Trademark Appeal Case
称呼類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90218(T2005−90218/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4837107号商標(以下「本件商標」という。)は、「SPATONE」の欧文字を横書きしてなり、平成16年6月7日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年12月16日に登録査定、同17年2月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2722891号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和61年7月17日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年8月29日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標の指定商品は、「色合い」が重要な商品の要素となるものであるから、本件商標構成中の「TONE」の文字は、自他商品識別標識として機能できないものであり、「SPA」の文字部分が要部とされ、「スパ」と略称されることもあるといえる。また、引用商標の文字部分「SPA」は、本件商標の指定商品の分野で著名なものであるから、この点からも、本件商標は、「SPA」の部分をもって「スパ」と略称されるといえる。
したがって、本件商標と引用商標とは、「スパ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標であり、指定商品も互いに抵触している。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人の商標「Spa」は、ミネラルウォーター及び炭酸水について著名である(甲第4号証ないし甲第11号証)。
したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、当該商品が申立人又は同人と資本的に何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その出所の混同を生じさせるは必定である。
(4)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号について
「SPA」は、ベルギーの都市の名称であって、16世紀から知られた鉱泉がある。この都市は、温泉を意味する「スパ」の語源となったものであり、「名水の町」として知られていることからすれば、「SPA」は、少なくとも、本件商標の指定商品の需要者の間では、商品の産地を表示するものと捉えられる。そして、「TONE」は、自他商品識別標識として機能できないものであるから、本件商標は、自他商品識別力を欠く語の単なる組合せにすぎないものであって、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できない商標である。
また、「SPA」は、産地を表示するので、「ベルギー国産」以外の商品に本件商標が使用された場合には、当該商品がベルギー国産のものであるかの如く、その商品の品質について誤認を生じさせるは必定である。
(5)以上の理由から、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「スパトーン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「TONE」の文字部分が「色合い」の意味を表す場合があるとしても、かかる構成においては特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって不可分一体の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「スパトーン」の称呼のみを生ずるものであって、単に「スパ」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「スパ」の称呼をも生ずるものとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号について
上記したとおり、本件商標は、その構成全体をもって、特定の意味合いを認識させることのない一種の造語からなるものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、その指定商品中のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(4)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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