Trademark Appeal Case
メトロアクセスの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−4185(T2004−4185/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「メトロアクセス」の片仮名文字と「MetroAccess」の欧文字とを上下二段に書してなり、第38類「電気通信(放送を除く。),テレビ会議通信,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したメッセージ・音楽・映像・文書・データの通信及びこれらに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信その他電子計算機端末を利用したデータ通信,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した通信ネットワークへの接続の提供及びこれに関する情報の提供,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した通信ネットワークへの接続の提供に関するコンサルティング,インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用した通信ネットワークへの接続の取次ぎ,音声・文字データ・画像の伝送交換,通信機能を有するテレビゲーム機(家庭用及び業務用を含む)による通信,オンデマンド方式による映像・音声の伝送交換,電子計算機端末その他の通信機器による通信,電子メール通信,電子メールの自動転送,電子掲示板通信,データ通信に関する情報の提供,人工衛星による通信,付加価値通信網の提供,電子計算機端末その他の通信機器を利用した通信に関する情報の提供,放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成15年1月14日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『メトロネットワーク(都市内通信網)の中でアクセス網と直結する部分』を表したものと認識させる『メトロアクセス』及び『MetroAccess』の文字を二段に書してなるにすぎないものであるから、このようなものを通信に関連する役務である本願の指定役務に使用しても何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「メトロアクセス」の片仮名文字と「MetroAccess」の欧文字とを上下二段に書してなるところ、その構成中の「メトロアクセス」の文字部分は、下段に位置する「MetroAccess」の欧文字部分の読みを表したものと認められるものである。
そして、該「メトロアクセス」の文字は、いわゆる光通信分野における比較的短距離の都市内通信網を表す語として、一般に広く採択、使用されているのが実情であり、このことは、例えば、以下の(1)ないし(7)に示すインターネットのホームページ情報及び新聞情報からも十分に裏付けられるところである。
なお、これらのホームページ情報及び新聞記事情報は、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により、既に、平成17年10月21日付け証拠調べ通知書をもって、請求人に通知したものであるが、請求人は、該通知書に対して、何ら意見を述べていない。
(1)平成14年(2002年)7月12日付け日刊工業新聞(7頁)に、「KDDI、光ファイバーでのメトロアクセス網を拡充」の見出しの下、「KDDIは光ファイバーによるメトロアクセス網を拡充する。2月に法人向けに始めた広域イーサネットサービス強化の一環で、首都圏を皮切りに02年度中に大阪・名古屋を含む12政令指定都市に提供エリアを広げる。拡充するメトロアクセス網は、NTT東西地域会社が提供するダークファイバー(未利用の光ファイバー)を活用。それぞれNTT東西の加入者収容局とリング上に結ぶメトロリング(環状網)型の方式とする。(後略)」との記載がある。
(2)平成14年(2002年)10月10日付け日本工業新聞(6頁)に、「住友電工、量産化にめど 毎秒10ギガビット対応の光トランシーバー」の見出しの下、「高速メトロアクセス向けに拡販 住友電気工業は、通信速度毎秒一〇ギガ(一ギガは十億)ビットに対応した光トランシーバーの量産化にめどをつけた。来年夏ごろをめどにサンプル出荷を開始する計画。高速メトロアクセス向けに拡販する。(中略)光トランシーバーは、電気−光変換機能、光信号の送受信機能を持つ通信部品の一種。長距離用から短距離用まであるが、今回の一〇ギガビット対応機種は、通信距離八〇キロ程度のメトロアクセス向けの製品となる。キャリア事業者の局間、データセンター間、大学間などを光通信網で結ぶメトロアクセス分野は、これまで通信速度で毎秒二・五ギガビットが主流だった。(後略)」との記載がある。
(3)平成14年(2002年)11月6日付け日本工業新聞(5頁)に、「日本テレコム、広域イーサネット大幅拡充 地域網接続に帯域保証」の見出しの下、「(前略)同社は現在都内に地域アクセス網となるメトロアクセスを構築中。今回は、地域アクセス回線にNTT東日本のメトロイーサなどを利用しているが、メトロアクセスが完成すれば、地域アクセス網を含めたエンド・ツー・エンドのイーサネットサービスが可能になる。」との記載がある。
(4)平成16年(2004年)10月26日付け化学工業日報(9頁)に、「村田製作所、光通信用トランシーバーを量産、月1000個計画」の見出しの下、「村田製作所は今月から、光通信用トランシーバーの量産に乗り出す。集合住宅やオフィスなどのメトロアクセス向けとして拡販する方針で当初、月産一千個を計画、来年六月には倍増産を目指している。(後略)」との記載があること、日本電気株式会社に係るホームページ中の「技術解説 メトロネットワーク」の項目(http://www.sw.nec.co.jp/bnwjh/gijutsu/gij_003.html)中に、「(前略)このように加入者サイドのディストリビューションネットワークの通信容量が益々増大してくると、ディストリビューションネットワークとバックボーンネットワークを結ぶメトロコア(ノード間を接続するネットワーク)、メトロアクセス(メトロ領域内のアクセスネットワーク)などのメトロネットワーク領域における帯域の狭さがボトルネックになってきています。(中略)メトロネットワークとして、現在は二つのアプローチがあります。一つ目は、IPやEthernetに特化した方向で、シンプルで経済的なネットワークが可能です。主にメトロアクセスに対応しています。二つ目は、既存の電話等のサービスを維持しつつ、新しいIPやEthernetを提供していくという方向です。今までの電話等のネットワークにはSDH (Synchronous Digital Hierarchy) / SONET (Synchronous Optical Network) が使われており、さらにIPやEthernetも効率的に収容出来るようにSDH/SONETを変えていく方向で、このSDH/SONETは次世代SDH/SONETと呼ばれています。主にメトロコアネットワークに対応しています。(後略)」との記載とともに、「メトロアクセス」の文字を含む「図1:メトロネットワークの構成」の図が掲載されている。
(5)フォトニクスネット株式会社に係るホームページの「ソリューション」の項目(http://www.photonixnet.com/08_1.html)中に、「(前略)メトロエリアエリアに焦点を当ててみると、さらにメトロアクセスと呼ばれる領域とメトロコアに分けることができます。メトロアクセスとは、キャリア事業者の局舎間、xSPのPOP間、iDCのデータセンター間、あるいは企業や大学などのキャンパス間といった、比較的必要とされる回線容量が少ない(1〜4Gbps)ネットワークです。一方のメトロコアは、例えばキャリアの県内網のように地方の拠点都市間を接続するネットワークです。複数のメトロアクセスを束ねてロングホール・バックボーン接続拠点までを結びます。(後略)」との記載とともに、「メトロアクセス 5〜40km程度の都市内通信網」の文字を含む「インターネットの概略階層構造」の図が掲載されている。
(6)株式会社日立製作所に係るホームページの「日立評論」の項目(http://www.hitachihyoron.com/2005/06/06a10.html)中に、「ユビキタス情報社会の基盤となる光トランスポートプラットフォーム」の見出しの下、「AMN7500は,100km以下程度のメトロアクセスから1,000km超に及ぶコアネットワークまで,マルチリーチ・マルチトポロジー対応の次世代光トランスポートシステム向けに適用され,統合管理ができる。AMN6200は,アクセスとメトロアクセス領域の小容量WDMシステム向けに適用される。(後略)」との記載とともに、「メトロアクセス(支線面)」の文字を含む「光トランスポートネットワークの全体階層構成」等を表した図が掲載されている。
(7)富士通株式会社に係るホームページの「[PRESS RELEASE]」の項目(http://pr.fujitsu.com/jp/news/2003/01/22-1.html)中に、「光波長を自由に扱える小型・安価な光メトロ・アクセスシステムを開発」の見出しの下、「富士通株式会社と株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、柔軟な都市内光ネットワークが構築できる小型で安価なフォトニックゲートウェイとそれを用いた光メトロ・アクセスシステムを開発いたしました。開発した光メトロ・アクセスシステムを用いると、光波長多重伝送(WDM)において、光波長単位の帯域をユーザ要求に応じて自在に変更して提供することや、光波長を用いたVPN(*1)等、さまざまな波長サービスが可能になると期待されます。」との記載があること、及びファイバーラボ株式会社に係るホームページの「ファイバーラボ製品情報」の項目(http://www.fiberlabs.co.jp/metro.htm)中に、「メトロ・アクセス系ネットワーク用光アンプ−O,S,Cバンド光アンプ」の見出しの下、「WDM通信は、基幹ネットワークの大容量通信として発達した技術ですが、近年コストパフォーマンを追求したCWDM伝送やFTTxのアーキテクチャとして注目されているPONなどメトロ、アクセス系光ネットワークにそのWDM技術が盛んに使われております。(中略)このようにメトロ・アクセス系では多様な波長が使われ始めており、各波長に対応する光アンプは、光ネットワークのエリア拡大、光分配などフォトニックネットワークには欠くことのできないキーデバイスとなっております。(後略)」との記載がある。
してみれば、「メトロアクセス」及び「MetroAccess」の文字からなる本願商標を、その指定役務中、例えば、「インターネット又は移動体電話による通信若しくはその他の通信手段を利用したメッセージ・音楽・映像・文書・データの通信,インターネット又は移動体電話による通信その他電子計算機端末を利用したデータ通信,電子計算機端末その他の通信機器による通信」について使用をするときは、これに接する需要者は、その役務の提供手法(手段)を表したものと認識するにとどまるものであって、自他役務の識別標識としては理解し得ないものであるから、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、請求人は、過去の審決及び登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、これらはいずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであるから、同一に論ずることはできず、請求人のかかる主張を採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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