sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2004−31113(T2004−31113/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3183947号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおり、四角形の枠の中の最下段に「GALLERIA」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に特例商標として登録出願、第42類「茶・コーヒー・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、同8年8月30日に設定登録、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。

1 請求の理由

本件商標は、商標権者又は使用権者のいずれによってもその指定役務について、継続して3年以上日本国内において使用した事実がない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいて、その登録を取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第2号証の証拠能力について

上記答弁書には、平成13年12月19日付け(営業譲渡実行日)で被請求人は、株式会社音楽の森から本件商標にかかる事業及び関連の事業を譲り受け、本件審判請求後の平成16年10月1日付けで商標権移転登録申請書を提出したとある。

被請求人は上記答弁書において、「乙第2号証は、株式会社音楽の森が経営していたリゾート施設『リゾナーレ小淵沢』のパンフレット」、あるいは、「該パンフレットは、先の権利者である株式会社音楽の森作成にかかるものであるところ、ホテル備え付けのものとして使用されるものであって、・・・遅くとも、平成16年6月前後より平成16年8月1日以前に使用されたもの」であると主張する。

しかしながら、被請求人が提出した乙第2号証のパンフレットには、株式会社音楽の森の作成・発行に係るとの表記は一切ない。

しかも、上記した営業譲渡の経緯からすれば、被請求人が主張する平成16年6月前後より平成16年8月1日の期間における本件商標に係る事業主体は、明らかに本件審判請求時に商標権者であった株式会社音楽の森ではない。

してみれば、乙第2号証のパンフレットは、上記した期間(平成16年6月前後〜平成16年8月1日)の事業主体である事業の譲受人たる有限会社エイチ・エム・エス若しくは株式会社星野リゾート・八ヶ岳の作成、発行に係るものであると考えるのが妥当であり、平成16年6月前後から同年8月1日の期間に本件商標を使用していた主体は、本件審判請求時に商標権者であった株式会社音楽の森ではなく、有限会社エイチ・エム・エス若しくは株式会社星野リゾート・八ヶ岳であるということになる。

一方、被請求人が、本件商標の不使用取消を免れるためには、本件商標権の移転登録日である平成13年12月17日から本件審判請求時(平成16年8月27日)までの間において、本件審判請求時における商標権者たる株式会社音楽の森が、本件商標を使用していた事実を立証する必要がある。

しかし、上記のとおり、被請求人は、平成13年12月19日付け(営業譲渡実行日)で株式会社音楽の森から本件商標に係る事業及び関連の事業を譲り受けたのであるから、株式会社音楽の森が、本件商標に係る事業及び関連の事業を遂行して本件商標を実際に使用していたと主張できる期間は、平成13年12月17日から営業譲渡実行日の前日である同年12月18日までの実質2日間しかなく、この2日間において本件審判請求時における商標権者たる株式会社音楽の森が、業として本件商標を使用していた事実を立証しなければ、本件商標の不使用取消しを免れることはできない。

以上より、乙第2号証のパンフレットをもってしても、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求時における商標権者たる株式会社音楽の森が、本件商標を使用していた事実を証明したことにはならない。なお、乙第4号証、乙第5号証をもってしても同様である。

(2)使用権者の使用事実について

乙第1号証の商標登録原簿には、専用使用権者、通常使用権者の登録に関する記載はない。

よって、乙第2、4、5号証のいずれをもってしても、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、専用使用権者、通常使用権者が本件商標を使用していた事実を証明したことにはならない。

(3)まとめ

以上のように、本件商標は、その指定役務について、本件取消審判の請求の登録日(平成16年「2004年」9月15日)前3年以内に日本国内において使用した事実が存在しないことは明らかである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べたが、その後、平成17年8月10日付け上申書をもって答弁書で述べた事実を一部訂正するとともに、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証、譲渡証書の写し、登記簿謄本の写し及び履歴事項全部証明書の写しを提出した。

1 答弁の理由

(1)被請求人は、平成13年12月19日付け(営業譲渡実行日)で株式会社音楽の森より本件商標に係る事業及び関連の事業を譲り受け、平成16年10月1日付で本件商標に関し商標権移転登録申請書を提出した。

本件商標は、株式会社音楽の森により、「茶・コーヒー・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物を提供」する店舗を表彰する商標として使用され、営業譲渡後も被請求人により引き続き使用されているものである。

乙第2号証は、株式会社音楽の森が、経営していたリゾート施設「リゾナーレ小淵沢」のパンフレットであり、該パンフレットに表示されている「音楽の森ホール」、「GAUDIO」、「千樹」等々は独立したサービス提供施設であり、「GALLERIA」もその一つである。「GALLERIA」は、パン・おみやげ品の販売を伴う喫茶店である。これは、該パンフレット表紙に記載された施設内用変更案内の記載及び乙第5号証によって、明らかである。

また、本件商標を構成する「GALLERIA」の文字は、それ自体独立して要部と見られるものであり、これと同一の称呼・観念を生ずる「ガレリア」とは社会通念上同一性を有するものであるから(乙第3号証)、該パンフレットの表紙に表示された「ガレリア」の表示も本件商標の使用であるといい得る。

さらに、該パンフレットは、先の権利者である株式会社音楽の森作成に係るものであるところ、ホテル備え付けのものとして使用されるものであって、定期的に刊行されるものではないため、その作成年月日を特定することができないが、該パンフレット表紙の「ご案内」の「04年6月をもちまして閉店となり・・・(8月1日ソフトオープン。05年3月にグランドオープン予定。)」等の記載から、遅くとも平成16年6月前後より平成16年8月1日以前に使用されたものである。

乙第4号証は、ホテルのフロントで頒布されるパンフレットであり、本件商標と社会通念上同一と認められる「ガレリア」の文字が、本件審判請求に係る役務について使用されている。

乙第5号証は、ベーカリー&カフェ「ガレリア」の領収書であり、本件商標と社会通念上同一と認められる「GALLERIA」の文字が、「コーヒーを主とする飲食物の提供」の役務について使用されている。

(2)以上より、本件商標と社会通念上同一の商標が、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定役務について使用されていることは明らかである。

2 上申書

答弁書に記載の被請求人と原簿上の商標登録名義人が一致しないことについて説明する。

本件に係る商標権は、平成16年10月1日付けで株式会社音楽の森から有限会社エイチ・エム・エスに譲渡され、平成16年10月15日付けで商標権移転登録申請書を提出したが、申請書記載上の不備により手続却下の処分を受けた。その後、有限会社エイチ・エム・エスは、平成17年5月13日付けの組織変更・名称変更により、その名称を株式会社星野リゾート・八ヶ岳に変更し、平成17年5月20日付けで住所を山梨県北巨摩郡小淵沢町129番地1に移転したため、株式会社星野リゾート・八ヶ岳名義で商標権移転登録申請を再度提出した。

したがって、答弁書提出時における実質的な権利者は、有限会社エイチ・エム・エスであり、有限会社エイチ・エム・エスと株式会社星野リゾート・八ヶ岳は実質的に同一である。

第4 当審の判断

1 本件審判請求登録時の商標権者について

被請求人である「有限会社エイチ・エム・エス」は、前記答弁書をもって、「被請求人は、平成13年12月19日付け(営業譲渡実行日)で株式会社音楽の森より本件商標に係る事業及び関連の事業を譲り受け、平成16年10月1日付けで本件商標に関し商標権移転登録申請書を提出した。」と主張していたが、その後、平成17年8月10日付けで、現商標権者である「株式会社星野リゾート・八ヶ岳」が上申書を提出し、「本件商標権は、平成16年10月1日付けで株式会社音楽の森から有限会社エイチ・エム・エスに譲渡され、平成16年10月15日付けで商標権移転登録申請書を提出したが、申請書記載上の不備により手続却下の処分を受けた。その後、有限会社エイチ・エム・エスは、平成17年5月13日付けの組織変更により、その名称を株式会社星野リゾート・八ヶ岳に変更し、平成17年5月20日付けで住所を山梨県北巨摩郡小淵沢町129番地1へ移転したため、株式会社星野リゾート・八ヶ岳名義で商標権移転登録申請書を再度提出した。」旨主張すると共に、「株式会社音楽の森」より「有限会社エイチ・エム・エス」へ本件商標を平成16年10月1日付けで譲渡した事実を証する書面として譲渡証書の写しを提出した。

そうとすれば、本件商標権は、平成16年10月1日付けで株式会社音楽の森から有限会社エイチ・エム・エスに譲渡されたものであるから、本件取消審判の請求の登録時(平成16年「2004年」9月15日)における本件商標の商標権者は「株式会社音楽の森」であると見るのが相当である。

2 使用時期及び商標について

(1)乙第2号証は、リゾートホテル「リゾナーレ小淵沢」の改装案内を伴うパンフレットである。該パンフレットには、発行年月日の記載はないが、その表紙には、「ご案内」として、「エステティックサロン 04年6月をもちまして閉店となり、・・・8月1日ソフトオープン。05年3月にグランドオープン予定。」、「ブック&カフェとして8月1日にリニューアルオープン」、「コーヒーショップ『ビーベン』 閉店させていただきました。・・・カフェ&ベーカリー『ガレリア』及びブックカフェ等をご利用くださいませ。」の記載があり、中程の頁には、本件商標と同一の商標の記載があり、その右に「SouvenirShop『ガレリア』」の記載がある。

(2)乙第4号証は、「リゾナーレ小渕沢」の「RISONARE SUMMER INFORMATION」と題するパンフレットであるが、表紙には「2004.7/17(Sat)〜2004.8/31(Tue)」の記載があり、館内施設案内の頁には、「ベーカリー&カフェ『ガレリア』」の記載があり、営業時間案内の頁には「ベーカリー&カフェ 5)『ガレリア』」の記載があり、各店舗の紹介頁には、「ベーカリー&カフェ『ガレリア』」の項があり、「焼きたてパンをほおばりながら、薫り高いコーヒーを味わって。」の記載がある。

(3)甲第5号証は、2003年10月7日付けのレジの領収書であるが、「RISONARE」及び「GALLERIA」の記載があり、「6」、「コーヒー」、「1,500」及び「@250」の記載がある。

(4)前記(1)ないし(3)で認定した事実を総合すると、株式会社音楽の森は、本件取消審判の請求の登録日(平成16年「2004年」9月15日)前3年以内である平成16年7月及び8月には、「ベーカリー&カフェ」に本件商標と同一の商標及び本件商標と社会通念上同一の商標というべきである「GALLERIA」、「ガレリア」を使用し、本件請求に係る指定役務である「茶・コーヒー・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」の役務を提供していたものと見るのが相当である。

3 請求人の主張について

請求人は弁駁書において、「乙第2号証のパンフレットには、株式会社音楽の森の作成・発行にかかるとの表記は一切ない。」旨主張しているが、「リゾナーレ小渕沢」の住所である「山梨県北巨摩郡小渕沢町129ー1」と、「株式会社音楽の森」の住所である「山梨県北巨摩郡小渕沢町字上平井出129番地1」とは、実質上同一の住所と認められる。

また、その後、本件商標は「株式会社音楽の森」から「有限会社エイチ・エム・エス」(平成17年8月10日付けで、現商標権者である「株式会社星野リゾート・八ヶ岳」に組織変更されたことは上記したとおりである。)へ権利譲渡されたものであるが、職権による調査によれば、現在「リゾナーレ小渕沢」の経営主体は「株式会社星野リゾート・八ヶ岳」であるという事実が認められることから見ても、本件取消審判の請求の登録時(平成16年「2004年」9月15日)における「リゾナーレ小渕沢」の経営主体は、「株式会社音楽の森」であったと推認され得るところである。

4 結び

以上のとおり、本件商標は、本件取消審判の請求の登録時(平成16年「2004年」9月15日)における商標権者と認められる「株式会社音楽の森」によって、その指定役務について使用されていたということができるから、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。