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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90273(T2005−90273/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4842360号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4842360号商標(以下「本件商標」という。)は、「ステッサ」の片仮名文字と「STESSA」の欧文字とを二段に書してなり、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年7月5日に登録出願、同17年3月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録番号第703699B号商標(以下「引用商標」という。)は、「STELLA」の欧文字を書してなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、1998年(平成10年)11月6日を国際登録の日とし、かつ、2003年(平成15年)12月23日を事後指定の日とするものである。

3 登録異議申立ての理由

(1)商標法第8条第1項について

本件商標より生ずる「ステッサ」の称呼と引用商標より生ずる「ステッラ」の称呼は、末尾において「サ」と「ラ」の音の差異を有するにすぎないものであって、いずれの称呼も、その前音である「テッ」にアクセントが置かれ、かつ、「サ」も「ラ」の音も母音「a」を共通にするものであるから、称呼上相紛らわしい商標といえる。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

(ア)申立人は、世界的に著名な元ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーの娘であり、かつ、服飾デザイナーとして有名なステラ・マッカートニーが設立した会社である(甲第3号証)。

引用商標は、本件商標の登録出願時はもとより今日も、申立人のハウスブランドである「STELLA McCARTNEY」(甲第4号証)及びその化粧品に使用する商標として、周知である(甲第5号証)。

申立人の商品を販売する小売店、百貨店は、全世界に約140ケ所あり、申立人は、ショップ(直営店)をニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ等に有している(甲第6号証)。申立人は、わが国においても、申立人の取り扱う商品「化粧品(香水)」をネット上で日本語で宣伝、広告をしている(甲第5号証、甲第7号証及び甲第8号証)。また、ファッション雑誌でも宣伝、広告をしている(甲第9号証ないし甲第11号証、甲第13号証ないし甲第20号証)。

申立人の製造販売に係る香水「STELLA」は、2003年9月13日に、フランスと日本で同時発売され、2005年5月までの日本での売上は33,968,000円に達している。

さらに、申立人は、引用商標を「化粧品・香水」について、世界約160ヶ国に登録出願している(甲第12号証)。

このように、日本市場において、引用商標は、本件商標の登録出願時には周知であった。

(イ)既述のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「化粧品」は、引用商標が使用される化粧品(香水)と類似する。

(ウ)したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」について、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(3)結び

よって、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1項により、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第8条第1項について

本件商標は、前記1のとおり、「ステッサ」の片仮名文字と「STESSA」の欧文字とを二段に書してなるものであるところ、上段の片仮名文字は、その下段の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識されることから、これより「ステッサ」の称呼を生じ、かつ、特定の観念を想起させない造語よりなるものと理解されるというのが相当である。

これに対し、引用商標は、前記2のとおり、「STELLA」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、「ステラ」と発音される女性名として、わが国においてもよく知られているものであって、このことは、申立人提出の甲各号証において、「STELLA McCARTNEY」を「ステラマッカートニー」と片仮名表記していることからも明らかといえる。

そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「ステラ」の称呼を生ずるものであって、女性の名を表したものとして理解されるものである。

そこで、本件商標より生ずる「ステッサ」の称呼と引用商標より生ずる「ステラ」の称呼とを比較するに、両称呼は、中間に位置する「テ」の音に促音を伴うか否かの差異に加え、末尾において、「サ」と「ラ」の音の差異を有するものである。

しかして、本件商標「ステッサ」の称呼は、上記のように、「テ」の音に促音を伴う関係から、該音が詰まるように一層強く発音されるのに対し、引用商標「ステラ」の称呼は、平坦になめらかに称呼されるばかりでなく、末尾における差異音「サ」と「ラ」の音は、母音(a)を共通にするとしても、それぞれの子音は、発音の方法等において著しく相違するものであるから、音質等において異なる音といえる。

してみれば、上記差異音が比較的短い音構成よりなる両称呼の全体に及ぼす影響は、大きいものがあるから、両称呼は、それぞれ一連に称呼した場合であっても、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、本件商標は、前記のとおり、造語よりなるものであるから、前記の観念を有する引用商標とは、比較することはできない。

さらに、本件商標と引用商標は、前記したそれぞれの構成より見て、外観上においても、十分に区別し得るものである。

以上によれば、本件商標と引用商標は、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても、非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものではないというべきである。

(2)商標法第4条第1項第10号について

申立人は、引用商標は、申立人の業務に係る商品「化粧品(香水)」ついて使用された結果、本件商標の登録出願前よりわが国においても、その需要者の間に広く認識されている旨主張する。

しかし、仮に、引用商標が申立人の業務に係る商品「化粧品(香水)」ついて使用され、本件商標の登録出願(平成16年7月5日)前より、わが国の需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点についても、非類似の商標と見るのが相当である。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「化粧品」について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものではない。

(3)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第10号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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