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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90581(T2004−90581/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4779670号商標の指定商品中、第30類「菓子及びパン」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4779670号商標に係る商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年5月9日に登録出願され、「ガトーデリス」の標準文字を書してなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」を指定商品として、同16年6月18日に設定登録されたものである。

2 申立人の主張する取消理由

これに対し、本件登録異議申立人は(以下「申立人」という。)、以下の登録商標(以下「引用商標」という。)を引用して、本件商標は商標法4条1項11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものであると申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし同第36号証を提出した。

<引用商標>

登録第2476704号商標は、「デリス」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和61年4月18日登録出願、第30類「菓子、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、その後、指定商品については、第30類「菓子、パン」とする書換の登録が平成16年1月28日にされたものである。

3 本件商標に対する取消理由の要旨

申立人の提出に係る甲各号証によれば、甲第3号証ないし同第11号証、及び甲第25号証ないし同第28号証によれば、本件商標中の「ガトー」の文字部分は、「菓子、ケーキ」等を意味する外来語(仏語)として、菓子等を取り扱う分野において普通に使用されていることが認められる。そうとすると、本件商標は、構成文字全体をもって親しまれた観念が生ずるものではないことを併せ考えれば、これに接する取引者、需要者は、「ガトー」の文字部分を商品の品質表示語であると理解し、「デリス」の文字部分より生ずる「デリス」の称呼のみをもって、商品の取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。してみると、本件商標と引用商標とは、「デリス」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「菓子及びパン」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品と認められる。したがって、本件商標は、その指定商品中「菓子及びパン」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見の要旨

上記3の取消理由に対して、被請求人は、要旨次のように意見を述べ、乙第1号証ないし同第23号証を提出した。

(1)本件商標は、同書体、同大の文字にて同間隔に一連に表示してなり、全体の称呼も冗長でもなく、語呂もよく、部分的に軽重の差異もなく、観念上も一体の造語商標と理解されるものであり、分離して考察すべき格別の事情が存しない。

(2)本件商標中の「ガトー」部分が仏語「gateau(焼き菓子)」の表音であると理解する需要者であれば、「デリス」の文字部分も仏語の「極めて旨い、もの凄く旨い」の意味合いを有する「delice」(乙第1号証及び同第2号証)の表音であると当然理解し、全体として「極めて旨い焼き菓子」なる一体の意味合いを有する造語商標と認識する。

(3)ある商標を略称する場合、構成中の後半部を以て略称することは通常あり得ないので、本件商標構成中の「デリス」の文字部分に照応した単に「デリス」の称呼を以て取引に当たることはない。

(4)よって、本件商標と引用商標とは、語頭部における「ガトー」の音の有無により明確に聴取され、彼此相紛れるおそれは皆無であることから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

因みに、語頭部における「ガトー」の音の有無による併存登録例が存する(乙第3号証ないし同第18号証、同第22号証及び同第23号証)。

5 当審の判断

(1)本件商標中の「ガトー」の文字部分は、上記3の取消理由の要旨のとおり、申立人提出の甲第3号証ないし同第11号証、及び甲第25号証ないし同第28号証によれば、「菓子、ケーキ」等を意味する外来語(仏語)として、菓子等を取り扱う分野において普通に使用されていることが認められる他、職権による調査によっても、一般によく知られている用語辞典等の類、例えば、株式会社集英社発行「imidas 2005」、自由国民社発行「現代用語の基礎知識 2005」、朝日新聞社発行「朝日現代用語「知恵蔵」2005」(以上、いずれも2005年1月1日発行)、2000年9月10日、第2版、株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典第 2版」及び1993年1月10日、第1版、株式会社小学館発行「例文で読むカタカナ語の辞典」にも上記意味合いを有する語として掲載されている事実がある。

一方、これらの証左においては、「デリス」の文字が、商標権者主張の如くの「極めて旨い、もの凄く旨い」の意味合いを表す語として、掲載されている事実は発見できなかった。

(2)確かに、商標権者提出に係るフランス料理用語集及びフランス料理用語辞典(乙第1号証及び同第2号証:共にインターネット情報)に「デリス」の意味合いが掲載されてはいるものの、これらの内容の大部分が、本件指定商品中の「菓子及びパン」の主たる取引者、需要者層にとっては、かなり専門的なものであることは、申立人提出の上記甲各号証及び職権調査による上記用語辞典類における掲載状況よりうかがい知ることができる。すなわち、「ガトー」なる語は、必ずといって良い程に掲載されているのに対し、「デリス」の語は、全く発見できない。

(3)したがって、「ガトー」の文字部分は、本件指定商品中の「菓子及びパン」との関係においては、自他商品識別力を有さない部分であるが、「デリスの文字部分は、「菓子及びパン」との関係においても、充分に自他商品識別力を有する部分というのが相当である。

(4)以上よりすれば、上記3の取消理由の要旨のとおり、本件商標に接する取引者、需要者は、「デリス」の文字部分より生ずる「デリス」の称呼のみをもって、商品の取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当であり、本件商標と引用商標とは、「デリス」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「菓子及びパン」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品と認められる。

ただし、本件商標の指定商品中「菓子及びパン」以外の指定商品と引用商標の指定商品とは、非類似の商品と認められる。

(5)なお、商標権者は、ある商標を略称する場合、構成中の後半部を以て略称することは通常あり得ないとして、本件商標からは単に「デリス」の称呼を以て取引に当たることはない、と主張しているが、例えば、「東京ディズニーランド」を単に「ディズニーランド」、「ヤクルトスワローズ」を単に「スワローズ」と略称する等の事実が存するから、この点に関する商標権者の主張は、採用できない。さらに、商標権者は、語頭部における「ガトー」の音の有無による併存登録例が存する旨主張しているが、商標の類否は、個別具体的に判断すべきものであるから、この点に関する商標権者の主張も、採用できない。

(6)したがって、本件商標は、結論掲記の商品について商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものと言わざるを得ず、同法第43条の3第2項により、取り消すべきものとし、その余の指定商品については同法第43条の3第4項の規定によりその登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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