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Trademark Appeal Case

オリーブの記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成6年審判第19112号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に示すとおり「THE OLIVE」の欧文字と「ザオリーブ」の片仮名文字とを上下二段に表記してなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」(なお、願書記載の指定商品中「加工果物」は、商標法施行規則別表に照らし前記商品の明瞭な記載の誤りと認め、以下、審理する。)を指定商品として、平成4年11月27日に登録出願されものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、本願商標は果実を食用とするオリーブを表すものと認識される「THE OLIVE」「ザオリーブ」の文字を二段に書してなるにすぎないものであるから、これを本願指定商品中、例えば「オリーブの酢漬け、オリーブ油」に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する旨認定し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、その構成別紙に示すとおり「THE OLIVE」、「ザオリーブ」の文字よりなるところ、構成中、冒頭の「THE」、「ザ」の各文字部分は、一般に英語の定冠詞(the)として容易に理解されるものであって、元来、それ自体に格別の意味合いはなく、専ら他の語に冠して、例えば「THE伊豆新島秘伝焼くさや」、「THE北海道・鮭トバスティック」等の如く、それを特定し又は強調する意味合いの語として理解されるといえるものである。

また、構成中の「OLIVE」、「オリーブ」の文字(語)は、一般に「未熟の果実を塩づけとして食用にするほか、果実からオリーブ油をとる。」の意味合いで理解される平易な英語又は外来語と認められる。しかして、該「オリーブ(olive)」の食品分野における取引事情をみるに、例えば、調理用語辞典(社団法人全国調理師養成施設協会平成4年3月3日第一版第10刷発行)によれば、「・・・地中海沿岸地方が原産の温暖乾燥の地に適する果樹で、とくにスペイン、イタリア、ギリシャなどでは重要な農産物となっている。わが国では香川県小豆島で作られる。・・・果実は、品種によって形状が異なり、大きさも1〜15gくらいまである。・・・若い緑黄果は緑果塩蔵(グリーンオリーブ)用やスタッフドオリーブに、紫黒色に熟したものは熟果塩蔵(ライプオリーブ)用にするほか、含油量が多いので採油する。グリーンオリーブは塩味と渋味がやや強く、ライプオリーブは穏やかな風味を持つ。どちらもオードブルやサラダなどに使われる。」旨の記述が認められ、或いは、朝日新聞社1999年1月1日発行の知恵蔵の「プレミアム油」の項によれば「べに花、コーン、キャノーラ(菜種)、オリーブ、綿実、ゴマ、ひまわりなど、単一の原料名をそのままうたう食用油脂のこと。・・・オリーブ油は、生、加熱を問わず、地中海料理に合う。・・・」との記述にみられるように、一般に食品に関して「オリーブ(olive)」といえば「オードブルやサラダの食品素材としてのオリーブ果実又はそれから採油したオリーブ油の原材料」を指称するものとして容易に理解、認識させるものといえる。

そうとすると、「OLIVE」、「オリーブ」の各文字にそれぞれ「THE」、「ザ」の文字を冠してなる本願商標からは、全体として、当該食品素材ないしは採油原料を特定し又は強調したものと理解されるほか、これらの文字が結合されたことより、全体として特定の意味合いを看取しない造語を形成するともいえないものであるから、これをその指定商品中、緑果塩蔵オリーブ、熟果塩蔵オリーブ、スタッフドオリーブ等のオリーブ食品及びオリーブ油について使用した場合、これに接する需要者は前記事情よりして、その原材料、品質を表示したものと理解するに止まり、商品の出所を識別するための標識とは認識し得ないものといわなければならない。また、オリーブ果実を主原料としない食品又は食用油脂に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものというべきであるから、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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