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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31577(T2004−31577/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4483456号商標(以下「本件商標」という。)は、「ヘリガード」の文字と「HERIGUARD」の文字とを二段に書してなり、平成8年8月23日に登録出願、第1類「化学品」を指定商品として、同13年6月22日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録は、同16年12月28日にされたものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標は、その登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

1.請求の理由

被請求人は、本件商標をその指定商品について継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、本件商標の登録原簿に示すとおり(甲第1号証)、本件商標について専用使用権者は存在せず、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定商品につき使用されていないものである。

よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消されるべきものである。

2.被請求人の答弁に対する弁駁の理由

(1)乙第1号証及び乙第2号証は、それぞれ、食品用酸化防止剤の「製品カタログ」、「製品規格書」とのことであり、これらにはそれぞれ、被請求人の住所及び名称、商標「ヘリガード」が記載されている。

しかしながら、これらの証拠は共に、被請求人が作成した印刷物であり、その作成年月日は記載されてない。また、これらが実際に頒布された事実を立証する資料も提出されていない。すなわち、上記各証拠は、被請求人が作成したものであるから、これらはいつでも容易に作成できるものである。したがって、これらの資料が存在することを理由に本件商標が本件審判請求の登録前の3年以内に使用されたということはできない。

したがって、請求人は、乙第1号証及び乙第2号証が本件審判請求の登録前3年以内に頒布された事実を証明する資料、例えば、当該資料を受け取った者が作成した証明書の提出を要求する次第である。

(2)乙第3号証は、本件商標の使用に係る商品の写真とのことであるが、これは、商品の包装に本件商標が印刷されたシールを貼り付けたにすぎない。したがって、当該商品が食品添加剤であること及び当該商品が現実に販売されたことを何ら立証するものではない。もし、当該商品が現実に販売されたものであるならば、当該商品の購入者作成による証明書の提出を求める次第である。

(3)乙第4号証及び乙第5号証は、九十九里水産株式会社(以下「九十九里水産」という。)を納入先とする受領書の写しとのことである。しかしながら、これらによっても、本件商標が本件審判請求の登録前の3年以内に使用されたことを証明したということはできない。

まず、本件商標の使用にかかる商品は、「食品用酸化防止剤」とのことであるが、「食品用酸化防止剤」は大量に生産され、継続的に多数の者に販売されるものである。したがって、このような商品の購入者が、ただ一社ということはあり得ない。請求人は本件商標に係る商品の他の購入者が本件商標に係る商品を本件審判請求登録前3年以内に購入した事実を証明する資料の提出を求める次第である。

さらに、上記各証拠は、九十九里水産の受領書の写しのようであるが、当該書類にはいずれも受領印は押されておらず、販売又は授受の年月日及び納入日も記載されてない。したがって、これらの証拠は、当該商品が現実に取引されたことを立証したことにならない。しかも、これらは共に受領書の写しであり、真正な書類の写しかどうか疑わしい。

したがって、請求人は、本件商標の使用にかかる「食品用酸化防止剤」を本件審判請求の登録前3年以内に購入したことを示す九十九里水産作成の証明書の提出を求める次第である。

3.以上述べた理由により、平成17年2月2日付け被請求人提出にかかる審判事件答弁書に添付した証拠方法によっては、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において指定商品「化学品」について使用されていたということはできない。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

被請求人(商標権者)である「大日本インキ化学工業株式会」は、本件審判請求の登録日前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品「化学品」について、本件商標を使用している。

1.商標の使用者

乙第1号証「製品カタログ」、乙第2号証「製品規格書」及び乙第3号証「製品の写真」には、被請求人である「大日本インキ化学工業株式会」の表示及び本社住所が表示されている。

乙第4号証及び乙第5号証「取引書類(受領書)の写し」には、被請求人(商標権者)である「大日本インキ化学工業株式会」の表示がされている。

2.使用に係る商品

乙第1号証及び乙第2号証には、請求に係わる指定商品「化学品」(酸化防止剤)の製品名(本件商標の「ヘリガード」)及びその品番(T−20)が記載されている。

乙第3号証のラベル及び乙第4号証と乙第5号証の品名欄には、乙第1号証あるいは乙第2号証に記載された製品名及びその品番が記載されている。

3.使用に係る商標

乙第1号証ないし乙第5号証には、商標「ヘリガード」が記載されている。

当該使用商標は、社会通念上、本件商標の使用といえるものである。

4.使用時期

乙第4号証の出荷年月日の欄には「2003年11月28日」と記載され、乙第5号証の出荷年月日の欄には「2004年04月13日」と記載されている。

5.むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人(商標権者)により指定商品「化学品」について使用していることが明らかである。

第4 当審の判断

1.被請求人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)被請求人の商品「食品用酸化防止剤」のカタログには、その表紙に該商品名「食品用酸化防止剤製剤水溶性」及び「ヘリガード T−20」の表示がされ、その2ページ以下には、「ヘリガードT−20実用試験データ」「特性」「効果」「組成」「用法」「表示」及び「荷姿」について各項目ごとに記載がされており、その「効果」欄には「水産加工品、特に鮭鱒類の酸化褪色防止」等と、「荷姿」欄には「1Kg(アルミ袋入)×10ヶ(段ボール箱入)」とそれぞれ記載されている(乙第1号証)。

(2)被請求人の製品企画書には、製品名として「ヘリガード T−20」と記載され、品質規格として「組成」「乾燥減量」「希釈剤」「外観」等の項目が設けられ、これらに関する「規格」及び「試験方法」について記載されている(乙第2号証)。

(3)商品の写真には、「食品添加物 酸化防止剤製剤」「ヘリガード T−20」「NET.10kg」の表示及び被請求人の名称等が表示されたラベルの貼られた段ボールの上に、その内容物の一部とみられる袋が載せられており、その袋には「食品添加物 酸化防止剤製剤」「ヘリガード T−20」「NET.1kg」及び被請求人の名称等が表示されたラベルが貼られている(乙第3号証)。

(4)被請求人が九十九里水産に「ヘリガード T−20 1×10」を2個出荷した際の九十九里水産の受領書には、「出荷年月日」欄に「03.11.28」又は「04.04.13」と記載され、「毒物劇物譲受者」欄にサイン又は押印がされている(乙第4号証及び乙第5号証)。

2.(1)以上によれば、被請求人の提出に係る証拠には、一貫して「ヘリガード T−20」と表示されており、また、乙第1号証の「荷姿」欄に表示されている「1Kg(アルミ袋入)×10ヶ(段ボール箱入)」に符合する表示が、乙第3号証の写真の段ボール箱に「NET.10kg」と、商品の包装袋のラベルに「NET.1kg」と表示されており、さらに、乙第4号証及び乙第5号証には「ヘリガード T−20」に続いて「1×10」と表示されており、これら乙各号証における商品の表示及び荷姿はすべて一致していると認められるから、これらの証拠において、被請求人の食品用酸化防止剤の取引の事実は示されているというべきである。

被請求人は、水産加工品、特に鮭鱒類の酸化褪色防止効果を有する食品用酸化防止剤を製造、販売しており、該食品用酸化防止剤には「ヘリガード T−20」の文字からなる商標が使用されおり、被請求人は、該食品用酸化防止剤を平成15年11月28日及び同16年4月13日に九十九里水産に販売したことが認められる。

そして、該食品用酸化防止剤に使用されている「ヘリガード T−20」の文字からなる商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認められ、該食品用酸化防止剤は、請求に係る指定商品「化学品」に含まれるものである。

(2)請求人は、商品カタログ及び製品規格書(乙第1号証及び乙第2号証)は被請求人が作成した印刷物であり、その作成年月日は記載されておらず、これらが実際に頒布された事実を立証する資料も提出されてない旨主張する。

しかしながら、商品カタログ及び製品規格書(乙第1号証及び乙第2号証)には、作成年月日の記載がなく、その作成日を特定し得ないものであるが、作成年月日の記載のない商品カタログは少なからず見受けられるところである。また、上記1.(1)でみたように、該商品カタログ(乙第1号証)には「ヘリガードT−20実用試験データ」「特性」「効果」「組成」「用法」「表示」及び「荷姿」について項目毎に記述されており、その体裁からすれば、一般の商品カタログと何ら変わらないものである。これが頒布されなかったとみるべき格別の事由はないといわなければならない。商品企画書(乙第2号証)についても同様である。

さらに、請求人は、商品の写真(乙第3号証)は商品の包装に本件商標が印刷されたシールを貼り付けたにすぎない。また、食品用酸化防止剤は大量に生産され、継続的に多数の者に販売されるものであり、このような商品の購入者がただ一社(乙第4号証及び乙第5号証)ということはあり得ない、他の購入者の証明書の提出を求める。乙第4号証及び乙第5号証の受領書の写しにはいずれも受領印は押されておらず、販売又は授受の年月日及び納入日も記載されてない、しかも、これらが真正な書類の写しかどうか疑わしい旨主張する。

しかしながら、段ボールのラベル(乙第3号証)は、他の証拠の表示と符合するものであり何ら不自然なところはなく、その内容物の真偽を問うべき格別の事由はない。

受領書(乙第4号証及び乙第5号証)は、出荷年月日が平成15年11月28日、同16年4月13日と確認できるものであり、また、「毒物劇物譲受者」欄のサイン又は押印を、受領印を兼ねるものとみても何ら不自然ではなく、他に、これらの書類が真正なものではないとみるべき特段の事由は存しない。九十九里水産一社のみでは本件商標を使用する食品用酸化防止剤の取引の事実を立証するに十分でないとみるべき特段の事由も、また存しないといわなければならない。

3.したがって、本件商標の商標権者である被請求人は、本件審判請求の予告登録前3年以内に、請求に係る指定商品に含まれる「食品用酸化防止剤」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたと認められるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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