Trademark Appeal Case
著名図案化欧文字の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90333(T2004−90333/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4752510号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年9月8日に登録出願され、第16類「紙製簡易買物袋,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋」を指定商品として、平成16年3月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由(要点)
本件商標は、後掲(2)のとおりの構成よりなる登録第1944578号商標と外観において類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。また、「YSL」の欧文字を縦一列に組み合わせた後掲(2)の標章は、世界的に著名なデザイナー「Yves Saint Laurent」の頭文字を組み合わせた特異性のある著名商標であり、他の文字との組み合わせであろうと欧文字3字を縦一列に組み合わせた本件商標とは軌を一にするものであるから、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者は登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品と出所について混同するおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 取消理由通知
当審は、商標権者に対して、平成17年8月25日付けで意見書を提出すべき相当の期間を指定して、本件商標の登録を取り消すべき旨の取消理由を通知した。その要旨は次のとおりである。
申立人の引用する標章は、世界的に著名なデザイナー「イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)」の頭文字を組み合わせた特異性のある「Y」「S」「L」の欧文字3字を縦にややずらして重ね描いたものであって、衣服、香水等ファッション関連の商品に長年に亘り使用され取引者・需要者の間にイヴ・サン・ローランの作品群ないしその業務に係る標章(以下「申立人標章」という。)として、極めて周知・著名なものとみて差し支えないといえるところ、本件商標は、後掲(1)のとおり「L」「V」「S」の欧文字3字を縦にややずらして重ねて図案化したものであって、前述のとおりの構成よりなる申立人標章とは、欧文字3字を縦にややずらして重ねて図案化した点において態様を同じくするばかりでなく、その構成文字においても3字中の「S」と「L」の2字を共通にするものであり、残る1字も「Y」の上部が「V」形で「V」とは似通った字形といえるものであるから、両者はその構成の軌を一にし、視覚印象において相紛らわしいものとみるのが相当である。そして、本件商標の指定商品は、直ちにファッション関連商品といえるものでないとしても、ファッション界において著名なデザイナー又はそのデザイナーズブランドをもって、単にファッション関連商品に止まらず、他の分野にも進出し、当該製品がそのデザイナーズブランドの一として認識されて取引に資されている場合も少なくないところであって、本件商標の指定商品の商取引場裏においても、申立人標章の著名性が及ぶものといえる。
そうすると、上記の構成からなる本件商標に接する一般的な需要者は、本件商標の登録出願時には既に我が国においてその取引者、需要者の間に広く認識されていた国際的なトップデザイナー「イヴ・サン・ローラン(Yves Saint Laurent)」の作品群を容易に想起する申立人標章とを関連付けて取引に資する場合があるというべきであるから、本件商標が使用された商品について、イヴ・サン・ローランの作品群ないし申立人又は同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように誤解し、商品の取引に当たることもあるであろうと推認することができ、その商品の出所について混同を生ずるおそれが十分にあるということができる。したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるとしなければならない。
4 当審の判断
商標権者は、上記3の取消理由に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べるところがない。
したがって、本件商標の登録は、上記3の取消理由により、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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