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Trademark Appeal Case

菓子の「デコレ」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−2300(T2004−2300/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「デコレ」の片仮名文字と「DECORER」の欧文字を二段に併記してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成15年3月25日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要旨)

原査定は、「本願商標は、その構成中の『DECORER』の文字部分が『飾ること、例えば、ケーキを生クリームで飾るなど、料理や菓子をいろいろの方法で美しく仕上げること』を意味する仏語であり、『デコレ』の文字部分は『DECORER』の文字の表音である。菓子関係の専門事典において『デコレする・・洋菓子分野では、飾るというよりデコレするという方が一般的。』という記載があることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、全体として『飾る、美しく仕上げられた』の意味合いを容易に認識させるにすぎず、これに接する取引者、需要者が、何人かの業務に係る商品であるかを認識できないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の1.及び2.の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。

1.「デコレ」及び「DECORER」の語は、本願指定商品の分野では、「仕上げに飾りつけをすること。飾りつけのこと。」を意味するものであることを証する事実

(1)「decorer」(第2文字目の「e」の上部に「 ́」が付してある。)の項目として、「1・・・を飾る、装飾する。(略)6[料理]・・・に飾付けをする、に彩りを添える。」との記述。(小学館ロベール仏和大辞典 株式会社小学館、1999年4月10日発行)

(2)「decorer[デコレ]」(第2文字目の「e」の上部に「 ́」が付してある。)の項目として、「菓子の外観をチョコレート、砂糖漬け果物、グラス・ロワイヤルなどで美しく仕上げる、飾りつけをする。」との記述。(仏英独=和 洋菓子用語辞典 株式会社白水社、1990年1月28日発行)

(3)「デコレ[仏 decorer(第2文字目の「e」の上部に「 ́」が付してある。) 英 decorate]」の項目として、「飾ることをいう。ケーキを生クリームなどで飾るなど、料理、菓子をいろいろの方法で美しく仕上げること。」の記述及び「デコレーション[英 decoration]」の見出しのもと、「飾りつけのこと。→デコレ」との記述。(料理食材大事典 株式会社主婦の友社、平成10年1月20日発行)

(4)「デコレ[仏 decorer]」(第2文字目の「e」の上部に「 ́」が付してある。)の項目として、「飾ること。料理の仕上げの際にいろいろ飾ること。」の記述。(改訂 調理用語辞典 社団法人 全国調理師養成施設協会編集、平成11年4月2日発行)

(5)「ケーキ用語集」の「【デコレ】仏語decorer」の項目として、「菓子の外観を美しく仕上げること。飾り付けること。英語のデコレーション。」との記述。(http://www.cakepia.info/cooking/word/)

(6)「ケーキ用語集」の「デコレ (decorer)フランス語」の項目として、「クリームなどを絞り製品としての飾りをすること。」との記述。(http://www.sweet-cafe.jp/cake/yougo/ta.html)

2.「デコレ」の語が、上記1.の意味合いで一般に使用されていることを証する事実

(1)「ハスカップお誕生日ケーキ」の見出しで、「はすかっぷケーキはしっとりとしたスポンジケ−キにはすかっぷクリ−ムを2層にサンド,はすかっぷジャムでハ−ト形にデコレ、特製ホワイトチョコで仕上げを致しました。」との記述。(http://www.kishindo.co.jp/birthday.htm)

(2)「はすかっぷお誕生日ケーキの出来るまで」の見出しで、「〜その4〜 特製ホワイトチョコを全体にかけて、サイドにデコレ用のホワイトチョコを付けています。〜その6〜 花・おたんじょうびおめでとうのオーナメントを飾り・さいごデコレの所です。」との記述。(http://www.kishindo.co.jp/cakemake.htm)

(3)「楽しいお教室の生徒さん達」との見出しで、「特別イベントとしての講習会 テーマ「5万円のデコレーションケーキ」と題して 銀座ピエスモンテ(超高級パティスリー) グランシェフ 鵜沢寿博氏 シェフ 長谷川俊也氏 お二人の講師をお招きしてデコレの勉強を致しました。」との記述。(http://www.bekkoame.ne.jp/~takarie/seitotati.html)

(4)「マスカルポーネのチーズケーキ 300円」の見出しで、「マスカルポーネチーズを使ったクリーミーなスフレタイプ上にブルーベリー、フランボワーズ、イチゴをデコレ。」との記述。(http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/sweets/okayama/sharurot/)

(5)「神戸洋菓子カフェテラス 提供&販売ケーキ紹介 江崎サロン・プレステージ シュガーデコレーションケーキ」の見出しで、「1週間洋酒に漬けたドライフルーツをたっぷりと使用したオリジナルのフルーツケーキをシュガーペーストでカバーし、砂糖菓子でデコレした英国生まれのケーキです。」との記述。(http://www.kfo.or.jp/gourmet/2003/yougashi/)

(6)「大丸屋菓子舗」の見出しで、「いろんなキャラクターをケーキにデコレします。 ( 別料金 )」との記述。(http://www.takahata.or.jp/ippin/daimaruya.html)

(7)「シャルロット・オ・マロン」の見出しで、「表面を粉砂糖とチョコレートマロンでデコレするだけで初秋のケーキに早代わり。」との記述。(http://www.la-patisserie.jp/column/index.html)

第4 職権証拠調べに対する意見の要点

請求人(出願人)は、「本願商標は、明朝片仮名活字体で『デコレ』と横書し、その下に明朝ローマ字活字体で『DECORER』と横書し、第2文字目の『E』の上部に『 ́』は付していない。 また、証拠調べ通知書2.(1)ないし(7)に示された『デコレ』は『デコレする』又は『デコレした』という意味の動詞的又は形容詞的使用であり、特定のケーキを指称する商標ではないので、本願商標は商標法第3条第1項第6号には該当しない。」旨主張している。

第5 当審における判断

本願商標は、「デコレ」の片仮名文字と「DECORER」の欧文字を二段に併記してなるところ、構成中の「デコレ」及び「DECORER」の語が本願指定商品を取り扱う分野においては、「仕上げに飾りつけをすること。飾りつけのこと。」を意味する語として認識されており、かつ、そのような意味合いで一般に使用されていることは前記第3の1.及び2.に挙げたとおりである。

請求人(出願人)は、「本願商標構成中の『DECORER』の第2文字目に『 ́』は付していない」旨述べているが、正式な仏語としての使用方法では「 ́」(アクサン・テギュ)が必要なものであるとしても、例えば、前記第3の1.(5)の使用例のように「 ́」が省略されている事例もあり、我が国における仏語の普及度等を考慮するに、本願商標に接する取引者、需要者が、「 ́」の有無により、該語の有する意味合いが相違すると認識するものとはいい難く、むしろ、「 ́」の有無にかかわらず、該語は「仕上げに飾りつけをすること。飾りつけのこと。」の意を有しているものと認識するというべきである。

さらに、請求人(出願人)は、「証拠調べ通知書2.(1)ないし(7)に示された『デコレ』は『デコレする』又は『デコレした』という意味の動詞的又は形容詞的使用であり、特定のケーキを指称する商標ではない」旨述べているが、商標が自他商品識別力を有するか否かについては、取引者、需要者がその商標をどのように認識するかという観点から判断すべきものであって、その商標が動詞的又は形容詞的使用であることは直接問題とはならないというのが相当である。

そして、本願指定商品の分野においては、「デコレーションケーキ」(クリームやチョコレートで美しく飾った大型のケーキ)のような和製語も存在するのであり、前記第3の1.(3)及び(5)にもあるように「デコレーション」と「デコレ」は同義であると解されている事例からも、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標全体から「飾りつけられた」という程度の意味合いを認識するに止まり、何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものというのが相当である。

また、請求人(出願人)の所有にかかる登録第4189593号商標は、本願商標と称呼において類似するとしても、欧文字部分の有する意味合いが相違するものであるから、登録第4189593号商標の存在が本願商標の登録の可否に影響を与えるものではない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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