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Trademark Appeal Case

周知商標と結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成4年審判第13499号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおり、「GAUFRE RITZ」の欧文字及び「ゴーフルリッツ」の片仮名文字を上下二段に表してなり、第30類「菓子、パン」を指定商品として、昭和62年5月8日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原審において、登録異議の申立てがあった結果、原査定は、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当する旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「GAUFRE RITZ」、「ゴーフルリッツ」の各文字よりなり、菓子等を指定商品をとするものであるところ、これに接する取引者、需要者は、構成中の「GAUFRE」及び「ゴーフル」の各文字部分を請求人(商標登録出願人)の取扱いに係る菓子製品の周知表示(商標)と理解し得る場合があるほか、意味上において、その構成を常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情は認められない。

そこで、「RITZ」、「リッツ」の各文字に関し、原審において登録異議申立人(「ナビスコ インコーポレーテッド」及び「ヤマザキ・ナビスコ株式会社」、以下、各々を「申立人A社」、「申立人B社」という。)の提出に係る各証拠についてみるに、以下の各点が認められる。

▲1▼ 申立人A社の提出に係る甲第1号証(申立人B社に係る陳述書)によれば、申立人A社は米国ニュージャージー州在の会社であって、同人の製造、販売に係るクラッカー、ビスケットは、「RITZ」、「リッツ」の商標(以下、これらを「RITZ商標」という。)の下、昭和46年以降今日まで永続的にわが国に輸入され、販売されていた。また、その販売実績は、数量にして、当初より毎年約180万ケースから200万ケースあり、販売高は当初の20億円から順次額を増して昭和60年前後においては40億円を超える状況であったこと。

同じく、甲第2号証乃至甲第7号証は、業界団体である社団法人全国ビスケット協会のほか、経済関連2業者、三菱商事株式会社、株式会社明治屋、ニチメン株式会社に係る当該担当者による証明書であるが、同書面によれば、申立人A社に係るクラッカー、ビスケットは、申立人B社を通して昭和46年以降積極的かつ広範にわが国において販売されていて、その使用に係るRITZ商標は、昭和62年当時、取引者、需要者の間において周知著名であった状況を十分窺わせるものであること。

同じく、甲第8号証乃至甲第20号証は、昭和51年から同62年にかけて発行された「フードニュース」、「小売経済新聞」なる業界新聞又は業界関連経済紙の切り抜き記事であって、これら新聞広告に、RITZ商標の下、申立人B社に係るクラッカーが屡々掲載されたこと。

▲2▼ 申立人B社の提出に係る、甲第1号証の1乃至甲第2号証の2によれば、申立人A社は、わが国において早くからRITZ商標を菓子類の商品分野において商標登録し(商標登録第415766号,商標登録第997283号)、その使用権の確保等防護策を講じていたこと。

同じく、甲第4号証は、申立人B社に係る’88年版入社案内であって、当該文面によれば、同社はアメリカのR.J.R.ナビスコ社と山崎製パン株式会社及び商社であるニチメン株式会社の3社により昭和45年に興された会社であって、操業当初よりRITZ商標に係る菓子製品の製造及び輸入販売を業とする者であったこと。

同じく、甲第5号証乃至甲第10号証は、申立人B社に係る「RITZ」(リッツ)製品の事業広告関連の印刷物(抜粋)及び’84年版入社案内(抜粋)であるが、これら印刷物によれば、昭和46年から同63年までの間の「RITZ」(リッツ)製品に関するT.V.C.M.(テレビコマーシャル)の変遷の状況が時々のいわゆるイメージキャラクターとして採用されていた女優の大原麗子、星野知子、後藤久美子、沢口靖子等の人物写真(又は映像写真)と共に解説・紹介するものであって、同社が当初よりT.V.C.M.(テレビコマーシャル)による広告活動を重視し、また、時々の著名な女優・タレントを登場させて製品イメージの高揚を図っていたこと。

以上、認定した各点を総合すると、本願商標の出願時である昭和62年当時はもとより(現在も同様であって、その客観的状況を否定するに足りる証拠はない。)、それ以前においてすでに、RITZ商標は、日本国内において、申立人A社又は申立人B社の製造、販売に係るクラッカーの商標として、この種菓子製品の分野の取引者、需要者間において広く認識せられていたものと認められる。

そして、本願商標にあって、後半の「RITZ」及び「リッツ」の各文字部分は、申立人A社又は申立人B社に係る前記認定のRITZ商標と同一と認められるものであり、かつ、本願の指定商品は、申立人両社に係る商品(「クラッカー」)と同種商品であって、販売場所、需要者層の範囲等の流通事情を共通にするものといえる。

そうすると、本願商標をその指定商品(「菓子、パン」)について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、請求人に係る周知表示(商標)というべき前半の「GAUFRE」及び「ゴーフル」の各文字部分と同様に、それと同程度の注意力をもって、後半の「RITZ」及び「リッツ」の文字部分に着目し、RITZ商標を連想、想起するとみるのが相当であり、したがって、該商品が申立人A社又は申立人B社若しくは申立人両社と請求人会社との事業提携に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれが少なからずあるいわなければならない。

請求人は、請求の理由において、一連一体からなる本願商標は結合態様において別の意味を有することになり、識別力においても別のものであるとして、「RITZ」、「リッツ」の各文字を抽出すべきでない旨述べているが、「GAUFRE」、「ゴーフル」と「RITZ」、「リッツ」の各文字とは、それぞれ何ら結びつくべき必然性を有するものでなく、並べられることにより新たに独自の観念を生ずるものとはいえないから、常に一体的に把握されるものとはいい難く、したがって、その主張は採用の限りでない。

してみれば、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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