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Trademark Appeal Case

星形図形の類否と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90366(T2005−90366/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4857030号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4857030号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの緑色ベた塗りの星形図形よりなり、平成16年8月9日に登録出願され、第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,缶入りコーンスープ,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく,クロレラ又はキュウリを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル状・ソフトカプセル状・粉末状・棒状・ブロック状及び液体状の加工食品」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,茶,コーヒー及びココア,氷,みそ,角砂糖,果糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,酵母を主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル状・ソフトカプセル状・粉末状・棒状・ブロック状及び液体状の加工食品」及び第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として平成17年4月15日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する登録第4724846号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの黒色べた塗りの星形図形よりなり、平成14年7月3日に登録出願され、第30類「菓子及びパン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」を指定商品として平成15年11月7日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要約)

申立人は、本件商標は、その指定商品中、第29類及び第30類の全指定商品については、商標法第4条第1項第15号に該当し、取り消されるべきであるとし、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第17号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)引用商標の周知性について

申立人が営業展開するテイクアウト主体のファーストフード店である「PRET A MANGER」は、1986年に英国ロンドンで誕生以来、手作りサンドイッチを皮切りに、現在ではその他、すし、サラダ、スープ、パン、ケーキ、デザート、ヨーグルト、フルーツサラダ、スナック菓子、ジュース、コーヒー及び果物(以下「取扱商品」という。)等の商品も販売している。

当店舗の売り上げは、本件商標が出願された2004年には、約306億円に達し、英国では現在(2005年10月)、139店舗が営業している。又、1998年には、「Retail Brand of the Year」を受賞、又、2001年には、英国の雇用優良企業第10位に選ばれた実績を持つことからも明らかなように、英国における当店舗の認知度は、極めて高い。

そして、当店舗の外観、内装、商品の包装、メニュー、チラシ、広告及び従業員のユニフォーム並びに申立人のホームページやパンフレットには、「PRET A MANGER」又は、「PRET」の文字とともに、若しくは独立して、星形図形が商標として表示されていることから、ファーストフード業界及び「取扱商品」との関係において、「PRET A MANGER」及び星形図形は、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、本件商標の登録出願日以前より英国において著名であるばかりでなく、2005年現在、英国、米国(ニューヨーク)及び香港での店舗数は、150を超えており、何れも成功を収めていることから、諸外国の需要者間でも周知性を獲得していることは明らかである。

これらの国及び都市には、30〜300万人以上の日本人旅行者が毎年訪れており、当地を訪れる日本人の大半が足を運ぶ場所にある店舗により、「PRET A MANGER」及び星形図形は、申立人の業務に係る「取扱商品」又はファーストフード店を表示するものとして、日本人旅行者間における認知度も高まっているといえる。

又、申立人は、日本マクドナルドホールディングスとの共同出資により2002年9月〜2004年3月にかけて、都内に「PRET A MANGER」の店舗を出店したこともあり、その他、当店舗を取り上げたインターネット情報も多数検索されることから、「PRET A MANGER」及び星形図形は、申立人の業務に係る「取扱商品」又はファーストフード店を表示するものとして首都圏の需要者にも認知されていたことが容易に推測できる。

さらに、上記したとおり、諸外国における星形図形の周知性を認識している日本人旅行者及び首都圏内の需要者は、本件商標の指定商品の需要者と一致している。このため、引用商標は、申立人の業務に係る「取扱商品」及び役務を表示するものとして、我が国の需要者によって広く認識されていると判断してしかるべきである。

その他、申立人は、上記以外の国でも申立人の業務との混同を回避すべく、ブランド管理を行っており、著名な星形図形を欧州諸国が加盟しているCTMやシンガポールにおいて設定登録を受けている。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標とは、色彩が異なるものの、ともに星形図形であるため、両商標は、実質同一といえるものである。

そして、引用商標は、その指定商品中の「菓子及びパン,サンドイッチ,すし」及び本件商標の指定商品中の「乳製品,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,コーヒー及びココア,清涼飲料,果実飲料」について、申立人の業務を表示するものとして諸外国のみならず、我が国内の需要者においても、本件商標の登録出願日以前より、広く認識されている。

したがって、本件商標の指定商品の需要者は、本件商標がその指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずること明らかである。

4 当審の判断

申立人は、引用商標が「菓子及びパン,サンドイッチ,すし,乳製品,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,コーヒー及びココア,清涼飲料,果実飲料」について、我が国においても周知性を獲得しており、我が国の需要者においても広く認識されていると主張しているので、先ず、この点について判断する。

(1)外国における周知性

申立人提出の甲第3号証ないし同第10号証(枝番号を含む)を徴するに、2005(平成17)年10月時点で、英国では、139店舗とかなり大々的に事業を展開しており、引用商標は、英国内においては、申立人の「取扱商品」に係る商標として、それなりの周知性は想定しうるところであるが、一方、ニューヨーク及び香港では、それぞれ10店舗、8店舗と少ないことから、この程度では英国以外の国では、未だ、周知性を獲得しているものとは、到底認めることができないものといわざるを得ず、ほかにこれを認めうる証拠も認められない。一般に店舗数が必ずしも事業規模に比例するとはいえないところではあるものの、店舗がファーストフード店であることを考慮すると、店舗数と事業規模にある程度の比例関係を有することが容易に予想されるところである。

但し、上記店舗数は、2005(平成17)年10月時点でのインターネット検索情報(甲第3号証の3ないし同5)であって、本件商標の登録出願時である平成16年8月頃より1年以上後の情報であることを併せ考慮すると、本件商標の登録出願時においては、さらに店舗数が、少なかったことも十分に予想されるところである。

(2)我が国における周知性

申立人は、日本マクドナルドホールディングスとの共同出資により2002年9月〜2004年3月にかけて、都内に「PRET A MANGER」を出店したことがある、旨主張しているが、確かに、都内に日比谷シティ店として1号店がオープンしたことは、認め得る(甲第14号証ないし同第15号証の2)ものの、1号店に限らず、「PRET A MANGER」の我が国における事業継続期間は、申立人の主張からも明らかなように、上記した2002年9月〜2004年3月までの僅か1年半という非常に短い期間にすぎないものである。

因みにインターネット情報による調査によれば、平成15年7月時点で、首都圏を中心に12店舗を構えていたことが認められる(http://www.vege-fru.com/prov/webmaga/news/news_015.htm)ものの、これとて、事業継続期間及び店舗数のいずれをとっても引用商標の周知性を認めるに足るには到底至らず、しかも、本件商標の登録出願時である平成16(2004)年8月9日時点では、既に、我が国の店舗は全て撤退(2004.03.31事業撤退)していたものと認められるところである(http://yours.jugem.cc/?day=20040329及びhttp://www.mcd-holdings.co.jp/news/2004/release-040213.html)。

又、申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品・役務を表示する商標として需要者間に周知になっている英国、米国及び香港には、毎年30〜300万人以上の旅行者が訪れることにより、日本人旅行者の間における引用商標の周知度も高まっているとか、外国での商標権の取得状況を示し、ブランド管理を行っている旨、主張しているが、日本人旅行者が、当地で引用商標に接することがあるとしても、それは旅行者の一握り程度のものであって、これを以て、本件商標の登録出願時において引用商標の我が国における周知・著名度の証明にはなり得ないものであり、また、諸外国での商標権取得事実も、我が国における周知度とは何ら関連がないものである。その他、全甲号証によっても、本件商標の登録出願時において引用商標の我が国における周知・著名度の証明にはなり得ない。

以上よりすれば、引用商標は、我が国においても本件商標の登録出願時において、一般需要者間に申立人の業務に係る商品・役務について使用する商標として周知・著名であったとは認めることができない。

(3)本件商標と引用商標

本件商標及び引用商標は、別掲(1)及び(2)のとおりの星形の図形よりなるところ、これより、ともに「ホシ(星)」の称呼及び観念が生ずるほか、その外観も星形であって、両者は、称呼、観念及び外観のいずれにおいても類似する商標といわざるを得ず、又、両商標の指定商品は、いずれも非類似の商品と認められるものである。

(4)まとめ

以上よりすれば、本件商標と引用商標は、商標において類似するものの、引用商標は、申立人の業務に係る商品・役務について使用する商標として本件商標の登録出願時において、我が国において周知・著名であったとは認めることができないことから、本件商標を申立人の取消請求に係る指定商品に使用しても、申立人又はそれと何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所の誤認混同を生ずるおそれがあるものとは認めることができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということができない。

よって、商標法43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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