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Trademark Appeal Case

商標の要部抽出の是非

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90156(T2005−90156/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4828173号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4828173号商標(以下「本件商標」という。)は、「メゾン ド パティシエ」の文字と「Maison de patissier」の文字を二段に横書きしてなり、平成13年12月19日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年12月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2655404号商標(以下「引用商標」という。)は、「LA MAISON DU CHOCOLAT」の文字と「ラ メゾン ドゥ ショコラ」の文字を二段に横書きしてなり、平成3年10月7日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録され、その後、指定商品については、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換の登録が平成17年8月3日にされたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標中の「パティシエ/patissier」は、「製菓技術者」を意味する(甲第3号証)ものであって、本件商標の指定商品との関係では、明らかに自他商品識別力を欠くものである。

したがって、本件商標は、その構成中の「メゾン/MAISON」が要部となるから、簡易迅速を尊ぶ取引においては、時として「メゾン」の称呼及び観念をもって取り扱われるものである。

一方、引用商標中の「CHOCOLAT/ショコラ」は、「チョコレート」を意味するものであって、引用商標の指定商品との関係では、明らかに自他商品識別力を欠くものである。また、「LA/ラ」は、定冠詞であり、取引においては往々にして省略されることが多い。

したがって、引用商標も、取引において時として「メゾン」の称呼及び観念をもって取り扱われるものである。

以上のように、本件商標及び引用商標は、共に「メゾン」の称呼及び観念をもって取り扱われる故に、称呼及び観念上相紛らわしい類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

引用商標は、商品「チョコレート」を中心に使用され、世界的に著名な商標であり、わが国でも上記商品が販売されると共に雑誌等に頻繁に取り上げられてきた(甲第4号証)。その結果、引用商標は、本件商標の登録出願時には、申立人の業務に係る商品の商標として周知、著名なものとなっていた。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号にも該当する。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおり、「メゾン ド パティシエ」の文字と「Maison de patissier」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の「パティシエ」、「patissier」の文字部分が「製菓技術者」の意味を有するものであるとしても、菓子等の分野における需要者が「パティシエ」、「patissier」の文字より直ちに「製菓技術者」の意味を理解するものとは認め難いところである。そして、本件商標は、構成全体をもって、まとまりよく表されているばかりなく、これより生ずると認められる「メゾンドパティシエ」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。

そうすると、本件商標は、構成全体をもって一つの商標を表したと認識されるとみるのが相当であるから、これより「メゾン」、「Maison」の文字部分のみを抽出して、称呼、観念すべきものではない。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「メゾンドパティシエ」の一連の称呼を生ずるものであって、全体として、特定の観念を有しない造語よりなるものといわなければならない。

これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「LA MAISON DU CHOCOLAT」の文字と「ラ メゾン ドゥ ショコラ」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の「CHOCOLAT」、「ショコラ」の文字部分が指定商品又は指定商品の原材料を表したと理解される場合があるとしても、引用商標を構成する欧文字及び片仮名文字は、それぞれ同一の書体をもって同一の大きさで書されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ラメゾンドゥショコラ」又は定冠詞「LA/ラ」の文字部分を省略した「メゾンドゥショコラ」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。

そうすると、引用商標は、本件商標と同様に、その構成中の「MAISON」、「メゾン」の文字部分のみを抽出して、称呼、観念すべきものではない。

したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ラメゾンドゥショコラ」又は「メゾンドゥショコラ」の称呼を生ずるものであって、全体として、特定の観念を有しない造語よりなるものといわなければならない。

してみると、本件商標より生ずる「メゾンドパティシエ」の称呼と引用商標より生ずる「ラメゾンドゥショコラ」又は「メゾンドゥショコラ」の称呼は、構成する音の数、音質の差等により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。

また、本件商標及び引用商標は、前記認定のとおり、いずれも造語よりなるものであるから、観念上比較することはできない。

さらに、本件商標と引用商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上十分区別し得るものである。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

甲第4号証及び甲第5号証によれば、引用商標がわが国において商品「チョコレート」について使用された事実は窺い知ることはできるものの、上記証拠の発行日又は頒布日が本件商標の登録出願前であるか否かは、必ずしも明確ではなく、したがって、上記証拠のみをもってしては、引用商標が申立人の取扱いに係る商品「チョコレート」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、わが国の需要者の間に広く認識されていたと認めることは困難であるといわざるを得ない。加えて、本件商標と引用商標とは、前記(1)で認定したとおり、称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標であることも併せ考えると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれのない商標というべきである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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