Trademark Appeal Case
冬仕込の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第4639号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「冬仕込」の文字を横書きしてなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成5年1月25日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
本願商標は、「ビール」について、単に商品の品質を表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
3 当審の判断
本願商標は、前記構成よりなるところ、その構成中の「冬」の文字は、季節の一つを表したものであり、また、「仕込」の文字は、「仕込み」の表記の慣用的な用法であって、「広辞苑」第5版の同項目には、「▲1▼教え込むこと。しつけること。▲2▼酒や味噌・醤油などの醸造で、原料を混ぜて桶などにつめること。▲3▼商店などで商品をあらかじめ仕入れること。」等の記載が認められる。そして、季節を表す「冬」の文字との関係からすれば、「仕込」の文字は、上記▲2▼の意味を表しているものと認められ、全体として、本願商標は、「冬に仕込むこと」または「冬に仕込んだもの」の意味合いを看取させるものというのが相当である。
ところで、醸造製品等の中には冬の間に仕込むものがあり、これらの仕込み過程やその商品を「冬仕込み」と称していることは、たとえば、▲1▼平成11年11月5日発行の毎日新聞夕刊の「千枚漬の漬け込み作業」に関する「冬仕込み」の記載、▲2▼香川県食品試験所の「麦味噌の醸造」に関する研究論文タイトル及び株式会社澤本園の商品カタログ中の「坂京みそ」の説明文の「冬仕込み」の記載、▲3▼株式会社ダイヤモンド酒造のインターネットホームページの「[無添加ワイン]冬仕込み」の記載、▲4▼ひでじビールショップのインターネットホームページの「季節限定仕込みビール・・・冬仕込み○○○や初夏の△△△、暖炉がよく似合う□□□など、季節にあったビールを毎月お届けします。」の記載等からみても明らかである。
以上のように、「冬仕込み」の語は、ビールを含む発酵に係る商品に広く使用されている実状にあるから、本願商標をその指定商品中の「ビール」について使用するときには、これに接する取引者・需用者は、「冬に仕込まれたビール」であると認識、理解するに止まるものといわざるを得ない。
この点について、請求人は、「ビールは近代工場のタンクで夏、冬問わず製造されており、自然温度で熟成して製造される日本酒、ワイン等とは異なる製法である。低温発酵等の処理を行う場合、タンク自体の冷却によって行われるから、冬に仕込むことがビールの品質に影響を与えることは考えられない。」旨主張しているが、地ビールの取引の盛んな昨今において、自然温度での熟成の方法が全く存在しないものとは考え難いうえに、現実に冬に仕込むビールの存すること前記認定のとおりであるから、この主張は採用できない。
したがって、本願商標は、指定商品中の「ビール」について商品の品質を表示するにすぎないから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。