Trademark Appeal Case
品質表示語の識別力と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90108(T2005−90108/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4822818号商標(以下「本件商標」という。)は、「DNTウレタンマイルド」の文字を標準文字で表してなり、平成13年9月11日に登録出願、第2類「ウレタン樹脂塗料」を指定商品として、同16年10月18日に登録査定、同年12月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4085846号商標(以下「引用商標」という。)は、「SKマイルドウレタン」の文字を横書きしてなり、平成5年8月19日に登録出願、第2類「ウレタン樹脂塗料」を指定商品として、同9年11月28日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
「ウレタン」の語については、指定商品との関係においては、識別力が弱い語であるが、「マイルド」の語は、様々な意味合いを想起させるが、指定商品との関係においては、特定の意味合いで使用されている事実はなく、しかも、申立人は、第2類において「マイルド/MILD」等の登録商標を有しており、指定商品「ウレタン樹脂塗料」との関係において、十分に識別力を有する語であるといえる。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、「マイルド」と「ウレタン」の語が前後入れ替わったに過ぎないものであるから、本件商標「DNTウレタンマイルド」と引用商標「SKマイルドウレタン」は、その称呼、観念において互いに類似する関係にある商標である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記したとおりの構成からなるものであるところ、その構成中の「DNT」の文字は、商標権者の商号の略称として知られているものであり、「ウレタン」の文字は、指定商品である「ウレタン樹脂塗料」の原材料を表すものと認められる。また、「マイルド」の語は、日常一般においても、極めて親しまれて用いられている語であるばかりでなく、申立人も述べているように、指定商品「ウレタン樹脂塗料」との関係においては、「塗料の匂いがやわらか(マイルド)」、「塗料の色調がやわらか(マイルド)」、「塗料の粘りの程度が軽い(マイルド)」、「塗料の刺激が少ない(マイルド)」等の意味合いを容易に想起させるものである。
そして、「マイルド」の語が商品名や他の品質表示語とともに用いられた場合には、それが単独で用いられた場合よりも、より一層、上記の如き、品質表示的な意味合いを強く認識させるものというべきであるから、本件商標構成中の「ウレタンマイルド」の文字部分が果たす自他商品識別機能は、極めて弱いか、ほとんどないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応した「ディーエヌティーウレタンマイルド」の称呼を生ずる外、これが略称される場合にも、「DNT」の文字に相応した「ディーエヌティー」の称呼をもって取引されることはあっても、単に、「ウレタンマイルド」の称呼をもって取引に供されることはないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標から、単に「ウレタンマイルド」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とは、「ウレタン」と「マイルド」の語が相互置換的関係にあるにすぎないものであるから、称呼・観念上類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
なお、申立人は、「美人味」と「味美人」の類否についての審決例を挙げているが、該審決で争われている商標は、品質表示的な文字からなるものではなく、本件とは、明らかに事案を異にするものというべきであるから、上記認定に影響を及ぼすものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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