップ,帽子,ガーター,ベルト,靴類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同10年3月13日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証(商標登録原簿及び商標公報の写し)を提出した。

請求人による調査によれば、本件商標権者が過去3年間において本件商標を指定商品に使用した事実を発見することはできない。また、本件商標については専用使用権者又は通常使用権者の登録は存在しない。さらに、本件商標が指定商品について不使用であることに正当な理由があるとも考えられない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証を提出した。

本件商標は、乙第1号証ないし同第5号証のとおり、商標登録後、細々とではあるが、通常使用権者である有限会社田澤商事により、現在も継続的に使用されているものである。

4 当審の判断

商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないとされている。

(1)そこで、被請求人より提出された乙第1号証ないし同第5号証について検討する。

乙第1号証は、ジャージ製シャツ・ズボンの写真であり、シャツの胸の部分には、朱色のマークが付されている。しかし、マークが小さいため、付されているマークの詳細を確認することはできないが、別途、別掲(1)に示したとおり、楕円形内に、朱色をもって「clubadidas」と「TEAM」の欧文字を二段に表した構成の商標(以下「本件使用商標1」という。)が表示されている。

乙第2号証は、川崎市川崎区本町在の「洋服のオケウシ川崎店」オープンのチラシであり、別掲(2)に示したとおり、3枚の葉状図形の下に「club adidas」と「TEAM」の欧文字を二段に表した構成の商標(以下「本件使用商標2」という。)及びその右側に「club addidas TEAM」の欧文字を一連に表した構成の商標(以下「本件使用商標3」という。)が表示されており、「M・L男女兼用/三本線ジャージ上下組セット」の商品名が記載されている。

乙第3号証は、賃貸人イマックス株式会社と賃借人有限会社田澤商事との間の事務所賃貸借契約書であり、川崎市川崎区本町在のトラストビルを平成16年7月1日から平成18年6月30日までを当初の賃貸借期間とすること等を契約内容とする契約書である。

乙第4号証は、練馬区関町在の「洋服のオケウシ武蔵関店」オープンのチラシであり、乙第2号証と同様の商標及び商品が表示されている。

乙第5号証は、有限会社田澤商事が「洋服のオケウシ武蔵関店」を出店するため、西武商事株式会社に対して提出した平成16年11月22日付の臨時店舗出店申請書であり、西武武蔵関ステーションビルの一部を平成16年12月15日から平成17年3月31日まで一時使用すること等を内容とするものである。

(2)上記において認定した事実及び被請求人の主張を総合すれば、被請求人は、本件審判請求の登録(平成17年3月30日)前3年以内に、本商標権についての通常使用権を有限会社田澤商事に許諾していたものと推認することができる。そして、乙第2号証及び乙第4号証のチラシの発行日は明らかではないが、乙第3号証の事務所賃貸借契約書及び乙第5号証の臨時店舗出店申請書との関係からみれば、有限会社田澤商事は、洋服のオケウシ川崎店及び洋服のオケウシ武蔵関店において、本件審判の要証期間内に、本件商標の指定商品に含まれている「ジャージ製のシャツ・ズボン」に本件使用商標1ないし3を使用していたものと推認することができる。

(3)しかしながら、有限会社田澤商事が洋服のオケウシ川崎店及び洋服のオケウシ武蔵関店において使用していた本件使用商標1ないし3は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできない。

ところで、本件商標は、前記したとおり、「CLUBADIDAS TEAM」の欧文字と「クルバディダス チーム」の片仮名文字とを二段に横書きした構成からなるものであるところ、現実に、商標を商品に使用する場合には、商標を付する対象に応じて、適宜、登録商標に変更を加えて使用されるのがむしろ通常であるということができるが、それは、あくまでも、本件商標と社会通念上同一と認められる範囲内の使用に限られるものである。

これを使用商標についてみるに、本件使用商標1は、「clubadidas」と「TEAM」の欧文字を二段に表した商標であり、欧文字部分の表記方法のみをみれば、本件商標と社会通念上同一と認められる範囲内の使用とみることはできるとしても、本件商標における「クルバディダス チーム」の片仮名文字部分が表示されていない。

本件使用商標2は、「club adidas」と「TEAM」の欧文字を二段に表した商標であり、「クルバディダス チーム」の片仮名文字部分が表示されていないばかりでなく、本件商標における「CLUBADIDAS」の部分が「club adidas」と分離して表されている。

本件使用商標3は、「club addidas TEAM」の欧文字を一連に表した商標であり、「クルバディダス チーム」の片仮名文字部分が表示されていないばかりでなく、本件商標における「CLUBADIDAS」の部分が「club addidas」と分離して表されており、しかも、「addidas」の部分は、本件商標における「ADIDAS」の綴りとは異っている。

しかして、本件商標構成中の欧文字部分は、全体として成語を表したものとは認められないから、直ちに特定の称呼を生ずるものということはできない。

しかしながら、その構成中の「CLUB」の文字部分は、「同好会、クラブ」等を意味する英語として広く知られており、また、「ADIDAS」の文字部分は、例えば、AIPPI日本部会が昭和62年12月21日に発行した「外国周知商標集(西独編)」にも掲載されているように、本件審判請求人がスポーツシューズやスポーツウェア等の商標として使用し、我が国においても広く知られている商標であることから、これよりは「アディダス」の称呼を生ずるものと認められ、全体として、「クラブアディダス」の称呼をもって理解・認識される場合も決して少なくないものというべきである。

そうとすれば、本件商標の欧文字部分からは、容易に「クラブアディダスチーム」の称呼を生じ、この称呼が該欧文字部分の自然の称呼とみるのが相当である。

してみれば、本件商標の下段に表示されている「クルバディダス チーム」の文字は、該欧文字部分から生ずる自然の称呼を単に併記したものとはいい難く、本件商標は、「CLUBADIDAS TEAM」の欧文字と「クルバディダス チーム」の片仮名文字とを二段に表した結合商標とみるか、あるいは、「CLUBADIDAS TEAM」の欧文字を特殊な読みに限定するために表したものとみなければならない。

(4)そうとすれば、本件商標構成中の「クルバディダス チーム」の文字を使用することなく、単に、欧文字部分のみを使用しただけでは、本件商標を使用したことにはならず、本件商標と社会通念上同一の範囲内にある商標を使用したものということもできない。

しかも、上記したとおり、本件使用商標2及び3は、「club」と「adidas」及び「club」と「addidas」の文字間に1文字程度の間隔を空けて表しており、この欧文字部分からは、本件商標における片仮名文字部分の称呼である「クルバディダス」の称呼は生じ得ないものであるから、本件商標との差異は、一層明らかである。

(5)してみれば、被請求人の答弁の全趣旨及び乙号各証を総合的に判断しても、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、本件商標の指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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