Trademark Appeal Case
図形類似と出所混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90418(T2005−90418/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4866718号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成16年10月5日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製宝石箱,貴金属製コンパクト,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ」を指定商品として、同17年5月27日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由の要点
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の(a)ないし(c)の登録商標を引用している。
(a)登録第1506782号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和52年5月31日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同57年3月31日に設定登録され、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品を18類「かばん類,スポーツバッグ,袋物,携帯用化粧道具入れ」とする書換の登録が平成14年9月25日にされたものである。
(b)登録第4165200号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成8年10月8日に登録出願、第14類「宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製バッジ,貴金属製バックル,メダル,ネクタイピン,ネクタイ止め,その他の身飾品(カフスボタンを除く。),記念カップ,時計バンド,ストップウォッチ,その他の時計」を指定商品として、同10年7月10日に設定登録されたものである。
(c)登録第1517131号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、昭和52年10月20日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同57年5月25日に設定登録され、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品を第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト,宝玉およびその模造品」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「頭飾品」とする書換の登録が平成15年6月25日にされたものである。
(以下、引用商標1ないし引用商標3を一括していうときは「引用商標」という。)
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)申立人は、「運動靴、運動用特殊靴」、「被服、運動用特殊衣服」等について世界的に著名な商標「NIKE」及び「SWOOSH」(スウッシュ)と呼ばれる引用商標1及び引用商標2、並びに両商標を結合した引用商標3の所有者である。
また、申立人は、引用商標1及び引用商標2を本件商標の登録出願前から現在に至るまで、その指定商品の一つである「時計」のカタログについて使用し、需要者に対して宣伝広告している。
さらに、引用商標1ないし引用商標3は、これと同一の標章が防護標章登録がされているものである。
以上に鑑みれば、引用商標1ないし引用商標3は、本件商標の登録出願前から現在に至るまで、我が国の需要者の間で著名であることは顕著な事実となっているというべきである。
(2)本件商標と引用商標について
ア 本件商標
本件商標は、図形と「omero」の欧文字よりなるものであるところ、その構成中の欧文字は特定の観念が生ずるものでもなく、また、図形部分と関連を有するものとして理解されるとの特別の事情があるものとも認められないから、全体として把握されるとしても、図形部分も需要者の注意を惹くことがあるといえる。
イ 本件商標と引用商標1及び引用商標2との対比
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、その図形の構成を全体的に捉えれば、いずれも、左上の端部から緩やかな弧を描くように幅が広がりながら左斜め下方向に伸び、そのまま緩やかな弧を描きながら右方向に向けて幅を狭めて終部で収斂させるように描いてなるものであるから、両者は、構成の軸を共通にする図形からなるものと評価すべきである。
そして、本件商標は、その指定商品中「時計、貴金属」等が商標を刻印することがしばしば行われ刻印が判別しにくいことを想定して、引用商標1及び引用商標2との類似性、商標の類否判断としての時と場所を異にする離隔観察をすべきである。
そうすると、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、図形の全体的な構成の軸を共通にする類似の商標と判断すべきである。
ウ 本件商標と引用商標3の対比
本件商標は、引用商標1及び引用商標2と全体的な構成の軸を共通にする図形とその内側に配置される欧文字の結合よりなるという点で、引用商標3とは商標全体の構成の軸を共通にする。
(3)出所の混同について
本件商標は、世界的に著名な引用商標1及び引用商標2と全体的な構成の軸を共通にする図形を有し、かつ、引用商標3とは商標全体の構成の軸を共通にするものであるから、これに接した需要者は引用商標3と全体的な構成が似通っているとの印象を受け、引用商標1及び引用商標2の図形と極めて近似した印象を受けるため、引用商標1ないし引用商標3を連想・想起することは明らかである。
3 むすび
以上よりすると、本件商標は、これをその指定商品である「時計」等に使用された場合には、申立人の商品、又は申立人と経済的関連性のある者の業務に係る商品と誤認し、出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当するものとして、その登録を取り消されるべきである。
第3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、語頭部一字がやや図案化して書されているとしても、「C」の欧文字を表したものと容易に理解できるものといえるものであり、また、語頭部の欧文字一字に続く各欧文字の下部等に装飾的線を施すことは普通に行われているものであるから、本件商標の語頭部の「C」の下部に連結して施された線状部分も装飾線の一類型とみるのが相当である。
加えて、本件商標は、「C」の文字部分が「omero」の欧文字と比較して大きさが異なるとしても、全体として両語が結合した「Comero」の欧文字を表したものと把握され、極めて一体感の強い構成からなっているものであって、該装飾線部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事由は見い出せないものであるから、本件商標は「Comero」の文字全体に相応して「コメロ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
そうとすれば、引用商標の図形が「NIKE」あるいは「SWOOSH(スウッシュ)」と呼ばれる図形商標として、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「運動靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」等を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、また、申立人が引用商標を商品「時計、貴金属」等に使用していたとしても、本件商標と引用商標とは、その視覚的印象を全く異にする別異の商標であり、かつ、申立人の業務に係る上記「運動靴、運動用特殊靴、運動用特殊衣服」等と本件商標の指定商品とは、生産者、販売店、需要者等を異にする非類似の商品であることをも併せ考慮すれば、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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