sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「サラッキー」の称呼の類似性と要部抽出(第4条第1項第11号|審判異議2004−90370(T2004−90370/J7))

審判番号
異議2004−90370(T2004−90370/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「サラッキー」
争点(論点)
称呼の類似性と要部抽出
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第5類・第10類・第27類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2004−90370(T2004−90370/J7)・異議)は、本件商標「サラッキー」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性と要部抽出」です。指定商品・役務は第5類・第10類・第27類に属します。特許庁は「登録第4755789号商標の指定商品中第5類「薬剤,歯科用材料,衛生マスク,ガーゼ,生理用パンティ,生理用ナプキン」についての登録を取り消す」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4755789号商標の指定商品中第5類「薬剤,歯科用材料,衛生マスク,ガーゼ,生理用パンティ,生理用ナプキン」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4755789号商標(以下「本件商標」という。)は、「サラッキー」の文字と「SULUCKY」の文字とを上下2段に横書きしてなり、平成15年8月25日に登録出願、第5類、第10類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年3月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由の要旨

本件登録異議申立人は、「サンラッキー」の文字と「SUNLUCKY」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、昭和63年11月16日に登録出願され、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録され、その後、同13年7月25日に指定商品を第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」に書換登録された登録第2312618号商標(以下「引用商標」という。)を引用し、本件商標は、商標法4条1項11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであると主張している。

3 当審における取消通知

当審において、商標権者に対し、平成17年7月20日付で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。

本件商標と引用商標を比較するに、本件商標からは「サラッキー」の称呼を生ずるものであり、他方、引用商標からは「サンラッキー」の称呼が生ずるものである。

そうすると、本件商標と引用商標の両称呼は、称呼の識別上最も重要な部分である語頭の「サ」の音と第3音以降の「ラッキー」の音を共通にし、異なるところは比較的聴別し難い中間に位置する鼻音で弱い音といえる「ン」の音の有無という微差にすぎないから、それぞれを一連に称呼するときは、語感・語調が近似する相紛らわしい類似の商標であり、加えて、外観においても、本件商標と引用商標とは、片仮名文字部分において「ン」の文字の有無、欧文字部分において「N」の文字の有無という微差にすぎず、他の配列文字をすべて同じくする類似の商標といえるものである。

してみれば、両商標は、称呼及び外観において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中第5類の「薬剤,歯科用材料,衛生マスク,ガーゼ,生理用パンティ,生理用ナプキン」と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、上記商品については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

(1)称呼の対比

本件商標から生ずる「サラッキー」の称呼と引用商標より生ずる「サンラッキー」の称呼とを比較すると、前者は5音構成よりなり、後者は6音構成からなる点で、両者は構成音数に違いがある。また、両称呼は全体としてみた場合、前者は殆ど平坦でかつ短く一気に称呼されるのに対し、後者は抑揚を伴いかつ緩やかに称呼される点で、その全体の語感・音調における特長を著しく異にする。そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼し又は時と処を異にして離隔的に聴覚した場合、聴者は上記語感・音調の違いから両称呼を聴別することは十分可能である。

(2)観念の対比

本件商標は、その構成各文字よりみて何ら特定の意味合いを表現し得ない造語と認識し把握されるものであるが、他方、引用商標は、それ自体は成語でないとしても、構成各語の意味合いよりして「太陽の幸運」の如き意味合いを容易に想起し得るものである。そうすると、両商標に接する需要者がその意味的・観念的違い、記憶印象の違いから両商標を互いに区別することは十分可能である。

(3)外観の対比

引用商標がその外観印象又は外観上の特長において「サン」、「SUN」及び「ラッキー」、「LUCKY」の各語の結合にあるとすれば、仮にこれら語の綴り字の一部に欠落があった場合(「ン」と「N」)には、需要者は、引用商標とは明らかに別異のものとしてこれを視認(認識)し把握するとみるのが至当と考える。取消理由は、外観上類似の商標である旨認定しているが、外観においてこれら2文字の有無を微差と認定し得る根拠はなく、その理由も全く不明である。

5 当審の判断

(1)称呼の類否について

本件商標は、「サラッキー」及び「SULUCKY」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して「サラッキー」の称呼が生じ、また、引用商標からは、その構成文字に相応して「サンラッキー」の称呼が生じるものである。

そこで、本件商標と引用商標の称呼を比較するに、両称呼は、称呼上重要な要素を占める語頭音を含む「サ」「ラッ」「キー」の3音を同じくし、異なるところは、引用商標の第2音目の「ン」の音の有無にあるところ、該差異音である「ン」の音にしても、比較的聴別し難い中間に位置しており、母音を伴わずに有音の気息を鼻から発するにすぎない鼻音であるから、比較的弱く発音されかつ聴別され難い音であると認められる。

そうすると、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似し、互いに相紛れるおそれのある商標と認めるのが相当である。

(2)外観の類否について

本願商標の「SULUCKY」と引用商標の「SUNLUCKY」の外観を比較すると、両商標は、語頭の「S」「U」の2文字を含む「L」「U」「C」「K」「Y」の7文字を同じくし、異なるところは引用商標の第3文字目の「N」の文字の有無にあるところ、たとえ、「N」の文字に差異を有するとしても、引用商標の全8文字中、7文字及びその配列をことごとく同じくするものである。

また、両者の片仮名文字を比較しても、語頭の1文字を含む「サ」「ラ」「ッ」「キ」「ー」の5文字を同じくし、異なるところは、引用商標の第2文字目の「ン」の文字の有無にすぎず、かつ、両者は、その構成態様及び構成文字も全て同一の書体といえるものである。

そうすると、本件商標の片仮名文字部分で5文字、欧文字部分で7文字という構成中の中間の文字において、「ン」及び「N」の2文字を除き、他のすべてが同じ文字で構成されているという事実からすると、取引者・需要者がこれを時と処を異にして離隔的に観察した場合、外観において彼此見誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。

(3)結論

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較すべきところがないとしても、両商標は、外観及び称呼において類似し、全体として相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

なお、商標権者は、過去の判決例(乙第4号証ないし乙第6号証)を提出しているが、これらは、本件商標とは事案を異にするものであるから、この点に関する商標権者の主張は認め難い。

また、商標権者は、「最高裁判所判決、昭和39年(行ツ)第110号」を引用し、「商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断すべき」旨主張しているところ、本件商標がその指定商品について実際に使用されている事実、広告宣伝されている証拠の提出もない。そうすると、本件商標が、取引者、需要者の間に広く認識されていたものとも認められない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中結論掲記の商品については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ないから、同法43条の3第2項の規定により、取り消すべきである。

しかしながら、その余の指定商品については商品が非類似であり、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできないから、同法43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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