結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2004−89078(T2004−89078/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4669255商標(以下「本件商標」という。)は、「モレアンシン」の片仮名文字を横書きしてなり、第29類「カボチャ種子エキスとノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」を指定商品として、平成14年9月4日に登録出願、同15年5月9日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4682665号商標(以下「引用商標」という。)は、「モレ安心」の文字を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成14年9月4日に登録出願、同15年6月20日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録は、これを無効とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標と引用商標につき、以下のように「商標の類否」「指定商品の類否」及び「出願日」について対比検討する。
(ア)商標の類否について
本件商標からは「モレアンシン」の称呼を生じ、他方、引用商標からは「モレアンシン」の自然称呼を生じるものであって、両商標は、全く同一の称呼を生じるものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼を同じくする類似の商標である。
(イ)指定商品の類否について
本件商標の指定商品「カボチャ種子エキスとノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」は、第29類に属するものであって、第29類を全類指定とする引用商標の指定商品中に全て含まれるものである。
したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を包含するものである。
(ウ)出願日について
本件商標の出願日は、「平成14年9月4日」であり、他方、引用商標の出願日は同じく「平成14年9月4日」であって、両商標は、明らかに出願日を同じくするものである。
したがって、本件商標は、引用商標と同一の商品について使用する類似の商標で、かつ、同日に出願されたものであるから、商標法第8条第2項の規定によりその登録を受けることができないものであり、その登録は、同法第46条第1項第1号の規定により、無効とすべきである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、乙第1号証を提出するとともに、本件商標に係る「指定商品」と引用商標に係る「指定商品」とは、類似しない商品であるから、本件商標は、商標法第8条第2項の規定に該当しない旨、主張している。
しかしながら、被請求人の主張は、以下の理由により容認し得ないものである。
(a)商標法施行令の第1条別表には、主として機能又は用途主義、材料主義をもとに「第29類」に属する商品の目安として「動物性の食品及び加工した野菜その他の食用園芸作物」が挙げられ、「動物性の食品及び野菜その他の食用園芸作物であって、食用又は保存用の処理がなされたもの。」であることが明定されているものである。
そして、上記商標法施行令第1条の規定により「商品及び役務の区分に属する商品又は役務」は、商標法施行規則第6条の別表1に明示され、これに対応して、乙第1号証に係る「商品及び役務の区分に基づく類似商品・役務審査基準」が作成されているものである。
(b)ところで、上記商標法施行規則第6条の別表1に記載された「第29類」に属する具体的商品は、その区分に属するすべての商品を規定したものでは決してなく、あくまで「例示商品」にすぎないものであって、第29類に属する商品は、「動物性の食品及び野菜その他の食用園芸作物であって、食用又は保存用の処理がなされたもの。」と規定する商標法施行令第1条の法意に基づいて解釈されるべきものである。このため、例えば、「クロレラを主原料とする粒状の加工食品」のごとき、いわゆる「健康食品」については、商標法施行規則第6条の別表1には何ら記載されていないものである。
しかしながら、例えば、登録第4336261号商標(甲第2号証)は「クロレラの粉末を主材料とした錠剤状の加工食品、乳製品」を指定商品として登録されたものであり、かかる指定商品中「クロレラの粉末を主材料とした錠剤状の加工食品」については、商標法施行規則第6条の別表1中には記載されていないものであるが、「第29類に属する商品」であると認定されているものである。
同様に、登録第2186675号商標(商公昭64一19399号)(甲第3号証)においても、「クロレラエキスを乾燥して顆粒にした加工食料品」を指定商品として登録されており、かかる指定商品「クロレラエキスを乾燥して顆粒にした加工食料品」についても、商標法施行規則第6条の旧別表1には何ら例示されていないものであるが、旧第32類に属する商品として明確に認定されているものである。
してみれば、上記「クロレラの粉末を主材料とした錠剤状の加工食品」及び「クロレラエキスを乾燥して顆粒にした加工食料品」のごとき、いわゆる健康食品は、商標法施行規則第6条の別表1及び同旧別表1には例示されていないものであるが、明らかに「第29類」「旧第32類」に属する商品であることは明白である。
(c)そこで、本件商標の指定商品を見るに、その指定商品は「カボチャ種子とノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」であり、明らかに第29類に属する商品である。
これに対し、引用商標の指定商品は第29類に属する商品を全類指定して登録されたものである。
してみれば、本件商標の指定商品「カボチャ種子とノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」が新たに新設された商品であるならともかく、甲第2号証と同様に、第29類に属する商品として、従来より審査実務の段階においても認識され、また、実際の審査においても明確に認定されている以上、引用商標の指定商品に含まれるとするのが極めて自然、かつ、妥当である。
(イ)なお、乙第1号証には、「いわゆる健康食品として採用した第29類『クロレラを主原料とする粒状の加工食品』は、例えば、第29類の『加工野菜及び加工果実』のように『32F04』等のコ−ドのみが付されている商品とは類似しないものとします。」旨、記載されているが、上記のいわゆる「健康食品」のコードは、暫定的に設けられた仮のコードであり、あくまで同一のコードが付されたものの相互の関係は、必ずしも類似と推定されるものではなく、あくまで各商品の類似関係は、商標法の法意に基づき個別・具体的に判断されるべきものであること、明らかである。
してみれば、本件商標の上記「指定商品」は、「動物性の食品及び野菜その他の食用園芸作物であって、食用又は保存用の処理がなされたもの。」と規定する商標法施行令第1条別表の法意に基づき規定された商標法施行規則別表1記載の第29類に属する商品を全類指定する引用商標の指定商品に含まれ、いずれかの商品と同一又は類似するものであるとするのが極めて自然で、かつ、妥当である。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
請求人の主張は、本件商標と引用商標とは、(a)称呼を同じくする類似商標である。(b)指定商品の一部と同一である。(c)出願日を同じくするものである。
よって、本件商標は、商標法第8条第2項の規定に該当し、同法第46条第1項第1号の規定により、無効とすべきであるという。
しかしながら、その主張は、以下のとおり、理由がないものである。
もしも、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品の一部と同一又は類似であるとするならば、引用商標も商標法第8条第2項の規定に該当することとなり、無効とされるべきものであるといわなければならない。
しかるに、本件商標と引用商標とは、ともに登録されていることは、両商標の指定商品は、互いに非類似であるということである。
すなわち、本件商標の指定商品、第29類「カボチャ種子エキスとノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」は、引用商標の指定商品、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」に類似しない。
このことは、平成13年12月7日、社団法人発明協会発行の特許庁商標課編「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準〔国際分類第8版対応〕の第196頁の第6行目ないし第11行目の(2)いわゆる健康食品の類似群コード(乙第1号証)の記載からきわめて明らかである。
この乙第1号証には、「いわゆる健康食品として採用した第29類の『クロレラを主原料とする粒状の加工食品』は、第29類の『加工野菜及び加工果実』とは類似しない。」との類似商品・役務審査基準が明記されている。
本件商標の指定商品は「カボチャ種子エキスとノコギリヤシエキスを主原料」とし、これを「錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化」した「加工食品」であって、乙第1号証の類似商品・役務審査基準に示されている、いわゆる健康食品に該当する商品であって、引用商標の指定商品には類似しないものである。
上記のとおり、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品とは非類似の商品であることから、たとえ、商標が同一又は類似であって、同日出願であるとしても、本件商標は、商標法第8条第2項の規定には該当しないものであること明白である。
(1)本件商標と引用商標は、前記のとおりの構成よりなるものであって、本件商標は、引用商標とは、外観の相違を考慮しても、「モレアンシン」の称呼及び「漏れ安心」の観念を共通にする類似する商標といえるものである。
しかして、本件商標の指定商品「カボチャ種子エキスとノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」のような、「主原料及び形状表示からなる加工食品」は、いわゆる、一般に健康食品あるいは栄養補助食品の1つといわれる商品であって、「現代商品大辞典 新商品版」(昭和61年10月18日東洋経済新報社発行、「薬品型健康食品」の項)によれば、「錠剤やシロップ、粉末等のように、通常の食品の形態とは異なり、薬品的な形態をもった健康食品の一群である。・・・これらの商品は、成人の健康イメージにアピールするために、あるいは通常の食品の形態を取りにくいために薬品的形状をしている商品ということができる。・・・いわゆる健康食品の主流商品である、ローヤルゼリー、きのこ粉末、花粉、高麗にんじんエキス、クロレラ粉末、スピルリナ粉末、若葉ジュース、びわの葉、梅肉エキス、たんぽぽエキス、胚芽油、大豆レシチン、ごま油、深海鮫エキス、スッポンの血液、オットセイエキス、寿草エキス、にんじんカロチン、ローズビタミン、かき殻粉末、骨粉、有機ゲルマニウム、等多種多様な商品が販売されている。・・・薬品的な形状をしているため、健康食品専門店やスーパー、デパート等の専門コーナー、訪問販売等でセールストークにより売られることが多いが、形態が普通の食品と著しく異なるので、消費者の値頃感がないため数十万円程度の高額な取引もあり、そのため消費生活センター等で苦情処理が行われることも多い。・・・」と解説されているように、本件商標の指定商品のごとく、「○○エキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル状に加工した食品」は、見かけこそ医薬品のごとき外観、形態を呈しているものとはいえ、いわゆる、健康食品あるいは栄養補助食品の1つとして、食品市場の流通に供されている商品といえるものである。
さらに、「総合食品事典 ハンディ版」(株式会社同文書院発行、平成10年4月5日第六版新訂版第5刷発行「健康食品」の項)の解説によれば、「通常の食品より積極的な意味での保健、健康維持・増進などの目的をもった食品、または少なくともそうした効果を期待させる食品への消費者の関心は高くなっているが、商業・産業的用語であって、いわゆる学術的用語ではない。自然食品、保健食品などの用語も広義には健康食品として使われている。昭和40年ころから健康食品と称する食品が市販されるようになり、近年はその種類が大変に増加し、およそ1,000種類もあるといわれている。非常に種類が多いが、大別すると、ダイエット食品、美容食、栄養補助食品、各種の効能を目的とした食品、自然食品、無添加食品などがある。厚生省では『栄養成分を補給し、または特別の利便の用途に適するものとして販売の用に供する食品』と定義付けている。日本健康・栄養食品協会が自主規制を設けている。」と記述されている。
(2)前記の大辞典及び辞典類を総合勘案すれば、本件商標の指定商品「カボチャ種子エキスとノコギリヤシエキスを主原料とする錠剤状・顆粒状・粒状・カプセル化した加工食品」は、通常の食品の形態とは異なり、薬品的形態をもった、いわゆる、健康食品、あるいは栄養補助食品の1つとして食品市場の流通に供せられる商品と位置づけられるべきものであり、その形態よりして、健康食品専門店や、スーパー・デパート等の専門コーナー、通信販売、訪問販売等で売られる商品といえるものである。
そうとすれば、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」とは、商品の性質、原材料、製法及び生産系統並びに販売系統を著しく異にする商品というべきであるから、本件商標と引用商標の両商品は、互いに非類似商品と解するのが相当である。
加えて、被請求人の提出に係る乙第1号証「『商品及び役務の区分』に基づく類似商品・役務審査基準」によれば、「(2)いわゆる健康食品の類似群コードとして、『いわゆる健康食品として採用した第29類「クロレラを主原料とする粒状の加工食品(32F01 32F02 32F03 32F04)」、第30類「食用プロポリス(32F01 32F02 32F03 32F04)」は、互いに類似する商品として取り扱いますが、例えば、第29類の「加工野菜及び加工果実」のように「32F04」等のコードのみが付されている商品とは類似しないものとします。』」旨の説明がされ、かつ、実務運用されているところである。
(3)むすび
したがって、本件商標は、引用商標とその登録出願日を同じくするとしても、前記したとおり、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品とは、非類似の商品といわざるを得ないから、商標法第8条第2項の規定に違反して登録されたものではなく、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
なお、請求人は、「本件商標の指定商品は、『動物性の食品及び野菜その他の食用園芸作物であって、食用又は保存用の処理がなされたもの。』と規定する商標法施行令第1条別表の法意に基づき規定された商標法施行規則別表1記載の第29類に属する商品を全類指定する引用商標の指定商品に含まれ、いずかの商品と同一又は類似するものであるとするのが極めて自然、かつ、妥当である。」旨主張しているが、商標法第6条第2項は、「政令で定める商品及び役務の区分は、商品又は役務の類似範囲を定めるものではない。」旨、規定しているところであり、本件については、上記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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