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Trademark Appeal Case

飲食物提供役務の使用認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−30088(T2005−30088/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4482356号商標の指定商品及び指定役務中、第42類「飲食物の提供」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4482356号商標(以下「本件商標」という。)は、「あかり」の文字を標準文字で書してなり、平成12年3月16日登録出願、第29類、第30類、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び第42類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同13年6月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を、要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

被請求人は、日本国内において、本件商標を継続して3年以上、指定役務「飲食物の提供」について使用していない。

また、商標登録原簿上は、本件商標に専用使用権あるいは通常使用権が設定、許諾されている事実も見当たらない。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人の提出したパンフレットなどは、本件商標がその登録取消を免れるに足る使用事実の証明の資料としては、不十分である。

したがって、被請求人の主張には、理由がない。

(ア)乙第1号証は、被請求人が福岡で経営している店舗のパンフレットと説明されている。

当該パンフレットの表紙には、本件商標が明記されているものの、パンフレットに記載されているのは専らテイクアウトに供される商品としての調理済み惣菜にすぎない。

すなわち、店舗内を撮影したと思しき写真には、予めパック容器に盛りつけられた商品や、来店者が好みの分量を取り分けるためと思われる包装用容器が商品陳列棚中段に配置されている様子が見られる。

また、トレーを片手にパック容器に入れられた惣菜を選んでいる来客者及びトレーごとレジに持参して支払いをしていると見られる来店者の様子が認められる。

加えて、当該写真に付記された説明に「出来たてのお惣菜をお好きな量だけご自由にお求めいただけます。」との記載があることも考慮すれば、当該店舗は、商品としての調理済み惣菜を販売しているにすぎず、飲食物の提供を行っているものではないから、当該パンフレットをもって、本件商標が本件審判請求に係る指定役務に使用されている事実が証明されるものではない。

(イ)乙第2号証は、被請求人が経営している店舗の広告チラシと説明されている。

しかしながら、当該チラシに掲載された写真は、乙第1号証に掲載された写真と同一で、専らテイクアウトに供される商品としての調理済み惣菜が店舗内で販売されている様子を示しているにすぎない。

また、「『あかりちゃんセット』が新しくなりました。」と記載されている部分には「お惣菜3点盛りとパックごはん(小)でのセット販売から」と記載されていることからすれば、当該店舗内ではパック包装されたごはんが販売されているだけであることも明白である。

(ウ)乙第3号証は、店舗の写真であり、当該店舗内において惣菜を食することができるように椅子・テーブルが置いてあることが示されていると説明されている。

確かに、ピンク色をしたクロスが掛けられた小円卓状のテーブル上には、多数本の箸袋とおぼしきものがコップに立てられており、当該テーブル脇にはベンチ状をした背もたれのない長椅子が置かれていることは認められる。

しかしながら、ゆっくりと普通に食事をするには、当該テーブルは小さすぎると思われるし、テーブルがわずかに1個のみである点、長椅子に座ると一人しかテーブルに向かえない点、テーブルに向かうと店内に置かれた惣菜を選択している来店者と向き合うことになり飲食中であれば気まずいのではないかと思われる点(もし店舗内に飲食コーナーを設けるのであれば、来店者と目線が合わないように店舗の外に向けるといった配慮をするのが普通であろう)など、間に合わせ程度にテーブルを置いた感は否めない。

むしろ、店舗内の状況を総合すれば、販売した調理済み惣菜をその場で飲食することは、本来想定されていないとみるのが自然である。

仮に、当該店舗写真に示された状況が「飲食物の提供」サービスが行われていることを証明するものであるとするならば、専らテイクアウト用として弁当を販売するコンビニエンスストアやスーパーの店先のベンチに腰掛けて、直前に店内購入した弁当を持ち帰ることなく直ちに食することも「飲食物の提供」サービスが行われていることになってしまう不都合が生ずる。

(エ)乙第4号証は、飲食物の提供に際し、利用に供する箸の袋であると説明されている。

しかしながら、当該箸袋は両端が閉じられた密封タイプのものであり、しかも、箸袋中には「つまようじ」が封入されている。店舗内飲食に供される箸の場合は、使用時に必要以上にゴミが生じて美観を損なわないように、鞘状の箸袋が用いられるのが通例である。当該箸袋のような密封タイプの箸袋は、持ち運び中に箸が不用意に飛び出さないように配慮された、テイクアウト専用のものである。

(オ)乙第5号証は、前記箸袋(竹箸入り)が被請求人に納入された際のものと説明されている納品書である。

品名には「あかり)完封竹箸」の記載が見られるが、その前後には「シンフォニーカップ 本体」や「ハートインゴムバンド」といった、テイクアウト商品に付随するとしか考えられない用品類の記載が見られる。また、上記(エ)で述べたとおり、乙第4号証に示された箸袋自体が、店舗内飲食には不向きなタイプであるから、これらをもって本件取消請求に係る指定役務に使用されている事実を証明するものではないことは明らかである。

(カ)乙第6号証は、被請求人の前記店舗で発行されているポイントカードの写し、乙第7号証は、同ポイントカードの案内パンフレット、乙第8号証は同ポイントカードの納品書写しであると説明されている。

しかしながら、これらポイントカードなどが「飲食物の提供」に付随して使用されているものであることは証明されていない。むしろ、乙第6号証のポイントカード表面に印字された「おせち料理のご予約承り中」の表示や、乙第7号証の「カード規約」欄における「2.商品をご購入の際、お買い上げ金額をポイントに換算いたします。なお、ご予約商品や配達商品に関しては対象外とさせていただきます」の記載、同じく裏面側説明の「あかりでのお買物をより楽しんでいただくために」の記載に照らせば、当該ポイントカードは、前記店舗で店頭販売されているテイクアウト専用の調理済み惣菜を購入した来店者に対して、その商品購入金額に応じた特典を与えて継続的な来店購入を促すために用いられるものであって、飲食金額に応じた特典を付与するものではないことがうかがえるのである。

(キ)乙第9号証は、前記店舗が飲食店として営業許可を受けていることを示す営業許可証であると説明されている。

しかしながら、飲食店として営業許可を受けていることがすなわち現実に飲食店として営業している事実を証明するものではないことは明白である。

(3)むすび

以上のとおり、乙第1号証ないし乙第9号証のいずれによっても、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、「飲食物の提供」について現実に使用された事実は明らかにされていない。むしろ、これら証拠によれば、被請求人は専ら店頭販売商品としての調理済み惣菜について本件商標を使用していただけであるから、被請求人の主張には理由がない。

よって、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。

(1)被請求人は、本件商標を「飲食物の提供」について、3年以内に我が国で現実に使用している。

(2)乙第1号証は、被請求人が、福岡で経営している店舗(赤坂店及び福岡天神・大丸店)のパンフレットである。なお、パンフレットにある福岡天神・大丸店は、平成13年9月に開店したが、平成15年8月末日をもって閉店した。

当該パンフレットには、その表紙に本件商標「あかり」が使用されている他、様々な惣菜が記載されている。

(3)乙第2号証のチラシには、その上部に本件商標「あかり」が使用されており、平成17年2月の新メニューが記載されている。

(4)乙第3号証の写真には、店舗において、惣菜を食することができるように椅子・テーブルがおいてあることが示されている。

特に、お年寄りの方で、店内で召しあがる方がいるので、店舗内で飲食物の提供をしている。

(5)乙第4号証の箸袋は、飲食物の提供に際し、利用に供する箸の袋であるが、「あかり」の文字が使用されている。

なお、乙第5号証に示すように、乙第4号証の竹箸入りの箸袋は、株式会社九州パール紙工によって製造され、平成16年12月3日に被請求人に納入され、被請求人の店舗で使用されたものである。

(6)乙第6号証は、被請求人の店舗で発行しているポイントカードの写しである。このポイントカードは、乙第7号証の「あかりカードのご案内」に示されているように、商品の販売及び役務提供の促進のため発行されたものである。このカードには、本件商標が使用されている。

(7)乙第8号証の納品書(写)に示されているように、「あかりポイントカード」は、平成16年11月30日に、大日本印刷株式会社より被請求人に納入された。

(8)乙第9号証は、被請求人の赤坂店において、店内で飲食できるように、飲食店として福岡県より営業許可を受けていることを示す営業許可書(写)である。許可年月日は平成12年9月4日であり、許可期限は平成18年9月30日となっている。

(9)以上、述べたように、本件商標「あかり」は、取消請求に係る役務である「飲食物の提供」に、現実に我が国で本件審判の請求の登録(平成17年2月16日)前3年以内に使用されており、上記各書証は、当該事実を立証明するものである。

4 当審の判断

(1)乙各号証について

(ア)乙第1号証は、被請求人(赤坂店、福岡天神・大丸店)の発行に係る三つ折りパンフレットと認められるところ、当該パンフレットの表面の表紙、裏表紙、裏面の左頁上から一行目及び右頁下から五行目には、本件商標と社会通念上同一と認められる「あかり」の文字が表示されている。

当該パンフレット表面の表紙には、「できたてのお総菜をお好きな量だけ買えるお店です。」の記載があり、また、裏面の左頁上一行目には、「素材にこだわり 手作りに徹した お総菜のお店『あかり』」の記載があり、さらに、表面左頁の写真には、客がトレーを片手に商品陳列棚の総菜を選んでいるところ及び客が勘定場で支払いをしているところが写っている。

これらの記載や写真よりすれば、当該パンフレットは、「総菜の販売」についてのパンフレットであると認められる。

しかしながら、当該パンフレットには、「飲食物の提供」を行っていることを推認させるような記載は見当たらず、また、「飲食物の提供」を行えるような場所も写っておらず、さらに、作成年月日の記載もない。

(イ)乙第2号証は、被請求人(赤坂店)の発行に係るチラシと認められるところ、当該チラシの表面の上から一行目及び裏面の上から一行目には、本件商標と社会通念上同一と認められる「あかり」の文字が表示されている。

そして、当該チラシの表面の二行目には、「できたてのお総菜をお好きなだけ量だけ買えるお店です。」の記載があり、また、同じく表面下から三行目には、「お総菜3店盛りとパックごはん(小)でのセット販売から、・・・(後略)・・・」の記載があり、さらに、同じく表面の真ん中の写真には、客がトレーを片手に商品陳列棚の総菜を選んでいるところ及び客が勘定場で支払いをしているところが写っている。

これらの記載や写真よりすれば、当該チラシは、「総菜の販売」についてのチラシであると認められる。

しかしながら、当該チラシには、「飲食物の提供」を行っていることを推認させるような記載は見当たらず、また、「飲食物の提供」を行えるような場所も写っておらず、さらに、作成年月日の記載もない。

(ウ)乙第3号証は、店舗の外観及び店内の写真と認められるところ、当該店舗の看板には、本件商標と社会通念上同一と認められる「あかり」の文字が表示されている。

そして、当該店内の写真には、商品陳列棚、会計場、制服の店員、丸テーブル及び背もたれのない木製の長椅子などが写っている。また、当該丸テーブルには、薄いピンク色のカバーが掛けられ、緑色の布及び割り箸とおぼしきものが入った透明の容器が置かれている。

ところで、被請求人は、「店舗において、総菜を食することができるように椅子・テーブルが置いてあることが、乙第3号証の写真に示されている。」旨述べている。

しかしながら、次に述べるような不自然な点があることから、乙第3号証の写真によっては、この店舗内で「飲食物の提供」がなされていたものとは認め難い。

(a)食事用のテーブルが、一卓しかない。

(b)陳列棚とテーブルとの間に仕切りがないばかりでなく、陳列棚とテーブルとの間が狭いため、陳列棚の周りで総菜を選んでる客がテーブルと接触するおそれがある。

(c)通常、食卓用テーブルの周りには、そのテーブルを囲むように椅子が置かれているが、乙第3号証の写真では、テーブルの前に長椅子が一脚置か

れているだけである。長椅子では、テーブルに最も近い位置にある一人または二名しかテーブルを利用できないなど無駄が多い。

(d)一般の店舗において、窓際に置かれている背もたれのない長椅子は、食卓用として使用されるよりも、客が荷物を置いたり、店内が混んでいる場合にそこに座って店内が空くのを待ったり、または、連れが買い物を済ませるまでそこに座って待ったりする目的で使用されることが多い。

(エ)乙第4号証は、「箸袋」と認められるところ、当該袋の中央に本件商標と社会通念上同一と認められる「あかり」の文字が表示されている。

また、乙第5号証は、平成16年12月3日付けの被請求人(赤坂店)宛ての納品書(写し)と認められるところ、品名には、「あかり)完封竹箸」の記載がある。

しかしながら、「箸」は、「飲食物の提供」に当たりその提供を受ける者利用に供する物として使用されるばかりでなく、「商品」の販売に当たり、当該商品に添えて配布されている実情がある。

乙4号証及び乙5号証によっては、当該箸(袋)が、「飲食物の提供」に当たりその提供を受ける者利用に供する物として使用されたのか、「商品」の販売に当たって当該商品に添えて配布されたのか、不明確である。

(オ)乙第6号証ないし乙第8号証は、被請求人(赤坂店)の発行する「ポイントカード」に関する証拠(カード、あかりカードのご案内、カードの納品書写し、)と認められるところ、乙第6号証上段のカード右側、乙第7号証の一番下及び乙第8号証(御納入先)の欄に本件商標と社会通念上同一と認められる「あかり」の文字が表示されている。

これらの証拠には、「おせち料理のご予約承り中」(乙第6号証)、「商品をご購入の際、お買上げ金額をポイントに換算いたします。」(乙第7号証)などの記載はあるが、本件商標が「飲食物の提供」に使用されたと推認し得る記載は見当たらない。

(カ)乙第9号証は、「営業許可事項」と題する一枚紙(写し)であるところ、たとえ、営業許可を受けていたとしても、このことが、すなわち、現実に飲食店として営業をしていた事実を証明するものとはいえない。

(2)むすび

以上のとおり、乙第1号証ないし乙第9号証によっては、本件商標が「飲食物の提供」について使用されたとは認められない。

してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品及び指定役務中、取消請求に係る「飲食物の提供」の役務について本件商標を使用していたものとは認めることができない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品及び指定役務中、「飲食物の提供」の役務についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する

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