sokuhyo

Trademark Appeal Case

結合商標の識別力と称呼類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90248(T2005−90248/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4841872号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4841872号商標(以下「本件商標」という。)は、「沖縄スローフード」の文字を標準文字により表してなり、平成16年6月11日に登録出願され、第16類「雑誌,新聞」を指定商品として平成17年2月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4682142号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおり、カタツムリを描いた如き図形の下部に「Slow Food」の文字を横書きしてなる構成からなり、平成13年7月24日に登録出願され、第16類、第25類、第35類、第39類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成15年6月13日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標は、地理的名称を表す「沖縄」の文字にNPO運動の一つとして捉えられる「スローフード」の文字を付加してなるにすぎず、これをその指定商品に使用しても、自他商品を識別し、商品の出所を表示する機能を果たし得ないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。

(2)本件商標と引用商標とは、「スローフード」の称呼及び観念を同じくする類似の商標であり、又、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(3)申立人が提出した甲第1号証ないし同第12号証に示したとおり、「スローフード」の文字は、申立人及びその関連団体に係る「スローフード運動」を認識させ、又、申立人等は、「スローフード」に関する書籍を多数出版しているものである。

してみれば、「スローフード」の文字を有すること明らかな本件商標は、その指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

4 当審の判断

(1)本件商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「沖縄」の文字が日本最南端の県を指称するものであり、「スローフード」の文字がファーストフードに対抗し、消えてゆくおそれのある伝統的な食材や料理、質のよい食品を守ること、質のよい素材を提供する小生産者を守ること、及び、子供達を含め、消費者に味の教育を進めることを目的とした運動を指す語として知られているものであるとしても、本件商標は、全体として特定の意味合いを有する既成語として一般に親しまれているものとはいい難く、むしろ一種の造語として認識されるものであり、また、「雑誌、新聞」をその指定商品とするものである。そして、商品「雑誌、新聞」は、一般の書籍とは異なり、定期的に発行され、毎号、不特定の記事が掲載され内容を異にするものであることからすると、本件商標をその指定商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者が直ちに特定の記事を内容とするものであるという、商品の内容、品質を表示したものとして認識し理解するものとは認め難く、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというのが相当である。

してみれば、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない。

(2)本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、まとまりよく一体に表され、これより生ずる「オキナワスローフード」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものであり、全体として既成の親しまれた観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものであって、殊更「スローフード」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき特段の事情もないことから、「オキナワスローフード」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。

他方、引用商標は、別掲のとおり、カタツムリを図案化した如き図形と文字の組合せからなるところ、該図形と文字とは、常に一体不可分にのみ認識されるべき事情も見出し難いものであることから、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。そうすると、引用商標は、「Slow Food」の文字部分から「スローフード」の称呼及び観念を生ずるほか、「カタツムリ」の称呼及び観念をも生ずるものといえる。

しかして、本件商標から生ずる「オキナワスローフード」の称呼と引用商標から生ずる「スローフード」及び「カタツムリ」の称呼とは、構成音数の差、相違する音の音質の差異等により明らかに区別し得るものである。

また、本件商標と引用商標とは、その構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものであるし、両者の観念については比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)申立人は、「スローフード」に関する各種出版物を多数発行しており、「スローフード」に関する書籍は、申立人又は同人と何らかの関係を有する者によって出版されたものであるとの認識が定着していることから、本件商標をその指定商品に使用するときは、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者によって出版又は販売されているものであるかの如く、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるとして、証拠を提出している。

しかしながら、申立人の提出に係る証拠を徴しても、「スローフード」に関する出版物が直ちに申立人の業務に係るものとして認識されるものとは認め難いのみならず、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、引用商標ないしは「スローフード」の語が申立人の業務に係る商標として取引者、需要者間に広く認識されているものとも認められないから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはなく、該商品が、申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。