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Trademark Appeal Case

称呼の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90598(T2004−90598/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4782591号商標の指定商品中第30類「菓子及びパン」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4782591号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年9月26日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成16年7月2日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立の理由の要旨

1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、世界最大級の煙草メーカーであるフィリップス・モリス社の子会社であり、世界最大級の食品メーカーである。申立人は、2001年7月29日に米国ナビスコ社も傘下におさめている。申立人の使用に係る商標「PREMIUM」(以下「引用商標」という。)は、遅くとも1887年より米国において商品「クラッカー」について使用されている。日本では、申立人の関係会社であるヤマザキナビスコ株式会社により、1991年1月より本格的に販売されている。

引用商標は、日本で、1952年9月11日に商品「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く)、パン」について登録されており、世界的にも、少なくともバングラデッシュをはじめとする25ケ国で、商品「ビスケット、クッキー、クラッカー」について登録されている。

そして、申立人の引用商標が同人の取り扱いに係る商品、ビスケット及びクラッカーを指示する商標として、平成15年9月以前既に日本国の当業者及び需要者の間に於いて周知且つ著名であったことは明らかである。

したがって、本件商標が、引用商標の使用に係る商品「クラッカー」及びその同種商品「ビスケット、クッキー」に使用された場合、引用商標が日本を含め世界的に著名であることと相俟って、当該商品が申立人の商品に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品が申立人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の密接な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれがあるから、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する。

2 本件商標は、昭和26年4月4日に登録出願され、「PREMIUM」の欧文字を書してなり、第43類「ビスケット、パン、ケーキ、クラッカー、塩ビスケット、ラスク、ショートケーキ、キヤンデー、砂糖菓子、クッキー、ウエフアース、芋菓子、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和27年9月11日に設定登録された登録第415767号商標(以下「引用登録商標」という。なお、指定商品については、平成16年8月25日付けで「 菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く),パン」に書換登録されている。)と類似し、指定商品においても同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

第3 当審における取消理由の要旨

当審における平成17年7月22日付け取消理由の要旨は、下記のとおりである。

本件商標及び引用登録商標は、前記「第1」及び「第2 2」のとおりである。

そこで、本件商標と引用登録商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲のとおり、黄土色系の色彩で着色された抽象図形内に、白抜き円状輪郭を配し、該白抜き円状輪郭内に「Premium」の欧文字と「Line」の欧文字を二段に横書きしてなるものであるところ、文字部分と図形部分とは、常に一体のもとしてのみ把握、認識しなければならない格別の理由は見出せない。そして、本件商標中の「Premium」と「Line」の各文字は、二段に横書きされ、外観上分離して看取されやすいばかりでなく、「Line」の文字部分は、「線」の意味を有するほか、「系列、系統」などを意味する英語として、我が国においてもよく知られているものであって、格別に強い識別力を有するものではない。加えて、申立人の提出に係る甲第3号証、甲第8号証、甲第10号証及び甲第11号証によれば、引用登録商標と同一の構成文字よりなる「PREMIUM」は、申立人の関連会社である米国のナビスコ社、日本国のヤマザキナビスコ株式会社がその取扱いに係る商品「クラッカー」について使用して、その取引者、需要者の間である程度知られていたものと認めることができるから、これと同一の綴り文字よりなる本件商標中の「Premium」は、看者の注意を引く部分であるというのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成中の文字全体より「プレミアムライン」の称呼の他、「Premium」の文字部分より、単に「プレミアム」の称呼及び「賞、ほうび」等の観念をも生ずるものといわなければならない。 これに対して、引用登録商標は、前記のとおり、「PREMIUM」の文字よりなるものであるから、これより「プレミアム」の称呼及び「賞、ほうび」等の観念を生ずるものである。

したがって、本件商標と引用登録商標とは、「プレミアム」の称呼及び「賞、ほうび」等の観念を共通にする類似の商標というべきであり、また、本件商標の指定商品中の「菓子及びパン」は、引用登録商標の指定商品と同一又は類似の商品と認められる。

以上のとおりであるから、本件商標の指定商品中「菓子及びパン」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

第4 商標権者の意見の要点

商標権者は、取消理由に対して要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第36号証を提出した。

1 本件商標について

本件商標は、「黄土色系の図形」の内部に、「白フチ輪郭からなる略円形状の枠」を配し、その枠の内部に、「同じ色(アズキ色)の文字で、同じ字体の文字で、同じ大きさの文字で、まとまりよく、『Premium/Line』と2段に記載した」態様からなるものであり、「Premium」「Line」と2段に記載されてはいても、その2段の間には間隔は全くない。

このような本件商標の態様に鑑みれば、(1)地である「黄土色系の図形」が文字部分「Premium/Line」の一体不可分性を強調していること、(2)「白フチ輪郭からなる略円形状の枠」が文字部分「Premium/Line」の一体不可分性を強調していること、(3)文字部分「Premium/Line」自体も、「同じ色(アズキ色)の文字で、同じ字体の文字で、同じ大きさの文字で、まとまりよく記載されており、2段に記載されてはいるものの、その2段の間には間隔は全く無く、密着していること、(4)文字部分「Premium/Line」全体から生じる「ぷれみあむらいん」との称呼も、冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであることからして、本件商標の文字部分「Premium/Line」は全体として一体不可分のものと考えられ、申立人の引用する引用登録商標と本件商標とは異なった商標である。さらに、(5)「Premium/Line」と「PREMIUM」は、観念についても同一でもなければ類似でもないことも挙げられる。

2 引用登録商標について

引用登録商標は、商品「菓子及びパン」(類似群[30A01])に関して、欧文字からなる「PREMIUM」という商標は、米国のナビスコ社や日本国のヤマザキナビスコ社が独占的に権利を有して使用しているわけではない。引用登録商標は大正10年法の下で登録になったものであって、類似群[30A01]の商品のうち一部の商品は引用登録商標には含まれておらず、例えば登録第167221号商標のように、かかる一部の商品に関する商標権は第三者が所有しており、この関係からして、需要者・取引者についてのヤマザキナビスコ社の「PREMIUM」商品の知名度は、甲号証のみから判断するものよりも、かなりの程度低く見積もらなければ取引の実態に合致しない。

3 以上より、本件商標と引用登録商標とは、異なっているから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に反して登録されたものではない。

第5 当審の判断

平成17年7月22日付けで通知した前記「第3」の取消理由は、妥当なものであり、これに対する商標権者の意見は以下の理由により採用できない。

商標権者は、本件商標は、その構成態様からみて、「Premium」の文字と「Line」の文字とが一体不可分のものである旨主張する。

しかしながら、本件商標は、「賞、褒美」等を意味する「Premium」の文字と「線、系列、系統」等を意味する「Line」の文字とを上下二段に書してなるところ、両文字が結ばれて一般に親しまれた熟語等を形成するとも認められない。

そして、取消理由通知で開示したとおり、申立人の提出に係る証拠によれば、引用登録商標と同一の構成文字よりなる「PREMIUM」は、申立人の関連会社である米国のナビスコ社、日本国のヤマザキナビスコ株式会社がその取扱いに係る商品「クラッカー」について使用して、その取引者、需要者の間である程度知られていたものと認めることができるから、これと同一の綴り文字よりなる本件商標中の「Premium」の文字部分は、看者の注意を強く惹く部分とみるのが相当である。

そうしてみると、本願商標は、その構成文字に相応して「プレミアムライン」の称呼の他、単に「プレミアム」(賞、褒美)の称呼、観念をも生ずるものと言わなければならないから、引用登録商標とは、「プレミアム」の称呼、「賞、褒美」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似である。

このことは、次の判決の趣旨に照らしても是認することができるものである。

即ち、「簡易、迅速をたっとぶ取引の実際においては、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである。」(最高裁昭和37(オ)953号 昭和38年12月5日第一小法廷判決)と判示している。

してみれば、本件商標は、その指定商品中「菓子及びパン」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

しかしながら、その余の商品については、「菓子及びパン」とその品質を異にする非類似の商品であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

また、申立人は、引用商標を商品「クラッカー」等に使用して、取引者、需要者の間で周知・著名性を獲得しているから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用すると、商品の出所について混同を生ずるおそれがある旨主張する。

しかしながら、引用商標は、特定の語義を有する比較的平易な英語であって独創性のある特異な商標とは言えない上、いわゆる商品商標の極めて限られた商品分野(商品「ビスケット、クッキー、クラッカー」等)での周知著名性にすぎないから、商標権者が本件商標を商品「菓子及びパン」以外の商品について使用しても、当該商品が申立人の商品と出所の混同(広義の混同も含む)を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。

してみると、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当しないものと言わなければならない。

したがって、本件商標の指定商品中「菓子及びパン」以外の商品については、取り消すべき理由が認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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