Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90157(T2005−90157/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4828327号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、パリ条約に基づくオーストリア連邦を最初の出願(2003年11月20日)とする優先権の主張を伴うものとして、平成16年5月20日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年12月24日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第696940号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和39年7月17日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和41年2月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標中の「HUSH」の文字部分は、一般の取引者・需要者にとって、難解な英単語であり(甲第2号証及び甲第3号証)、また、「say」と「HUSH」が結合して一般に用いられているという社会的事実も存在しない。
したがって、本件商標は、構成全体又は「say HUSH」若しくは「HUSH」の文字部分から特定の観念を導きだすことはできないから、本件商標を「セイハッシュ」と称呼しなければならない特段の理由は見出せない。むしろ、本件商標の構成態様から、「say」から「セイ」の、また、「HUSH」から「ハッシュ」のそれぞれの称呼がでると考えるのが自然である。特に、「HUSH」が大文字でその下に太線をやや右下がりに表されていることから、「HUSH」の印象は極めて強く、「ハッシュ」のみの称呼をもって一般に商取引が行われることは容易に想像がつくところである。
引用商標中の「HUSH」、「PUPPIES」は、一般の取引者・需要者にとって、難解な英文字である(甲第4号証及び甲第5号証)から、引用商標から特定の観念を導くことはできない。したがって、引用商標は、構成全体を一連に称呼しなければならない特段の理由は見出せないから、「HUSH」から「ハッシュ」の、また、「PUPPIES」から「パピーズ」のそれぞれの称呼がでると考えるのが自然である。しかも、「HUSH」は最初の構成要素であり、「ハッシュ」の称呼で一般に商取引が行われることは容易に想像がつくところである。
以上のように、本件商標と引用商標は、「ハッシュ」の称呼を同一とする類似商標であり、本件商標の指定商品中の「馬用毛布、その他の乗馬用具」は、引用商標の指定商品中に含まれるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「say」の文字部分と「HUSH」の文字部分は、やや間隔を開けて書されているばかりでなく、「say」の文字部分は小文字で、「HUSH」の文字部分は大文字で書され、しかも、「HUSH」の文字の下には、手書き風の横線を引いてなるものであるから、「say」の文字部分と「HUSH」の文字部分の間には、外観上軽重の差があるものと認められる。
そうすると、本件商標に接する需要者は、その構成中の「HUSH」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当であるから、本件商標は、構成する文字全体を読んだ場合の「セイハッシュ」の称呼のほか、「HUSH」の文字部分より「ハッシュ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、該文字は、同一の書体をもって外観上まとまりよく書されているばかりなく、構成全体をもって、「ハッシュパピーズ」又は「ハッシュパピー」と称呼され(甲第3号証)、申立人の業務に係る商品「靴」を表示するためのものとして、わが国においても知られている商標といえるから、その構成中の「HUSH」の文字部分のみを抽出して、称呼、観念するとみることは妥当ではない。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ハッシュパピーズ」又は「ハッシュパピー」の称呼を生ずるものであって、申立人の業務に係る商品「靴」のブランドを表したものと認識されるというべきである。
してみれば、本件商標より生ずる「セイハッシュ」又は「ハッシュ」の称呼と引用商標より生ずる「ハッシュパピーズ」又は「ハッシュパピー」の称呼は、構成する音の数、音質等の差により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。
また、引用商標は、前記認定のとおり、構成全体をもって申立人の業務に係る商品「靴」のブランドの観念を生ずるものであり、これと構成要素を異にする本件商標は、引用商標とは観念上相紛れるおそれはないものである。
さらに、本件商標と引用商標は、それぞれ別掲(1)及び(2)のとおりの構成よりみて、外観上十分区別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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