Trademark Appeal Case
略語と一般名称の結合
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90648(T2003−90648/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4691653号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年11月14日に登録出願、「IPオフィス」の文字と「アイピーオフィス」の文字を二段に書してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成15年7月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」との関係において、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。
(2)本件商標は、その上段部の「IPオフィス」中の「IP」の欧文字及び下段部の「アイピー」の文字は、「Internet Protocol(インターネットプロトコル)」の略語として通信分野を中心に頻繁に用いられてきたものであり、形容詞的な機能を持って用いられることも多く、「IP電話」「IPファックス」「IPテレビ」「IPアダプタ」のように一般の商品名と結合させることにより、これらの商品が、インターネット通信を利用した又はインターネット通信が可能な商品であるという商品の品質(機能)を示す際にも使用されるに至っている(甲第1号証の1ないし甲第1号証の3)。一方、本件商標中の「オフィス」のカタカナは、英単語の「OFFICE」の表音文字として広く知られており、「事務所」「職場」等の意味を有する語として日常的に用いられているものである(甲第2号証)。
したがって、本件商標からは、「インターネット通信を利用しているオフィス」又は「インターネット通信環境の整ったオフィス」といった程度の意味合いが自然に看取され得るものである。
また、甲第3号証からは、近年においては通信分野を中心とする他の多数の会社が「IPオフィス」なる語を主に「最先端のインターネット通信環境が整ったオフィス」なる意味で使用しているという事実を窺い知ることができる。
さらに、本件権利者の発行した製品カタログ(甲第4号証)でも、本件商標を英語表記した「IP OFFICE」の商標を付した商品を紹介する上で、「オフィスネットワークの最適なIP化」との文言が用いられており、このことからも「IP OFFICE(アイピーオフィス)」の語が、「インターネット通信環境の整った(IP化された)オフィス(ネットワーク)」という意味で用いられていることが容易に推察できる。
(3)次に、本件指定商品中「電気通信機械器具」が、「IP(アイピー)」の文字が頻繁に用いられ、広く知られている通信分野において取引される商品であることは明らかであるが、「電子応用機械器具及びその部品」中にも、インターネット通信により情報を伝送するためのコンピュータプログラムを記憶させた記録媒体、インターネット通信に接続するためのコンピュータプログラム、インターネット通信に接続するための電子計算機端末等の多種多様な通信関連の商品が含まれている。
また、電子通信機械器具と電子応用機械器具の商品群に属する商品も多数存在していると共に、両商品群に属する商品は同一の流通経路を介して販売されることが多く、取引者・需要者の範囲を大きく異にするものではないことにも鑑みると、「IP(アイピー)」の文字は、電子応用機械器具の分野における取引者・需要者にも広く知れ渡っていると考るのが相当である。
したがって、「IP(アイピー)」の文字及びその意味は、「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」の分野で広く知られているといい得るものであり、本件商標を本件指定商品に使用した場合には、「オフィス」の語が日常的に使用されていることも相俟って、取引者・需要者をして「最先端のインターネット通信環境が整ったオフィスを構築するための商品」という程度の意味合いを認識させるに止まり、単に商品の品質(機能)を表示するにすぎないと考えらるものである。
(4)以上を総合的に勘案すると、本件商標が付された本件指定商品が市場に供給され、又はこれらの商品について宣伝広告がされたときには、取引者・需要者をして「最先端のインターネット通信環境の整ったオフィスを構築するための商品」という程度の意味合いを認識させるに止まり、本件商標はその指定商品との関係において、単に商品の品質(機能)を表示するにすぎず、また日々進歩する通信ネットワークの分野にあっては、本件商標のように多数の会社が使用している商標は独占適応性を欠く商標であり、本件商標は商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおり「IPオフィス」と「アイピーオフィス」の文字よりなるものであるところ、その構成中の「IP」の文字及び「アイピー」の文字は、「Internet Protocol(インターネットプロトコル)」の略語として、「IP電話」「IPファックス」「IPテレビ」「IPアダプタ」のように使用されているものであり、また、「オフィス」の文字は、「事務所」「職場」等を意味する語として日常的に用いられているものであるとしても、申立人の提出に係る甲各号証からは、本件商標の登録査定時において、「IPオフィス」と「アイピーオフィス」の文字からなる本件商標が、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、申立人のいう「インターネット通信を利用しているオフィス」又は「インターネット通信環境の整ったオフィス」の如き意味合いをもって、商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとして普通に使用されているとまではいい得ないものといわなければならない。
そうすると、本件商標は、その構成全体として特定の既成観念を有しないものとみるのが相当であり、その指定商品との関係において、商品の品質等を表示するものとは認めることができないものである。
また、本件商標は、その構成全体として特定の既成観念を有しないものであること上述のとおりであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及びその他の同法第43条の2各号のいずれにも該当しないものと認められるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する
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