Trademark Appeal Case
語頭音の差異と称呼の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−90459(T2005−90459/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4869584号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナノクリア」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成16年8月31日に登録出願、第7類及び第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年5月10日に登録査定、同年6月3日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4670506号商標(以下「引用商標」という。)は、「ノクリア」及び「nocria」の文字を二段に書してなり、平成14年9月13日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年5月9日に設定登録されているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、片仮名文字よりなるから、「ナノクリア」の称呼、引用商標は、「ノクリア/nocria」との二段書きよりなるから、「ノクリア」の称呼が生じ、本件商標と引用商標の称呼のうち「ノクリア」が同一であるから、類似する商標である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として、広く一般に知られている(甲第1ないし同第50号証)から、これと類似する本件商標が使用された場合、商品の出所について誤認・混同を生ずるおそれがある。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、本件商標の指定商品中、第11類の商品について、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と申立人が称呼類似を主張している引用商標との称呼の類否について判断するに、それぞれの構成文字により、本件商標は、「ナノクリア」の称呼、引用商標は、「ノクリア」の称呼を生ずるものと認められる。
そして、本件商標の構成中、「ナノ」の文字は、「10億分の1を表すSI(国際単位系)接頭語」(現代用語の基礎知識2004/1274頁)であり、最近では、超微細な世界で原子や分子を操作し、加工応用する技術を「ナノテクノロジー」や「ナノテク」と称している事実がある。
そうすると、本件商標「ナノクリア」の称呼と引用商標「ノクリア」の称呼が語頭音の「ナ」の音の有無のみとはいえ、該差異音は、語頭に位置し、明瞭に称呼され、短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、全体の語調・語感を異にし、彼此相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標が、第11類の商品について取引者・需要者間に広く認識されている旨主張しているが、甲第4ないし同第50号証により、ルームエアコンについて使用していることが認められるとしても、上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標である。
そうとすれば、本件商標は、その指定商品に使用した場合、申立人の引用商標又は申立人の使用商標を連想、想起させるものとはいえないから、本件商標は申立人又は申立人と経済的、組織的な関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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