Trademark Appeal Case
称呼の類似性と略称の認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90139(T2005−90139/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4825593号商標(以下「本件商標」という。)は、「ニュートラコスメティクス」の文字を標準文字としてなり、平成16年4月9日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同年12月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第663717号商標(以下、「引用商標A」という。)は、「Neutrogena」の文字を書してなり、昭和38年10月3日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、化粧品」を指定商品として、昭和40年1月7日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年11月17日に、第3類「せつけん類、歯みがき、化粧品」とする指定商品の書換登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続するものである。
同じく、登録第1313268号商標(以下、「引用商標B」という。)は、「ニュートロジーナ」の文字を書してなり、昭和49年11月1日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、化粧品」を指定商品として、昭和52年11月25日に設定登録されたものであり、当該商標権は現に有効に存続するものである。
(2)理由の要点
ア 商標法第4条第1項第11号該当
本件商標は、その指定商品との関係において、前半の「ニュートラ」が自他商品の識別機能を果たす部分であるから、これより「ニュートラ」の称呼をも生ずるものである。一方、化粧品を取り扱う業界において、引用商標A及びBは、「ニュートロ」の略称をもって取引に資されている場合も決して少なくないのが実情であるから、「ニュートロジーナ」のほかに「ニュートロ」の呼称をも生ずるものというべきである。
「ニュートラ」と「ニュートロ」の両称呼は極めて相紛らわしいものであり、本件商標と両引用商標は称呼上類似の商標である。また、本件商標及び両引用商標のいずれの指定商品にも化粧品を含むものである。
イ 商標法第4条第1項第15号該当
引用商標A及びBは、化粧品に継続して使用された結果、申立人のハウスマークとして、需要者の間に広く認識されるに至っている。引用商標と極めて紛らわしい称呼の関係にある本件商標をその指定商品に使用するときは、取引者及び需要者が少なくとも引用商標A若しくはBを連想、惹起して、その商品が恰も申立人の製造、販売等の業務に係る商品であるか、又は経済的若しくは組織的に何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ぜしめるおそれがある。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「ニュートラコスメティクス」の文字からなるところ、その構成中、後半の「コスメティクス」が「化粧品」の意を有する英語「COSMETICS」の表音として容易に理解され、商品の品質を表す文字として認識されるものであるから、本件商標にあって自他商品の識別機能を果たすと認められる「ニュートラ」の文字部分に相応して「ニュートラ」の称呼をも生ずるといい得るものである。
一方、引用商標A及びBは、いずれもその構成文字から「ニュートロジーナ」の称呼を生ずるものである。しかしながら、この称呼は長音を含めて7音構成ではあるけれども、格別に冗長ということはなく、語呂良く一気に称呼し得るものである。そして、取引場裏において、これが「ニュートロ」と略称されるとすべき理由及び証左を見いだすことはできないから、引用商標A及びBは、「ニュートロジーナ」の称呼によって取引に資されているとするのが相当である。
そうしてみると、両引用商標から「ニュートロ」の称呼をも生ずることを前提として、本件商標の称呼「ニュートラ」との間で相紛らわしいとする理由は認められない。そして、他に、本件商標が引用商標A及びBに類似する商標であるとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標A及びBに類似する商標とは認められないから、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(2)前記のとおり、本件商標が引用商標A及びBに類似する商標ではなく、更に他に両者を関連づけてみるべき理由はないから、結局、両者は別異の出所を表示するものとして看取されるといわざるを得ないものである。
してみれば、引用商標A及びBが、化粧品について、申立人の商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っている商標であったとしても、本件商標をその指定商品に使用したときに、これに接する需要者が、引用商標A及びBを想起し、連想して、申立人又はこれと何らかの関係にある者の業務に係る商品と誤信し、その出所を混同するおそれがあるとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものとはいえない。
(3)以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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