Trademark Appeal Case
ファイバーポストの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90718(T2004−90718/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4797856号商標(以下、「本件商標」という。)は、「FIBER POST」と「ファイバーポスト」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成16年1月30日に登録出願、第5類「歯科用材料」を指定商品として、同年8月27日に設定登録されたものである。
第2 取消理由の通知の要旨
1 登録異議申立に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)継続歯の人工歯冠部を維持し、それを歯根に保持する働きをする「合釘」は「ポスト(post)」とも称されること(甲第2号証:歯科医学大事典877頁)。
(2)各種ファイバーを用いたポストを「ファイバーポスト(fiber post)」と称していること、そして、ファイバー(fiber)の種類としては炭素繊維、石英ガラス繊維その他の繊維質素材があること(甲第3号証:DE THE JOURNAL OF DENTAL ENGINEERING 表紙、5頁及び6頁)。
(3)「ファイバーポスト」の表題のもと、「近年,弾性係数の高い金属性既製ポストに替わるものとして,ファイバーポストが欧米で開発され,普及している。弾性係数を象牙質に近似させたファイバーポストは,応力集中の発生を回避することができ・・・・」との記述があること、そして、表2として、海外で市販されているファイバーポストの例がその素材等とともに掲載され、また、ファイバーポストの実物写真が掲載されていること(甲第4号証:歯界展望[Vol100 No.2] 327頁ないし330頁)。
(4)「ファイバーポストを利用した審美的歯冠修復法」の表題のもと、「このような観点から,欧米で10年ほど前から臨床応用されているカーボンファイバーやグラスファイバーをレジンで纏めて1本のポスト形態にしたもの(以下ファイバーポストと略記,図1)は硬すぎず,象牙質に弾性係数が近似しているとされる注目の新素材である。」との記述が掲載されていること、そして、「ファイバーポストの特徴」が6項が挙げられていること、さらに、ファイバーポストの実物写真が掲載されている(甲第5号証:日本歯科評論別冊2003 実践・新素材による歯冠色修復とその技法 139頁ないし141頁)。
2 以上によれば、「ファイバーポスト」「fiber post」は、歯科業界において、合釘の一を指す語として使用されているものであるから、本件商標は、前記合釘の一であるファイバーポストの欧文字表記と片仮名表記とからなると容易に理解されるものというべきである。
そうしてみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、当該ポスト(合釘)の材質が繊維質素材であることを示すものと理解するというのが相当であるから、これをポスト用の歯科用材料に使用するときには、本件商標を商品の品質、用途を表示するものとして認識するに止まり、自他商品の識別標識としては認識しないというべきである。
また、歯科用ポストに相応しない歯科用材料に本件商標を使用すれば、それが恰も歯科用ポストの一であるファイバーポストであるかのごとく、商品の品質について誤認するおそれがあるといわざるを得ない。
さらにまた、たとえば、合成樹脂素材や金属素材のもののように、繊維質素材以外の歯科用材料に本件商標を使用すれば、繊維質素材の商品であると認識し、商品の品質について誤認するおそれがあるといわざるを得ない。
3 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
第3 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成17年9月15日付けで、上記第2の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、上記第2の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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