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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第15号「著名図形商標の混同」の商標審決・判断理由(審判番号:平成8年審判第4477号|請求不成立)

審判番号
平成8年審判第4477号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
著名図形商標の混同
適用条文
第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成8年審判第4477号・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「著名図形商標の混同」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴のひき手,靴びょう,靴保護金具,その他の靴類,げた,草履類,運動用特殊衣服,乗馬靴,その他の運動用特殊靴」を指定商品として、平成5年2月27日に登録出願されたものである。

2 当審における拒絶理由

当審において、請求人に対し、新たに平成11年6月24日付け(平成11年7月16日発送日)で、「本願商標は、別紙に表示するとおり、前脚を少し『く』の字に折った状態の馬に、顔面を斜め右下に向け、ポロゲームのマレットを振りかざして乗っているポロプレーヤーを、斜め前方から描写して黒色で表したものを左側に配置し、同じく前脚を少し『く』の字に折った状態の馬に、顔面を正面に向け、ポロゲームのマレットを振りかざして乗っているポロプレーヤーを、斜め前方から描写して黒色で表したものを右側に配置してなる図形である。

そして、米国のデザイナー『ラルフ・ローレン』がデザインした商品を表すものとして著名な標章(以下、『引用標章』という。)は別紙に表示するとおり、前脚を少し『く』の宇に折った状態の馬に、顔面を斜め右下に向け、ポロゲームのマレットを振りかざして乗っているポロプレーヤーを、斜め前方から描写して黒色で表したものであり、本願商標と酷似し、時と処を異にしてみるときは全体の外観の印象において相紛らわしいものといわざるを得ない。

更に、当審において調査したところ(別紙参照)、該図形は、上記米国のデザイナー『ラルフ・ローレン』のデザインに係る紳士服、婦人服の被服類、眼鏡をはじめ日用品や雑貨等に使用する標章として取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものとみるのが相当である。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、前記米国のデザイナー『ラルフ・ローレン』の商品又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所につき誤認、混同を生ずるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

なお、当審において調査した証拠関係について、上記拒絶理由通知書の別紙として請求人に通知した書証の目録は、次のとおりである。

(1)「dansen男子専科」No.108(JULY)、1971年7月10日(株)スタイル社発行(2)「男の一流品大図鑑」、昭和53年7月20日(株)講談社発行(3)昭和53年2月16日付日本経済新聞(夕刊)の広告(4)昭和53年9月21日付日本経済新聞(夕刊)の広告(5)「世界の一流品大図鑑’79年版」、昭和54年5月20日(株)講談社発行(6)別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」昭和54年9月20日(株)チャネラー発行(7)「世界の一流品大図鑑’80年版」、昭和55年5月25日(株)講談社発行(8)月刊「アパレルファッション店」別冊「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(株)講談社発行(9)「MEN’SCLUB」1980,12、婦人画報社発行(10)「男の一流品大図鑑’81年版」、昭和55年11月20日(株)講談社発行(11)「世界の一流品大図鑑’81年版」、昭和56年5月25日(株)講談社発行(12)舶来ブランド事典「’84ザ・ブランド」昭和58年9月28日サンケイマーケティング発行(13)「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」昭和59年9月25日ボイス情報(株)発行(14)「流行ブランド図鑑」、昭和60年5月25日(株)講談社発行(15)1988年(昭和63年)10月29日付日経流通新聞の記事(16)東京高等裁判所平成2年(行ケ)第183号、平成3年7月11日判決

3 請求人の主張

上記拒絶の理由に対して、請求人からは、何らの意見、応答もない。

4 当審の判断

(1)(株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・フアッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインを始め、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾界の名誉ある賞「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年に映画「華麗なるギャツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。

その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPHLAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各標章(以下、一括して「引用標章」という。)が用いられ、これらの標章は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’SCLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、眼鏡については、前出「世界の一流品大図鑑’80年版」、同「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、同「男の一流品大図鑑’81年版」、同「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」「ポロ」「Polo」「ポロ(アメリカ)」「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の標章の下に紹介されていることが認められる。

他に、これを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」「Polo」「ポロ」の標章について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)第183号、平成3年7月11日言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用標章は、我が国においては、遅くとも本願出願時までにはラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして、被服類、眼鏡等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者の間において広く認識され、かつ著名となっていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、前脚を少し『く』の字に折った状態の馬に、顔面を斜め右下に向け、ポロゲームのマレットを振りかざして乗っているポロプレーヤーを、斜め前方から描写して黒色で表したものを左側に配置し、同じく前脚を少し『く』の字に折った状態の馬に、顔面を正面に向け、ポロゲームのマレットを振りかざして乗っているポロプレーヤーを、斜め前方から描写して黒色で表したものを右側に配置してなるポロ競技のプレイヤーの図形を表したものである。

そして、本願商標と引用標章のラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして広く知られている馬に乗ったポロ競技のプレイヤーの図形とを対比すると、子細にみれば、全体の描き方、プレイヤーの姿勢、マレットの位置・角度、馬の数(2騎と1騎)等が相違するが、線で描かれたマレット棒、黒塗りの馬及びポロプレーヤーを表した図形の描写方法が類似しているものであり、また、強く印象を与える本願商標のポロプレーヤーの図形と引用標章の図形部分は、共に馬に騎乗した者がマレットをもってポロ競技に興じているポロプレーヤーの躍動的な印象を看者に与える点において基本的な構成の軌を一にするものであり、時と所を別にしてみるときは全体の外観において彼此相紛らわしいものといわざるを得ないものである。

(3)そうすると、本願商標をその指定商品である被服等のフアッションに関連する商品に使用した場合には、前記実情からして、これに接する取引者、需要者は、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る引用標章を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(4)以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶をすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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