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Trademark Appeal Case

著名商標「シェル」の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90059(T2005−90059/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4815079号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4815079号商標(以下「本件商標」という。)は,平成16年3月12日に登録出願,「シェルペイント」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり,第19類「アスファルト製壁板,ゴム製壁板,石膏製の壁板,石灰製壁板,セメント製壁板,木製壁板,石製壁板,ガラス製壁板」を指定商品として,同16年11月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標の登録を取り消すべきであると主張し,証拠方法として,甲第1号証ないし同第71号証を提出し,その理由を要旨以下のように述べた。

(1)商標法第4条第1項第11号

本件商標は,昭和40年12月17日に登録出願,後掲のとおりの構成よりなり,商品の区分第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同42年3月28日に設定登録されている登録第737099号商標(昭和53年2月9日,同62年4月17日及び平成9年5月30日の三回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされている。),及び,昭和63年9月6日に登録出願,「SHELL MELLOWPHALT」の欧文字を横書きしてなり,商品の区分第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成3年7月31日に設定登録,その後,指定商品については,平成14年1月16日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされている登録第2325356号商標(平成13年6月26日に商標権存続期間の更新登録がなされている。),並びに,昭和63年9月6日に登録出願,「シェル メロウファルト」の欧文字を横書きしてなり,商品の区分第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,平成3年7月31日に設定登録,その後,指定商品については,平成14年1月16日に商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされている登録第2325357号商標(平成13年6月26日に商標権存続期間の更新登録がなされている。)と類似する商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第8号

本件商標は,申立人の著名な略称「シェル」の文字をその商標中に含むものであり,かつ,その者の承諾を得ていないものであるから,商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第10号

本件商標は,申立人の著名な商標及び略称である「シェル」をその商標中に含み,かつ,類似するものである。

さらに,本件商標は,申立人及びその関連会社が永年にわたり製造・販売を行っていた主要石油製品である「アスファルト,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料」などと抵触する指定商品を包含するものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

(4)商標法第4条第1項第15号

申立人「シェル インターナショナル ペトロリュウム カムパニー リミテッド」は,英米の7社からなる,いわゆるメジャー(国際石油資本)の一つとして世界的に有名なロイヤル・ダッチ/シェルの中核企業であることは,我が国においても広く認識されているところである。

同社は,我が国において「昭和シェル石油株式会社」,「シェルケミカルズジャパン株式会社」等の多数の関連企業を有し,石油・石油製品・化学製品を中心に幅広い営業活動を行っている。

また,「SHELL」「シェル」は,申立人及びその関連会社の扱う石油製品を中心とする各種商品及び役務の分野において世界的に極めて著名な商標であり,また,著名な略称であることは,特許庁においても既知の事実であることは疑いない。

さらに,本件商標は,その指定商品中に「アスファルト製の壁板」といった,申立人が製造・販売するアスファルト,瀝青(ビチューメン)等の石油製品からなる商品を包含している。

アスファルトは,申立人又は申立人の関連会社の商品の一つであり,我が国においても製造・販売されている。

してみれば,本件商標をその指定商品について使用する場合,取引者・需要者をして,申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

よって,本件商標の登録は,取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は,「シェルペイント」の片仮名文字よりなるところ,構成中の「シェル」の文字が,「動植物の堅い外皮,貝殻」等の意味合いを有する英語「SHELL」の表音であり,また,「ペイント」の文字が,「塗料,ペンキ,ペイント,絵の具」又は「・・・にペンキを塗る」等の意味合いを有する英語「paint」の表音である事実は認められるが,「シェルペイント」の文字全体は,同書・同大・同間隔に一連に書されており,特に軽重の差を見いだすことができないばかりでなく,これより生ずる「シェルペイント」の称呼も格別冗長でなく,よどみなく一気一連に称呼し得るものである。

そうとすれば,本件商標は,「シェル」と「ペイント」という,ともによく知られた文字を組み合わせた特定の観念を生じ得ない一連の造語商標と見るのが相当であるから,これより生ずる称呼は,「シェルペイント」のみであるというべきである。

しかして,申立人は,本件登録異議申立書において,「『ペイント』の語は,『塗装する』の意味合いを有するから,本件商標の指定商品との関係においては,『塗装された壁板』といった商品の品質や内容を表す性質を有し,識別力が弱いから,本件商標の構成中にあって,申立人の著名商標又は略称として著名な『シェル』の文字が強く認識される。」旨述べている。

しかしながら,「ペイント」の語は上記したとおり,「塗料,ペンキ,ペイント,絵の具」又は「・・・にペンキを塗る」等の意味合いを有する英語「paint」の表音であるとしても,本件商標の指定商品との関係においては,当該商品の品質を直接的に表わす語とはいえないというべきである。

さらに,申立人主張の「塗装された壁板」のような表現方法が,商品「壁板」の品質を表示する語として実際に使用されている事実は,見当たらないところであり,申立人においても,そのような事実を立証していない。

してみれば,「本件商標は,その構成中の『シェル』の文字部分のみによって特定若しくは強調されるから,当該『シェル』の文字部分と引用各商標とは,その称呼・外観及び観念において類似する。」との申立人の主張は,その前提を欠くものというべきである。

そこで,本件商標より生ずる「シェルペイント」の称呼と引用各商標中の「SHELL」又は「シェル」の文字部分より生ずる「シェル」の称呼とを比較するに,両称呼は,前2音「シェル」を共通にするも,後半部における「ペイント」の音の有無に明瞭な差異を有するものであるから,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,その語調,語感が著しく相違し,称呼上,紛れるおそれがないものといわざるを得ない。

また,本件商標から特定の観念を生じ得ないこと上記したとおりであるから,両商標は,観念上,比較し得ないものであり,それぞれの構成より見て,外観上,十分に識別し得るものである。

したがって,本件商標と引用各商標は,その外観,称呼及び観念のいずれから見ても十分に識別し得るものであるから,本件商標が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。

(2)前記したとおり,本件商標は,「シェルペイント」の片仮名文字よりなる構成上一体不可分の商標と見られるものである。

してみれば,本件商標は,その商標中に,「シェル」の著名な略称を含むとはいえないものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものでもない。

(3)「SHELL」又は「シェル」が,世界的に著名性を有することは認められるが,本件商標は,「シェルペイント」の文字よりなるものであり,かつ,本件商標と引用各商標とが,その外観,称呼及び観念において,非類似であること前記したとおりである。

してみれば,本件商標をその指定商品について使用した場合,申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといわざるを得ない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものでもない。

(4)以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第8号,同第10号,同第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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