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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号判定2005−60041(T2005−60041/J6)
審判種別記載はありません。
結論other

結論テキスト

商品「クリーム」に使用する(イ)号標章は、登録第2192418号商標の商標権の効力の範囲に属する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2192418号商標(以下「本件商標」という。)は、「タマゴ」の片仮名文字と「TAMAGO」の欧文字を上下二段に書してなり、第4類「 せつけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、昭和62年5月26日登録出願、平成1年11月28日設定登録されたものであるが、その後、指定商品については、商標権一部取消し審判があった結果、その指定商品中「香料類」についてその登録を取り消すべき旨の審決が確定し、その登録が同15年8月13日になされたものである。

第2 イ号標章

被請求人が商品「クリーム」について使用しているイ号標章は、「たまごクリーム」の文字よりなるものであり、商品の包装容器正面に使用されている態様は、別掲のとおりである。

第3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の判定を求め、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出している。

1 判定請求の必要性

請求人は、本件商標の商標権者であるが、被請求人が商品「クリーム」に標章「たまごクリーム」の使用をしていることについて、平成17年5月20日、被請求人に対し、本件商標権を侵害するものである旨の警告を発した(甲第1号証)。

これに対し、同年6月1日、被請求人は、「たまごクリーム」は一連の称呼のみを表してなるものであり、「タマゴ/TAMAGO」が観念において該当するという主張は、非類似であり商標権を侵害しないものである。」と回答した(甲第2号証)。

そこで、請求人は、本件商標の商標権の効力の範囲について専門的知識をもって中立的立場から判断される判定を特許庁に求め、その判定に基づいてこの問題を解決することを適当であると判断し、本判定を求める次第である。

2 イ号標章の説明

被請求人は、「たまごクリーム」の文字からなる商品「クリーム」を「楽天市場」、「イーコムジャパン ONLINE SHOPPING」等インターネットを通じて販売している(甲第3号証の1ないし同号証の3)。

3 イ号標章が商標権の効力の範囲に属するとの説明

本件商標は片仮名文字「タマゴ」と欧文字「TAMAGO」を普通に用いられる方法で上下2段に横書きして表示したものであるから、「タマゴ」の称呼、「卵」の観念を生ずる。

他方、イ号標章「たまごクリーム」の文字中、「クリーム」の文字は、商品の普通名称を表示することは明らかであり、たとえ、「たまごクリーム」と一連に読み込まれたとしても、自他商品の識別標識としての機能を果たす要部は「たまご」の文字部分にあると認められる。

また、甲第3号証の4等で明らかなように、イ号標章中の「たまご」の文字部分を大きく表示し、「クリーム」の部分を小さく表示することにより、「たまご」を強調した使用態様もある。

したがって、本件商標とイ号標章とは、外観が相違するとしても、「タマゴ」の称呼、「卵」の観念を共通にし、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、類似の標章というべきである。

そして、本件商標にかかる指定商品中「化粧品」とイ号標章の使用商品「クリーム」とは、類似の商品である。

以上のとおり、イ号標章は本件商標と類似する標章であり、その使用商品と指定商品も類似する商品であるから、本件商標の効力の範囲に属するものである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、商品「クリーム」について使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しない。との判定を求めると答弁し、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出している。

1 被請求人が商品「クリーム」に使用する文字と本件商標が類似しないことについて(1.1)外観

本件商標は、片仮名文字「タマゴ」と欧文字「TAMAGO」を普通に用いられる方法で上下2段に横書きしてなるものである。一方、イ号標章は、平仮名文字の「たまご」と片仮名文字「クリーム」を普通に用いられる方法で横書きしてなるものであるから(甲第3号証の1ないし同4)、両者は、外観上非類似のものであること明らかである。

(1.2)称呼

本件商標は、その構成文字に相応して「タマゴ」の称呼が生じる。一方、イ号標章は、一連一体に表示してなるものであり、その構成文字に相応して生じる「タマゴクリーム」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼できるものであるから、「タマゴクリーム」の称呼のみを生ずる。そうすると、両者は相違する各音の音質の差、音構成の差等により区別できるものである。

(1.3)観念

本件商標は、「卵」の観念を生じる。一方、イ号標章は、「卵の成分よりなるクリーム」の観念を生じる。そうすると、両者は、上記観念において区別できるものである。

よって、本件商標とイ号標章とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似のものである。

2 イ号標章「たまごクリーム」中の「たまご」の文字が、商品「クリーム」の品質・原材料または効能を表示するものであるから、商標法第26条第1項第2号に該当することについて

(2.1)商品の品質または原材料

「卵殻膜から作られた原料「EMプロテイン」を使用」、「・・・主に原材料として鶏冠(鶏のとさか)由来が多く用いられています。たまごクリームは、「たまご」に関連する素材にこだわって作られています。」等の記載にあるように、商品「クリーム」の品質または原材料を表し、また、肌が卵のようにつるつるに仕上がるという効能を表示している(甲第3号証の1ないし同4)。

(2.2)化粧品業界の状況

卵に関連する成分を含む商品「クリーム」も多数販売されており(乙第1号証ないし同第3号証)、同様の化粧品も多数販売されている(乙第4号証、同第5号証)。また、化粧品の需要者は、その成分を示す品質や原材料に多大な関心を持っているのが通常であり、さらに化粧品の原材料を扱う取引者は、卵の成分の有用性を認識している(乙第6号証)。「たまご」の文字を含む商品名とすることにより、肌をつるつるに仕上げる効能を表示するものもある(乙第7号証)。

たとえ、イ号標章が、「たまご」または「たまごクリーム」を多少強調した態様で表示されていたとしても、化粧品の取引界の実情からして、商品の出所を表示していると認識することなく、卵に関連する成分を含むクリームであると認識するものと考えられる。

したがって、イ号標章中の「たまご」の文字は、商品「クリーム」の品質・原材料または効能を表示しているにすぎず、全体からして、外観上の態様及び使用態様が普通であり、何ら識別力を発揮するものではない。

3 まとめ

以上のとおり、イ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものである。

第5 当審の判断

本件商標は、第1の項で述べたとおり、「タマゴ」の片仮名文字と「TAMAGO」の欧文字を上下二段に書してなり、その指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有するものとして、現に有効に存続しているものである。

そして、その構成文字に相応して、「タマゴ」の称呼及び「卵」の観念を生ずるものである。

他方、イ号標章は、別掲のとおり、商品の包装容器正面の下部に「たまご」の文字を大きめに「クリーム」の文字を小さめに一連に「たまごクリーム」と表示されているものであるところ、その構成中の「たまご」の文字は、「鳥・魚・虫などの雌が産む、殻や膜に包まれた胚や栄養分。特に食用にする鶏のたまご。けいらん。」等(「広辞苑」第5版)を意味する語であるが、乙第1号証ないし同第6号証によれば、化粧品やシャンプーには、その成分に卵殻、卵黄、卵白由来のものを配合したものが製造・販売されていることは認め得るものの、かかる構成において商品の品質・原材料・効能を具体的、かつ、直接的に表示するものともいい難いところであるから、該文字部分は、自他商品識別機能を発揮していると判断するのが相当である。

また、構成中の「クリーム」の文字は、その使用している商品「クリーム」との関係において、普通名称を表す語にすぎないから、イ号標章は、その構成文字全体から生ずる「タマゴクリーム」の称呼のほか、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「たまご」の文字に相応して「タマゴ」の称呼及び「卵」の観念を生ずるものである。

なお、乙第7号証は、商品が「除毛パッド」であるから、イ号標章の使用商品「クリーム」とは非類似のものである。

してみれば、イ号標章と本件商標とは、外観の相違を考慮しても、称呼及び観念を共通にする類似のものといわざるを得ない。

また、イ号標章が使用されている商品「クリーム」は、本件商標の指定商品に含まれるものと認められる。

したがって、商品「クリーム」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものである。

よって、結論のとおり判定する。

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