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Trademark Appeal Case

地名と一般名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−14032(T2004−14032/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、「青木ヶ原樹海」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第30類、第32類及び第33類に属する後掲のとおりの商品を指定商品として、平成15年10月20日に登録出願されたものである。

2.原査定の拒絶理由(要点)

原査定は、2004年1月28日付け読売新聞社の朝刊東京版に掲載された「樹海の公認ガイド養成へ 富士河口湖町、初回講座に30人=山梨」の見出しの記事情報を引用して、本願商標を構成する「青木ヶ原樹海」の文字をその指定商品に使用するときは、単に、商品の生産地又は販売地を表示するにすぎない旨述べて、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶したものである。

3.当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、前記のとおり「青木ヶ原樹海」の文字からなるところ、その構成前半部の「青木ヶ原」の語は、「山梨県南部、富士山北西山麗に広がる高原。八六四年(貞観六)噴出の溶岩流上に形成。大樹海で覆われる。」(「広辞苑」第五版 株式会社岩波書店発行)、「山梨県西八代郡上九一色村と南都留郡鳴沢村・足和田村にまたがる岳麓の溶岩流原。青木ヶ原丸尾は丸尾中最大で、表面は青木ヶ原樹海となっている。」(「コンサイス日本地名事典」第3版 株式会社三省堂発行)等の意味を有し、また、構成後半部の「樹海」の語は、「広大な範囲にわたって鬱蒼たる森林が繁茂し、高所から望めば、緑の海原に似た観を呈するもの。」(「広辞苑」第五版)等の意味を有するものであり、これよりは、「富士山北西山麓に広がる高原に鬱蒼たる森林を有してなる地域」を表す語と一般に知られているといえるものである。

また、該地域は、観光地としても知られているところであり、これらのことは、原審において引用した新聞記事情報ほか、例えば、次の(a)ないし(i)のインターネット上のホームページの掲載情報及び新聞記事情報において裏付けることができる。

(a)富士河口湖町観光課及び富士河口湖町観光連盟が運営する観光案内のホームページの「青木ヶ原樹海ネイチャーガイドツアー」の項(http://www.fujisan.ne.jp/)。

「富士山北西麓に広がる青木ヶ原樹海は、富士山の溶岩流上に形成された樹林として特異な様相を呈しており、多様な動植物と出会うことができる世界に誇れる素晴らしい自然環境です。【定時ガイドツアー】※毎日好評実施中!【予約ガイドツアー】※好評、予約受付中!」旨の掲載情報。

(b)楽天トラベルのホームページの「山麓に広がる原始の森 青木ヶ原樹海」の項(http://kanko.tabimado.net/kanko/go/resource$id=SHYN030036)。

「広大な樹海には、多数の溶岩洞穴が存在するといわれ、富岳風穴、鳴沢氷穴など、照明完備で気軽に探検気分を味わえるものもある。散策は必ず散策路で。」旨の掲載情報。

(c)NPO法人日本エコツーリズム協会が運営する「グッドエコツアー」のホームページの「青木ヶ原樹海・洞窟探検ツアー」の項(http://www.ecotourism.gr.jp/GET/wens1.htm)。

「約1100年前に流れた溶岩流の上に成り立つ樹海を歩き、その中に佇む火山洞窟に入洞します。合流から解散まで3時間程度ですが、1日ツアーにアレンジすることもできます。」旨の掲載情報。

(d)テクノネット株式会社が運営する「FujigokoCyberCity」のホームページの「足和田(村)」の「野鳥の森公園」の項(http://www.fujigoko.co.jp/ashiwada/yatyou.html

)。

「青木ヶ原樹海の中の樹海公園。ギャラリー内の売店では、森や鳥や花たちにちなんだ様々なグッズが売られています。近くには名所が勢揃い。公園の近くには、富士山や、風穴、また、紅葉台などの観光名所もたくさん。」旨の掲載情報。

(e)山梨日日新聞社とYBS山梨放送が運営する「富士山ネット」のホームページのニュース「本格焼酎「富士山」を発売 富士吉田なだや 原料に麦、そば、米 観光売店でも販売」の項(http://www.fujisan-net.jp/news_main.php?news_num=1580)

「山梨日日新聞:2005年5月7日 青木ヶ原樹海周辺などの観光売店でも順次発売していく予定。」旨の掲載情報。

(f)2003年10月2日付け読売新聞東京朝刊

「観光客による環境への悪影響を軽減するため、山梨県森林環境部は富士山ろく・青木ヶ原樹海に立ち入りを規制できる「利用調整地区」を指定する方向で検討に入った。山本知事が県議会で「(樹海では)エコツアーや自然体験が数多く行われており、生態系に及ぼす影響が指摘されている。」と述べた。同部によると、樹海への観光客は年間4万人以上。」旨の記事情報。

(g)2004年6月3日付け読売新聞東京朝刊

「環境省の「エコツーリズム推進モデル事業」のモデル地区に二日、富士北ろく地区が選ばれた。選定地域は富士山北ろく八市町村の四百八十二平方キロ。同地域では十四団体がエコツアーを実施し、年間五万六千人(昨年)が訪れている。しかし、ツアー客は青木ヶ原樹海に集中し・・」旨の記事情報。

(h)2005年2月19日付け読売新聞東京朝刊

「富士山の北西に広がる常緑樹の森・青木ヶ原樹海は、八六四年、富士山の貞観噴火で流れた溶岩の上に広がっている。「富岳風穴」は、樹海にある五十以上の洞穴の一つ。洞穴内の通称「氷の海」では、二メートル近くある天然の氷柱が、観光客を圧倒する。」旨の記事情報。

(i)2005年6月5日付け読売新聞東京朝刊

「青木ヶ原樹海にある「西湖コウモリ穴」の管理事務所に、観光客向けの休憩・学習棟が増設される。これまでも、洞穴に住むコウモリの生態を紹介するコーナーがあったが、観光客増加に伴って手狭になった。」旨の記事情報。

以上のとおり、インターネット上ないし新聞情報において、青木ヶ原樹海に関する記事等が掲載されていることが認められ、本願商標を構成する「青木ヶ原樹海」の文字からは、特定の地域ないし観光地の一を表したものと認識されるといわなければならない。

しかして、一般に観光地においては、通常、飲食物を始めとする各種商品が販売されており、これに当該地域において取り扱われる商品であることを表示して商取引に資することが普通に行われる性質のものであり、青木ヶ原樹海又は周辺地域においても、本願指定商品に含まれるカメラ用電池,菓子,清涼飲料,日本酒等の各種商品を販売する者が存在し得るものといえる。

してみれば、「青木ヶ原樹海」が富士山北西麓に広がる観光地の一として広く世間に知られるようになった現在、本願商標をその指定商品に使用しても当該地域を想起し、これに接する取引者、需要者は当該商品が青木ヶ原樹海又は周辺地域で生産又は販売されているだろうと認識するとみて差し支えなく、産地、販売地に準ずるものというべきであるし、これ以上に出願人等が本願指定商品に使用し、自他商品の識別機能を有するに至ったような実情も見出せないものであり、また、該文字は、当該地域において商品や役務を流通過程又は取引過程におく場合、何人もその使用を欲するものであり、かかる観光地の名称を一私人に独占使用させることも適当ではない。

(2)請求人(出願人)の主張について

請求人は、「原審において、審査官が、富士河口湖町町の観光振興、自然保護の取り組みの実施についての新聞記事情報をもって、「青木ヶ原樹海」への観光客が増えるという不確かな予測を基に本願商標登録願を拒絶していることは許されるべきではなく、当該新聞記事情報の掲載された新聞発行日の3ヶ月以上前に本願商標は登録出願されていることを考慮すべきである。」旨を主張している。しかし、「青木ヶ原樹海」が富士山北西麓に広がる地域ないし観光地であることは、上述(1)のとおり本願商標の登録出願時においても一般世人に知られていた状況にあり、また、商標法第3条第1項第3号の該当性の判断の基準時は、登録査定時又は審決時を基準として判断されるもの解され、このことは、例えば、東京高等裁判所(平成12(行ケ)第24号)平成12年8月29日判決においても、「商標法第3条第1項第3号は、商標の登録に関する積極的要件ないし一般的要件に関する規定であって、その要件がないものについては、一般の行政処分の場合と同じく、行政処分時、すなわち、拒絶査定不服の審判においては、審決時を基準として判断されるべきである」旨判示されているとおりであるから、これらの点を述べる請求人の主張は採用することができない。

また、請求人は、「八幡平の樹海」及び「富士山」の文字からなる商標の登録例を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、それらの事案をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではなく、本願商標については前記認定を相当とするものであるから、この主張も採用することができない。

その他、請求人の主張をもって、前記認定を左右することができないし、これを覆すに足りる的確な証拠も見出せない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを登録することができないものとすべきであり、これと同趣旨で本願を拒絶した原査定を取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

<本願の指定商品>

第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアーカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具およびその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、

第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」、

第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」、

第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味

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