Trademark Appeal Case
具材名とラーメンの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−24395(T2004−24395/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「鮎ラーメン」の文字を隷書体で横書きしてなり、第43類「ラーメンを主とした飲食物の提供」の役務を指定役務として、平成15年8月13日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同17年3月3日付けの手続補正書により、第43類「ラーメンの提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『鮎ラーメン』の文字を表してなるが、その指定役務との関係においては、『鮎を具材に用いたラーメン』であることを認識させるにすぎず、これを本願指定役務に使用しても、単に役務の質又は提供の用に供する物を表示する商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「鮎ラーメン」の文字よりなるところ、その構成中、前半の「鮎」の文字部分は、「アユ科の硬骨魚。東アジア、特に日本の名産魚。」を意味し、「珪藻を食べ、肉に香気がある。」との特徴を有する川魚(広辞苑第五版 岩波書店発行)であり、また、後半の「ラーメン」の文字部分は、「中国風に仕立てた汁そば。小麦粉に鶏卵・塩・かんすい・水を入れてよく練り、そばのようにしたものを茹で、スープに入れたもの。」等の意味を有する語(岩波書店発行 広辞苑第五版)として、広く一般に知られているといえる。
ところで、ラーメンを提供する店舗におけるラーメンメニューには、例えば、「チャーシューメン、ネギラーメン、コーンラーメン、わかめラーメン」等のように、具材名とラーメンの文字とを連結させて表示させることは、普通に行われているところである。
そうとすれば、本願商標の「鮎ラーメン」の文字も、具材と認められる「鮎」の文字と、「ラーメン」の文字とを連結してなるから、これに接する需要者、取引者は、「鮎入りのラーメン,鮎を具材とするラーメン」であることを、容易に認識し、理解するものと見るのが相当である。
請求人は、「鮎ラーメン」の文字が、「鮎を具材とするラーメン」として、取引上普通に使用されている事実を発見できなかった旨述べているが、以下の新聞記事情報及びインターネット情報からすれば、「鮎(あゆ、アユ)ラーメン」の文字が、普通に使用されている事実をうかがい知ることができる。
(1)「[わが街企業ファイル]泉屋物産店 鮎ラーメンもいけますよ。」
2005.07.28 中部朝刊 31頁 読売新聞
(2)「県内で養殖されたアユでだしをとり、近くで生産された卵を添えた『アユラーメン』」
2004.10.22 東京朝刊 32頁 読売新聞
(3)「県内で捕れたアユを使ったラーメンを給食に出した。・・・あゆラーメンは、ラーメン店主の落合泰知さんが給食調理室で調理した。」
2004.10.22 朝刊 7頁 各地 下野新聞
(4)「県内の食材を使った鮎ラーメン」
2004.08.20 朝刊 8頁 各地 下野新聞
(5)「炭火であぶった一夜干しのアユがまるごと入った『鮎らーめん』(1050円)がイチ押しの新メニュー。」
2004.08.05 中部朝刊 30頁 読売新聞
(6)「メニューに、『炭火焼鮎(あゆ)ラーメン』が加わった。炭火であぶったアユを麺(めん)の上にのせたもの」
2004.05.31 名古屋地方版/岐阜 19頁 岐阜版 朝日新聞
(7)「鮎ラーメン 香ばしいよ あす発売」
2004.05.30 朝刊 22頁 岐阜近郊版 中日新聞
(8)「鮎ラーメンで地元食材PR 31日から販売へ」
2004.05.29 地方版/岐阜 毎日新聞
(9)「具にアユを丸ごと、約2年かけ商品化(名物)メーンの具はアユ。透明のあっさりしたスープを飲むと、ほのかにアユの香りがする。・・・愛知県中華料理環境衛生同業組合一宮支部が一九九六年三月、商品化にこぎつけた。」
1998.02.28 名古屋夕刊 11頁 名古屋タイム2 朝日新聞
(10)「情報カプセル、北から南から:アユ・ラーメンはいかが?」
1996.09.02 日本工業新聞 22 頁 中堅・ベンチャー/地域経済 工特1 日本工業新聞
(11)「『アユラーメンはいかが』。愛知県一宮市の中華料理環境衛生同業組合一宮支部長の鬼頭忍さん(五一)が、アユの一夜干しをのせたラーメンを考案。」
1996.08.24 東京夕刊 3頁 第1社会 産経新聞
(12)「あゆらーめん: 馬淵川のアユを使った「あゆらーめん」(九百五十円)。塩味のあっさりしたラーメンにアユの塩焼きが丸ごとのっている。」
http://www.daily-tohoku.co.jp/kikaku/kikaku2003/miseaji/miseaji_97.htm
(13)「鮎らーめん:天日干しにした鮎のひらきをらーめんの中に入れます。」
http://www.nagaragawa.com/shopping2/index_q.html
(14)「らあめん厨房 どる屋:おもなメニュー:鮎だしラーメン(塩・正油味)」
http://ramen.gnavi.co.jp/shop/jp/g525800n.htm
(15)「松原 オススメ 鮎ラーメン」
http://www.shokokai-yamagata.or.jp/funagata/map/miniwin/mini4.htm
(16)「福乃屋 アユラーメン:アユを日陰で5日間干し、ミキサーにかけ、更にすり鉢で細かくし、麺に練り込む。エキスは、塩・お酒・お湯で5時間煮込んだもの。スープは水だけで2日間煮込む。ここまでアユにこだわったラーメン」
http://www.ctv.co.jp/kusukusu/2000/0812/tabi00.html
(17)「安佐SA(下)清流鮎ラーメン:稚鮎の唐揚げをトッピング!スープでも鮎の干物を使用したことで鮎の風味が楽しめる沖縄の天然塩を使用したあっさり塩ラーメン。」
http://www.j-sapa.or.jp/news/ryori_l/hiroshima.html
以上の事実を総合勘案すると、本願商標の「鮎ラーメン」の文字よりは、「鮎入りのラーメン,鮎を具材とするラーメン」であることを表すもの、すなわち、その役務の提供の用に供する物を表すものとして、取引上普通に使用されている事実を見いだすことができた。
してみれば、本願商標を補正後の指定役務「ラーメンの提供」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に、当該役務が「鮎入りのラーメン・鮎を具材とするラーメンの提供」であること、すなわち、役務の質(内容)又は提供の用に供する物を表したものとして、理解し、把握するにすぎないというべきであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないと見るのが相当である。さらに本願商標を、前記した「鮎入りのラーメン・鮎を具材とするラーメンの提供」以外の「ラーメンの提供」に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標といわなければならない。
なお、請求人は、本願商標が、請求人の役務を示すものとして全国的に広く一般に知られている旨、主張するとともに、証拠方法として甲1号証ないし甲第10号証を提出しているが、各証拠を精査してみても、使用実績、とりわけ売上高等の営業実績が不明であり、その証拠をもってしては、本願商標が取引者、需要者間に広く認識されているものとは認め難い。
したがって、この点に関する請求人の主張は、採用することができない。
また、請求人は、登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきものと主張しているが、登録例の指定役務と、本願商標の指定役務とは、異なるものであるばかりでなく、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断基準は、当該商標の構成態様と指定役務とに基づいて、個別具体的になされるべきものであって、本願商標は、その指定役務との関係からみれば、前記認定のとおり判断するのが相当であるから、請求人が主張する登録例の存在をもって、前記認定が左右されるものではない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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