sokuhyo

Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−30807(T2004−30807/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4432559号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4432559号商標(以下「本件商標」という。)は、「ORBIT」の文字を標準文字により表してなり、平成10年7月9日に登録出願され、第9類「測定機械器具並びにその部品及び附属品」を指定商品として平成12年11月17日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。

(1)本件審判請求日現在において既に登録後3年以上経過しており、しかもこの間、被請求人は、本件商標をその指定商品について使用した事実は存在しない。

したがって、本件商標は、継続して過去3年以上日本国内においてその指定商品について使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

(2)被請求人は、答弁書において、本件商標を被請求人の提供するネットワーク測定システムの構成機器の一つである「ネットワークカード」について使用してきており、この「ネットワークカード」は、本件審判請求に係る指定商品「測定機械器具並びにその部品及び附属品」の範疇に属する商品である旨述べている。

しかしながら、乙第1及び第2号証によれば、この「ネットワークカード」は、パーソナルコンピュータの拡張スロットに接続することにより、デジタルプローブからケーブルを通じて入力された測定結果データをパーソナルコンピュータに出力する機能のみを有する「インターフェースカード」(甲第1号証)であるにすぎず、それ自体は測定機能を全く有していない。

したがって、「インターフェースカード」であるこの「ネットワークカード」は明らかに第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する商品であって、「測定機械器具」の範疇に属する商品ではない。このことは、特許庁において、「インターフェースカード」に対して「電子応用機械器具及びその部品」と同じ類似群コードである「11C01」が付されていることからも明らかである(甲第2号証)。

また、乙第1号証によれば、被請求人の提供するネットワーク測定システムとは、デジタルプローブにより測定されたデータを測定点から離れた所に設置されたパーソナルコンピュータに送信するシステムであって、このシステム自体は測定機能を全く有していない。

したがって、このシステムはもとより、その構成機器の一つである「ネットワークカード」も「測定機械器具の部品及び附属品」の範疇に属するとはいえない。

以上より、被請求人が本件商標を「測定機械器具並びにその部品及び附属品」について使用しているとはいえない。

(3)ちなみに、被請求人は、我が国と同じく国際分類(ニース分類)を採用している米国においても本件商標の連邦登録を受けているが、その指定商品は「測定データを収集し、処理し、表示するために使用されるコンピュータソフトウェア,ネットワークカード,測定機器及びメーター類について使用される電子インターフェイス装置,上記商品の部品」であって、「測定機械器具」自体については登録を受けていないことを指摘し(甲第3号証)、被請求人自身も、かかる米国連邦商標登録の指定商品が「測定機械器具」の範疇に属するものではなく「測定されたデータを処理・送信・表示する電子機器」であることを自認していることをうかがわせることを申し添える。

(4)提出された証拠をいかに善解しても、被請求人は、本件審判請求登録前3年以内に日本国内において本件商標を第9類「測定機械器具並びにその部品及び附属品」について使用していることを証明していない。被請求人の答弁は、「『コンピュータネットワーク用インターフェースカード』が測定したデータを配信ないし表示する目的にも使用できる以上、本件商標は『測定機械器具並びにその部品及び附属品』について使用されている」と強弁しているにすぎず、その主張は失当である。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第6号証を提出している。

(1)次に述べるように、本件商標は審判の請求登録日である平成16年6月23日(審決注:平成16年6月23日は本件審判の請求日であり、その登録日は同年7月14日である。)の前3年以内に日本国内において使用されており、本件審判の請求は棄却されるべきものである。

(2)「ORBIT(Orbit・オービット)」とは、被請求人の提供するネットワーク測定システムの名称である(乙第1号証)。同システムは、被請求人が開発したDP型デジタルプローブと呼ばれる寸法・変位・位置を測定する機器を用いて測定を行い、その結果をネットワーク上で送受信し、ネットワークに接続されたパソコンやデジタル機器等に表示したり測定データを収集したりするものである。

被請求人は、同測定システムの構成機器の一つであるネットワークカードに本件商標を用いており(乙第2号証)、被請求人の国内販売代理店である東邦マーカンタイル株式会社(乙第3号証)は、乙第4号証に示す売上伝票及び梱包開封時の写真からもわかるとおり、国内において同商品の取引を行っている。また、同伝票に記載の年月日「140603」から、審判の請求登録日前3年以内に本件商標が使用されているのは明白である。このことは、同システムについての英語版カタログの表紙に「02(=2002年)」及び裏表紙に「2002/01」の記載がなされていることからも然りである(乙第5号証)。

(3)請求人の弁駁に対する答弁

被請求人の提供するネットワーク測定システムには、「デジタルプローブ」が主要なコンポーネントとして含まれる。同「デジタルプローブ」は、被請求人が全く新しい発想で開発した寸法/変位/位置を測定する測定機械器具である(乙第6号証)。

そして、同ネットワーク測定システムを構成するパソコン、デジタル表示器、PLC、T−CON(コネクタ)、電源モジュールなどのコンポーネントは、「デジタルプローブ」により測定結果をデジタル送受信し、表示し、また、測定データを収集するのに必須不可欠なコンポーネントである。よって、同ネットワーク測定システムは、請求人が主張するような「測定されたデータをパーソナルコンピュータに送信するシステム」とは著しく異なる。

「ネットワークカード」もまた、同ネットワーク測定システム専用に特別に製造され、同ネットワーク測定システムの一翼を担っているコンポーネントの一つであるから、測定機械器具の部品及び付属品にほかならない。

(4)以上により、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、その指定商品「測定機械器具並びにその部品及び附属品」に使用されていることが明らかになったものである。

4 当審の判断

(1)被請求人は、同人の提供するネットワーク測定システムの構成機器の一つである「ネットワークカード」に本件商標を使用しているとして証拠を提出しているので、まず、この点について検討する。

被請求人の説明及び提出された証拠によれば、上記ネットワーク測定システムは、「DP型デジタルプローブ」と呼ばれる寸法、変位、位置を測定する機器を用いて測定を行い、その結果をネットワーク上で送受信しネットワークに接続されたパーソナルコンピュータやデジタル機器等に表示したり測定データを収集するものであり、被請求人のいう「ネットワークカード」は、同測定システムの構成機器の一つであることが認められる。

しかしながら、この「ネットワークカード」は、パーソナルコンピュータの拡張スロットに接続することにより、上記デジタルプローブからケーブルを通じて入力された測定結果データをパーソナルコンピュータに出力する機能のみを有するものであって、それ自体は測定機能を有していないものである。そして、乙第4号証から明らかなように、この「ネットワークカード」は、それ自体独立して取引されるものである。

そうすると、この「ネットワークカード」は、被請求人の提供するネットワーク測定システムの構成機器の一つであるとしても、上記のとおり、その機能からみて「測定機械器具」ないしは「その部品及び附属品」の範疇に属する商品ということはできず、むしろ、パーソナルコンピュータと周辺機器とを接続するためのコネクター類といえる「インターフェースカード」というべきものであって、「電子応用機械器具」の範疇に属する商品というべきである。

してみれば、被請求人は、乙第4号証(売上伝票)をもって、この「ネットワークカード」について本件商標を使用していることを立証し得たとしても、本件取消請求に係る指定商品「測定機械器具並びにその部品及び附属品」については本件商標の使用を立証していないものといわざるを得ない。

(2)つぎに、被請求人は、同人の提供するネットワーク測定システムには、寸法/変位/位置を測定する測定機械器具である「DP型デジタルプローブ」が含まれているものであって、同ネットワーク測定システムは、請求人のいう「測定されたデータをパーソナルコンピュータに送信するシステム」とは異なる旨主張しているので、この点について検討する。

(a)被請求人の提出に係る乙第1号証(パンフレット)には、次のとおりの記載を認めることができる。

19頁の「10.オービット(Orbit Network)」の見出しの下、「オービット オービットはRS485に準拠したソーラトロンのネットワークシステムで、このネットワークにDR型デジタルプローブとオービットカード/モジュールを接続するだけで測定システムを構築できます。」(20頁)、「測定システムの構築 オービットは測定システムの組み合わせ・構成や構築が容易にできるので、カスタム仕様や御客様独自の測定システムを短時間に低コストで作ることができます。」(20頁)との記載。また、23頁の「12.オービットについてよくある質問」の見出しの下、「オービットとは? オービットとは『デジタルプローブ,リニアエンコーダ,1/0モジュール』と『PCやPLCあるいはデジタル表示器』を接続するための、ネットワークシステムです。」(23頁)、「オービットの有利なことは? 生産/検査現場から離れた場所での測定結果の監視や制御装置へのフィードバック等、あらゆる用途に対応できるネットワークシステムです。」との記載、等々。

上記に徴すれば、本件商標は、ほとんどの場合、「DP型デジタルプローブ」により測定された測定結果を測定場所から離れた所に設置されたパーソナルコンピュータに送受信するためのネットワークシステムについて用いられているということができ、そして、該ネットワークシステム自体は測定機能を有さないものであって、測定機械器具とは認められないものである。

(b)また、乙第1号証、乙第5号証及び乙第6号証のパンフレットは、「ソーラトロン(solartron)という「DP型デジタルプローブ」に関するものであるが、該カタログによれば、寸法/変位/位置を測定する測定機械器具である「DP型デジタルプローブ」については「ソーラトロン(solartron)」の商標が使用されているといい得るとしても、本件商標が使用されているものとは認めることができない。

(c)そうすると、たとえ、被請求人の提供するネットワーク測定システムには測定機械器具である「DP型デジタルプローブ」がその構成機器の一つとして含まれているものであるとしても、該「DP型デジタルプローブ」について使用されている商標は本件商標とは異なる商標(「ソーラトロン」(solartron))であり、他方、本件商標が使用されているネットワークシステムはそれ自体は測定機能を有さず、測定機械器具とは認められないものであるから、これらパンフレットは、本件商標を「測定機械器具並びにその部品及び附属品」について使用していることを立証する証左とはなり得ていないものといわなければならない。

(3)以上のとおりであるから、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ないものであり、かつ、その不使用につき正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。