Trademark Appeal Case
「NEW」の識別力と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第4493号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「ニューマスターズ」の片仮名文字と「NEWMASTERS」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第28類「ゴルフ用具・その他の運動用具」を指定商品とし、平成5年12月15日登録出願、指定商品について平成7年11月22日付手続補正書により「ゴルフ用具」に補正されたものである。
第2 原査定の引用商標
原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標登録第1934194号に係る商標(以下「引用商標」という。)は、別紙に表示するとおりの構成よりなり、昭和53年4月7日登録出願、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品とし同62年2月25日設定登録、平成9年5月9日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
第3 請求人の主張
1 請求の趣旨
「原査定を取り消す。本願商標は、登録すべきものとする。」旨の審決
2 請求の理由
(1)本願商標と引用商標を比較した場合、本願商標の「ニュー/NEW」の文字は子供や老人を含む一般常識程度の知識を有する者にとっては確かに新製品を示す形容詞的文字として認識される。
また、「マスターズ/MASTERS」の文字は全米オープンゴルフ競技が開催されるゴルフ場を意味する言葉として認識されている。
したがって、本願指定商品の主たる需要者層が子供や老人を含む一般消費者である場合には本願商標の要部は「マスターズ/MASTERS」の文字部分にあり、引用商標と類似すると判断されても致し方ない。
(2)しかし、本願指定商品「ゴルフ用具」の取引者、需要者は英語に関して相当の知識を有し、しかも独特の和製英語に慣れ親しんでいる「ゴルフ用具」の取引者、需要者にすれば、本願商標は、「新しい歴史、新しい権威」を連想する新しい和製英語として一体不可分に認識し、称呼上も観念上も引用商標とは区別される。
したがって、本願商標は、引用商標と類似しないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
第4 当審の判断
そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。
(1)本願商標は、「ニューマスターズ」の片仮名文字と「NEWMASTERS」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中「MASTERS」「マスターズ」の文字は、請求人主張のとおり全米オープンゴルフ競技が開催されるゴルフ場を意味する言葉として認識されている。すなわち、1930年、年間四冠王を達成したボビー・ジョーンズが故郷のジョージア州オーガスタにオーガスタ・ナショナル・コースを創設、1934年第1回として始めたマスターズ招待競技のことを、世間では短く「マスターズ」という。第1回は「オーガスタ・ナショナル・インビテーション」の正式名称であったが、名手だけを招待したため、新聞が「マスターズ」と呼び、それが1937年から正式略称となったものである。そして、本願指定商品「ゴルフ用具」の取引者、需要者は、「MASTERS」「マスターズ」の文字について上記意味合いにおいて理解し、認識しているとみるのが相当である。そして、本願商標の構成中の「NEW」「ニュー」の文字は、「新、新しい、」等を意味する英語及びその外来語であって、我が国において極めて親しまれた語で自他商品の識別力がないか又は弱いものである。
そうすると、本願商標は、これに接する「ゴルフ用具」の取引者、需要者においては、その構成中の「MASTERS」「マスターズ」の文字部分に着目し、上記「マスターズのゴルフ競技」の観念をもって印象、記憶、連想し、これに相応して「マスターズ」の称呼も生ずることも少なくないものというべきである。
他方、引用商標は、別紙に表示するとおりアメリカ合衆国の地図を型取り、その右下部に旗竿を立てたゴルフのホールを配置した図形を背景に「MASTERS」の欧文字を表示してなるものである。
そうすると、引用商標は、上記と同様の理由により「マスターズのゴルフ競技」の観念及びその構成文字に相応して「マスターズ」の称呼が生ずる。
(2)次に、本願商標と引用商標とを外観について比較すると、本願商標は、その構成中の片仮名文字の部分が「NEWMASTERS」の欧文字部分のみからでも生ずる称呼をそのまま片仮名で記載しただけのものであって、欧文字との関連性が強いだけに、その印象がさほど強いとはいえないものであり、しかも、前記(1)で認定したとおり、その要部は「MASTERS」の欧文字部分にあると認められる。
他方、引用商標は前記認定のとおりのものであって、その構成中文字部分は「MASTERS」の欧文字である。
そうすると、両者は、いずれも「MASTERS」の欧文字である点において共通であり、取引者、需要者が時と処を異にして両商標に接する場合、上記共通点よりみて、外観上ある程度近似した印象、連想を生じさせるものであって、両商標の類似性を否定することはできない。
(3)したがって、本願商標と引用商標とは、観念及び称呼において共通のものであり、外観においてある程度類似性が否定できないものであって、全体として出所の混同を生ずるおそれのある類似する商標であるといわなければならない。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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