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結論

敗訴(請求棄却)

商標「マジック」の著名商標と称呼外観類似(第4条第1項第11号・第4条第1項第10号|審判異議2005−90060(T2005−90060/J7))

審判番号
異議2005−90060(T2005−90060/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「マジック」
争点(論点)
著名商標と称呼外観類似
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第10号
指定商品・役務の区分
第29類・第30類・第31類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2005−90060(T2005−90060/J7)・異議)は、本件商標「マジック」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第10号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名商標と称呼外観類似」です。指定商品・役務は第29類・第30類・第31類に属します。特許庁は「登録第4815869号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4815869号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4815869号商標(以下「本件商標」という。)は、「マジック」の片仮名文字と「MAGIC」の欧文字とを二段に書してなり、第29類、第30類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年1月8日に登録出願、同16年11月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)(ア)から(エ)の登録商標を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。

(1)引用商標

(ア)引用登録第188983号商標は、「MAGGI」の欧文字を横書きしてなり、第41類「ソース」を指定商品として、大正15年3月3日に登録出願、昭和2年2月24日に設定登録がされたものであるが、その後、5回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

(イ)同じく、登録第1477576号商標(以下「引用A商標という。」)は、別掲のとおりの構成よりなり、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和45年10月31日に登録出願、同56年8月31日に設定登録がされたものであるが、その後、指定商品については、平成15年2月12日付けで、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされている。

(ウ)同じく、登録第1499894号商標(以下「引用B商標という。」)は、、別掲のとおりの構成よりなり、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和45年10月31日に登録出願、同57年2月26日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品については、平成15年6月25日付けで、第29類、第30類及び第32類に属す商標登録原簿に記載のとおりの商品に書換登録がなされている。

(エ)同じく、登録第1248194号商標(以下「引用C商標という。」)は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和45年10月31日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年2月10日に設定登録されたものであるが、その後、昭和62年5月20日及び平成9年5月23日の2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

以下、これらの引用商標をまとめていうときは、「引用各商標」という。(2)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について

上記の引用各商標は、申立人が、スイス国において、主に、「煮込料理の固形だし(ブイヨン)」に使用していたものを、1967年(昭和42年)頃から日本においても本格的に生産・販売を開始し、それ以来、現在まで約40年間にわたり継続的に使用をしているものであるから、引用各商標は、本件商標の出願(平成16年1月8日)前より取引者・需要者の間に広く認識されていた商標である。また、現在においても、我が国において、申立人の商標「マギー」を付した「ブイヨン」「コンソメ」「ソース」等の商品は、取引者・需要者の間に広く認識されているものである。

さらに、本件商標「MAGIC」と引用各商標を構成する「MAGGI」又は「Maggi」の文字とは、文字の綴りにおいて語頭部3文字までの「MAG」「Mag」を共通にすると共に、その構成中に、いずれの商標も「GI」又は「gi」の文字を有していることから、視覚上、「MAGIC」と「MAGGI」又は「Maggi」の文字とは、欧文字の大文字と小文字の差異があるとしても、引用商標「MAGGI」「Maggi」の著名性を考慮すると、両商標を時と所を異にして観察する場合、外観上、紛らわしく互いに混同を生ずるおそれがある商標といえる。また、本件商標と引用各商標の指定商品は、同一又は類似する商品である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同11号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1項の規定により、取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、「マジック」の片仮名文字と「MAGIC」の欧文字とを二段に併記した構成よりなるものである。

しかして、その構成中の「MAGIC」の欧文字は、「魔法、奇術」等の意味合いを有する語として、我が国においては、平易な英語として極めてよく知られており、また、「マジック」の読みをもって、すでに日本語化されている英語又は外来語であるといえる。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「マジック」の称呼及び「魔法、奇術、マジック」の観念を生ずること明らかである。

これに対し、引用各商標を構成する「MAGGI」及び「Maggi」の各文字は、「マギー」と称呼され、申立人の業務に係る商品「スープのもと(ブイヨン)」等について使用されて、我が国においても、「マギーブイヨン」と称されて、よく知られている商標と認め得るところである。

したがって、引用各商標は、それぞれ「マギー」の称呼を生じ、かつ、特定の語義を有しない一種の造語よりなるものと認められる。

申立人は、本件商標「MAGIC」の文字と引用各商標「MAGGI」又は「Maggi」の文字とは、外観上類似する旨主張しているが、両商標は、共に欧文字5文字という短い文字構成の中で、たとえ、語頭における「MAG」又は「Mag」の各綴り字を共通にするとはいえ、語尾における「IC」と「GI」又は「gi」の文字に、外観上の明確な差異を有するばかりでなく、加えて、上記したとおり、本件商標「MAGIC」及び「マジック」の文字(語)は、共に、日常、固有の意味合いをもって、広く一般に親しまれて使用されている英語又は外来語であるという事情をも併せ考慮すると、この差異が全体に与える影響は決して少さいものとはいえず、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても、取引者・需要者をして、外観上見誤るおそれのない別異の商標と見るのが相当である。

そうとすれば、本件商標と引用各商標は、それぞれの外観において十分に識別し得る商標といわざるを得ない。

さらに、両商標は、その称呼及び観念において、類似すると見るべき共通点は見いだし得ない。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても、非類似の商標と見るのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して、登録されたものではない。

(2)申立人提出に係る甲第6号証ないし甲第9号証によれば、引用各商標は、申立人の業務に係る商品「スープのもと(ブイヨン)」等を表示する商標として、本件商標の出願(平成16年1月8日)前より、取引者・需要者の間に広く認識されていた事実は認めることができる。

しかしながら、引用各商標の周知性を加味したとしても、本件商標と引用各商標は、その外観、称呼及び観念のいずれよりしても、類似しない別異の商標であることは、上記認定のとおりである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して、登録されたものとはいえない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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