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Trademark Appeal Case

図形商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90135(T2005−90135/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4823930号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4823930号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示す構成からなり、平成16年4月23日に登録出願、第14類「キーホルダー,身飾品」、 第16類「トレーディングカード,印刷物」、第25類「被服,履物,ユニフォーム及びストッキング,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「おもちゃ,人形,トレーディングカードゲーム,運動用具」を指定商品として、同年12月10日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の3件の登録商標を引用して、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6

号証を提出している。

(1)引用商標

(ア)登録第4779051号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、平成15年10月28日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成16年6月18日に設定登録されたものである。

(イ)登録第4391971号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示す構成からなり、平成11年7月29日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成12年6月16日に設定登録されたものである。

(ウ)登録第2668456号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)に示したとおり、引用商標2と同一の構成からなり、平成3年2月18日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年2月18日に、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品への書換登録がなされたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号

本件商標は、ライオンとおぼしき動物が左向きに直立し、その足下にボールが描かれている図形である。引用商標1は、同じくライオンとおぼしき動物が左向きに直立している図形の商標である。両商標は、ライオンが左を向いて直立している点、ライオンが口を開け、舌をだしている点、手を前に出し、上下に構えている点、尾が上を向き、くるりと巻いている点、において共通している。

これらの共通点に鑑みた場合、本件商標と引用商標1とは、外観において類似している商標である。よって、本件商標は引用商標1に類似し、その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号

引用商標1、2及び3は申立人の商標として世界的に知られたものである。申立人は、米国をはじめ世界各国のファッション業界で極めて有名なデザイナー トミー ヒルフィガー氏のデザインにかかる商品にかかる知的財産権を所有、管理する法人である。

トミー ヒルフイガーのショップは、アメリカのいたるところにあるが、日本においては、1992年に伊藤忠商事との合弁でトミーヒルフィガージャパンが設立されて以来、わずか5年後の1997年度には100億円もの売上を記録している。その後も同社は順調に業績を上げ続け、今日では日本全国に100店舗以上のショップを展開している。これらのショップの多くは有名な百貨店やファッションビルに出店されている。

そして、本件商標の構成は、上記のとおり、引用商標1ないし3の構成と近似しており、本件商標と引用各商標とは外観上類似する。

したがって、本件商標をその指定商品に使用すると、トミー ヒルフィガーの業務にかかる商品との間で出所の混同を生じるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

まず、本件商標と引用商標1との商標の類否について判断する。

本件商標は、別掲(1)のとおり、ベタ塗りにした左向きで直立し舌を出した獅子風仮想動物の図形を描いたものであり、前に出した脚にボールとみられるものが接した構図のものである。

これに対して、引用商標1は、別掲(2)のとおり、黒塗りにした左向きで直立し舌を出した獅子風仮想動物の図形を描いたものであり、前に出した手に剣を携えた構図のものである。

しかして、本件商標と引用商標1の獅子風仮想動物の図形部分には、獅子風図形の向きや直立し舌を出したこと等で共通する点が認められるとしても、前者がボールを蹴っているように描かれているのに対して、後者は剣を手にしており、また、尾についてみても、ともに上向きではあるが、前者が双葉様に巻いており頭部にまで達しているのに対し、後者は一本で背部までであることにおいて、顕著な差異を有するものである。しかも、当該仮想動物の図形は、西洋風の紋章等の一部に頻繁に採用されている図柄の一といい得るものでもあり、さほどに特異な図柄ともいえないから、その共通点が前記差異を圧倒して獅子風仮想動物の部分のみが殊更に強く印象されるというよりも、本件商標は、ボールを脚で蹴っている獅子風仮想動物の図形として印象され記憶されるものであり、一方、引用商標1は、剣を眼前に構えた獅子風仮想動物の図形として印象され記憶されるものというのが相当である。

してみると、時と処を異にした場合においても、全体から受ける前記印象の違いによって、両者は相紛れることなく区別し得るものとみるのが相当である。

よって、本件商標は、外観において、引用商標1と類似する商標とは言い難く、また、称呼や観念において、本件商標が引用商標1に類似する商標であるとみるべき理由は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものということはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標が引用商標1に類似する商標と認められないことは前記(1)のとおりであり、他に両者を更に関連づけてみるべき格別の事情もない。

また、引用商標2及び3は、別掲(3)のとおり、王冠状の図、対の植物風の図及びリボン状図形を周囲に配したうえ、中の獅子風図形においても両手に剣と器物を携えており、引用商標1に比べ、更に本件商標とは明らかな差異を有するものであるから、本件商標がこれらと相紛れるおそれがあるとは言い難い。

加えて、提出に係る甲各号証によっても、引用商標が現に使用されている形態や使用の程度等を窺い知ることはできず、引用商標が、本件商標の登録出願時において、申立人の商品を表示するものとして需要者の間において広く認識されている商標となっていたと認め得る資料は見いだせない。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用したときに、これに接する需要者が引用商標を想起し、連想して、申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤信し、商品の出所について混同するおそれがあるものとは認められない。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものということはできない。

(3)結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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