Trademark Appeal Case
欧文字商標の称呼・外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90163(T2005−90163/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4827727号商標(以下「本件商標」という。)は,平成16年4月9日に登録出願,後掲(1)のとおりの構成よりなり,第9類「蓄電池用イオン交換膜,その他の蓄電池用隔膜,その他の電池用隔膜,その他の電池用部品」及び第11類「電気透析または拡散透析を利用した廃液処理装置,その他の廃液処理装置,電気透析または拡散透析を利用した浄水装置,その他の浄水装置」を指定商品として,同16年12月24日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は,平成10年10月7日に登録出願,後掲(2)のとおりの構成よりなり,第1類,第2類,第4類,第6類,第7類,第9類,第11類,第12類,第13類,第16類,第17類,第19類,第24類,第35類,第36類,第37類,第38類,第39類,第40類,第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品及び指定役務として,同16年4月30日に設定登録された登録第4768275号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり,また,指定商品も同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)引用商標は,重電,エネルギー,発電,鉄道関係において,世界的に著名なフランスを代表する企業であり、登録異議申立人(以下「申立人」という。)である「アルストム」社を象徴する商標として継続的に使用されており,日本においても,グループ企業として「アルストム株式会社」がハウスマークとして使用し、周知・著名なものとなっている。
してみれば,商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合には,申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)本件商標は,引用商標に酷似しており,かかる商標をその指定商品について使用することは,申立人の信用を不当に利用しようとするものであり,国際信義に反するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものである。
よって,本件商標の登録は,取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は,後掲(1)に示すとおりの構成よりなるものであるところ,やや図案化されてなるとしても,容易に「ASTOm」の欧文字よりなると把握されるものあるから,該構成文字に相応して「アストム」の称呼を生ずるものと認められる。
他方,引用商標は,後掲(2)に示すとおりの構成よりなるものであるところ,やや図案化されてなるとしても,容易に「ALSTOM」の欧文字よりなると把握されるものであるから,該構成文字に相応して「アルストム」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで,本件商標より生ずる「アストム」の称呼と,引用商標より生ずる「アルストム」の称呼とを比較するに,両称呼は,4音と5音という音構成の差異及び第2音目における「ル」の音の有無に明瞭な差異を有するものである。
そうとすれば,両称呼は,前記の差異を有することにより,これをそれぞれ一連に称呼した場合であっても,聴者に与える語調,語感が著しく相違し,称呼上相紛れるおそれはないものというを相当とする。
さらに,申立人は、本件商標と引用商標は外観上類似する旨主張しているが,両商標は,アルファベット5文字と6文字という文字の構成上の差異,第2文字目における「L」の文字の有無に加えて,共通する「A」「O」「M」(「M」の文字は、大文字と小文字で異なる。)の文字の態様が明確に相違するものであるから,両商標の構成上これだけの差異があれば,例え,時と所を異にして離隔的に観察した場合であっても,外観において,相紛れるおそれはないものというべきである。
加えて,本件商標と引用商標とは,ともに特定の観念を生じ得ない造語と見るのが相当であるから,両商標は,観念上比較し得ないものである。
してみれば,本件商標と引用商標とは,その外観,称呼及び観念のいずれからしても,何ら相紛れるところのない,非類似の商標である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)申立人は,「引用商標は,『重電,エネルギー,発電,鉄道(TGV)』関係において,世界的に著名なフランスを代表する企業である『フランス アルストム社』を象徴する商標として,本件商標の登録出願前より,取引者・需要者の間に広く認識されている商標である。」旨主張し,その著名性を証する資料として,甲第3号証ないし甲第5号証及び甲第8号証を提出している。
しかしながら,これらの証拠資料では,引用商標の著名性を証するに十分なものとはいえないばかりでなく,本件商標と引用商標とは,上記したとおり,何ら相紛れるおそれのない,非類似の商標であるから,本件商標をその指定商品に使用した場合,申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものでもない。
(3)本件商標は,その構成自体が矯激,卑猥,差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく,これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもない。
また,本件商標は,不正の目的をもって使用する商標とはいえないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものでもない。
(4)上記のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第7号,同第11号,同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものでないから,商標法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
なお,商標権者は,平成17年11月25日付けの上申書をもって,本件異議申立人から本件商標に関する譲渡交渉の申し入れがあったから,本件異議決定を暫時中止してほしい旨主張しているが,その後,相当の期間経過するも,何らの手続きもなされていないから,本件異議について,審理を進行することとした。
よって,結論のとおり決定する。
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