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Trademark Appeal Case

水ゼリーの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−15844(T2003−15844/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「水ゼリー」の文字を標準文字で書してなり、第32類「ゼリー状の飲料水」を指定商品として、平成14年7月16日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『水ゼリー』の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、例えば、各種新聞記事データベースをみると『カキの風味生かして 加熱し過ぎに注意 薫製との相性抜群』(1998.01.18 読売新聞東京朝刊)の見出しのもと『“海水”ゼリーかけ・・・水だしに塩小さじ一杯強を加えてなべで温め、ふやかしたゼラチン五グラム分を溶かし、冷蔵庫で固める。軟らかく、とろけそうな“海水ゼリー”ができる』との記載、『北海道ミネラルウオーター、本州への売り込みを強化』(1998.09.14 日本食糧新聞)の見出しのもと『名水を使ったミネラルウオーター「名水きょうごく」をはじめ、「名水珈琲」「名水ゼリー」など手掛ける飲料水専門メーカー。』との記載が認められることより、水を使用したゼリーが製造、販売されている実情から、これを本願指定商品に使用するときは、『水を使用したゼリー飲料』であることを認識し、商品の品質を表示したものであると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、上記のとおり、「水ゼリー」の文字を書してなるところ、その構成中の「ゼリー」の文字(語)は、「(1)動物性(魚肉類)のゼラチンまたは植物性(果実)のペクチンを煮出して採取した澄明な汁。また、これを利用して固めた弾力のある食品。(2)水で溶いたゼラチン・寒天・ペクチンなどに、砂糖・水飴などを加え、流し固めた菓子。」(広辞苑第5版)を意味する語として、一般によく知られているものであるから、その構成文字全体としては、「水のゼリー」程の意味合いを容易に看取させるものである。

ところで、本願商標の指定商品である「ゼリー状の飲料水」とは、市場一般では「ゼリー飲料」などと称されているものであり、水分・栄養補給や食事代わりとして、いつでもどこでも手軽に飲むことができることから、携帯、保存に便利な口栓付きのパウチ(袋)容器に入ったものが主に販売されているが、その中身は、各種飲料をゼリー状に加工したものである。

そうすると、本願商標の指定商品は、その中身たるものが「飲料水(水)をゼリー状に加工したもの」にほかならないから、かかる指定商品との関係においては、本願商標の構成中「水」の文字(語)は、その商品が「飲料水」であることを端的に表す語として、また、「ゼリー」の文字(語)は、その商品の状態(形状)が「ゼリー状」であることを表す語として、それぞれ理解、認識されるものとみて差し支えなく、したがって、本願商標「水ゼリー」の文字よりは、商品の品質と形状とを羅列し表示したものと把握されるにすぎず、これ以上に、各語を結合することにより、それぞれの有する意味を超えて新たな観念が生じるというような格別の事由は見出せない。

してみれば、「水ゼリー」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その商品が「水のゼリー」、すなわち「飲料水(水)をゼリー状に加工したもの」であることを端的に表示したものであると理解、認識するに止まるものというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質及び形状を表示するにすぎないものといわざるを得ない。

2.請求人の主張について

(1)本願商標「水ゼリー」に対する需要者の認識について

請求人は、原査定の指摘する「水を使ったゼリー」というのはゼリー一般についていえることであり、水分の無いゼリーなど一般には考えられず、したがって、一般にゼリーの品質を表示する場合、「みかんゼリー」、「プルプルゼリー」などというように、その味や質感などを表すことはあっても、「水ゼリー」と表すことはないものであり、そこを敢えて「水ゼリー」とするところに本願商標の独自性があり、むしろ全体として「水ゼリー」なる特定の商品を意味するものと認識し把握されるとみるのが相当である旨主張する。

しかし、本願商標「水ゼリー」の文字が、その指定商品である「ゼリー状の飲料水」との関係においては、商品の品質と形状とを羅列し表示したものと把握されるにすぎないものであることは、前記1で示したとおりであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

(2)商標法第3条第2項の適用について

請求人は、本願商標「水ゼリー」を使用した商品「ゼリー状の飲料水」を平成14年から販売し、同年度の販売実績は250万円に及んだこと、さらに、大々的に商品の販売・宣伝活動を行った結果、本願商標は、一般の需要者・取引者に請求人の業務に係る商品であることを十分に認識させるものとなっている旨主張し、証拠方法として、甲第2号証ないし甲第11号証(枝番のあるものは枝番を含む。)を提出している。

そこで、請求人が提出した甲各号証(枝番のあるものは枝番を含む。)における本願商標の使用状況をみるに、本願商標と社会通念上同一と認められる「水ゼリー」の文字よりなる商標を、「ゼリー状の飲料水」と認められる商品「(信州安曇野の水を使用した)水のゼリー飲料」に使用していることは認められる(甲第2号証ないし甲第10号証の2)ものの、その使用はすべて、請求人の代表的出所標識(ハウスマーク)である「伊藤ハム」の文字等とともに使用されているものであるから、これらの使用からは本願商標のみが独立して自他商品の識別標識としての機能を備えるに至ったものと認めるに足りるものとはいうことができない。

また、甲第11号証は、請求人の業務に係る販売肉利益計算書の写しということであるが、品名欄に記載された「ミズゼリー150G」の売上個数は、2002年(平成14年)1月ないし3月のいずれの月も、1千個にも満たないものであって、この種の商品の売上個数としては些か少ないものといわざるを得ない。

してみれば、提出された全証拠によって、本願商標が商品「ゼリー状の飲料水」に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとすることはできない。

したがって、請求人のこの点に関する主張も採用できない。

(3)過去の登録例等について

請求人は、本願商標と同様に、「水」と「食品名」という言葉の組み合わせからなる登録例があるとして、登録第4609640号商標(「水あずき」の文字と図形とからなる結合商標)を例示するとともに、本願商標は、自己の登録商標である登録第4663354号商標(「伊藤ハム」及び「水ゼリー」の各文字と図形とからなる結合商標)から派生した商標である旨述べているが、これらの登録例は、いずれも単に「水」と「食品名」という言葉の組み合わせのみからなる商標ではないから、本願商標とは事案を異にするものであり、本願商標について、これらの登録例と同様の判断をすべき理由は見当たらない。

したがって、この点に関する請求人の主張も採用できない。

3.むすび

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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