結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30480(T2005−30480/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2708118号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年3月31日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同7年6月30日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおりに述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同10号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「回転電気機械及び配電用または制御用機械器具並びにこれらに類似する商品」について、被請求人が過去3年間において使用していた事実を発見することができない。また、本件商標については専用使用権者又は通常使用権者の登録は存在しない。さらに、本件商標が上記商品について不使用であることに正当な理由があるとも考えられない。
したがって、本件商標の指定商品中上記商品についての登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 本件使用商標は本件商標と社会通念上同一のものとはいえない。
本件商標は、高度にデザイン化した特徴のある英文文字で「ICM」と横書きしてなるものである。すなわち、これらの構成文字の「I」「C」「M」は、各文字の幅方向に対して垂直方向に貫通する細い線(以下「中央線」という。)によって中央部が白抜きに切り取られている。さらに、各構成文字の配列において、隣り合う「I」と「C」の文字が接触せずに分離しているのに対して、他方の隣り合う「C」と「M」の文字は、各々の文字の一先端において接触、連結し、当該連結部において当該各文字を貫通する中央線もまた連結し、一本の線に同化している。
本件商標は、単にアルファベット文字から構成される文字商標とは異なり、上記の図形的デザイン要素が自他商品識別標識として大きな特徴をなしており、これが看者の注意を惹き、自他商品識別機能、出所表示機能を果たす上で大きな役割を担っている。
これに対して、使用商標1ないし使用商標8(以下、「本件使用商標」という。)は、いずれも、ブロック体の英文字で「ICM」と横書きしてなるもの、あるいは当該ブロック体の「ICM」の文字にカナ文字、記号、数字あるいは他のアルファベット文字を付加してなるものである。
本件使用商標は、本件商標と構成文字の外観、表示態様のデザインにおいて著しく相違することが明らかである。
本件商標は、商標の構成要素として種々のデザイン要素、図形要素を包含した形式で設定登録されたものであるから、これを本件使用商標と比較した場合、構成文字のデザイン及び表示態様に加えられた変更の程度は、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなるもの」といった程度の通常の変更の域を超えており、同一の自他商品識別標識として認識され難いものである。
したがって、本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一のものとはいえない。
イ 本件商品は取消請求に係る指定商品に該当しない。
(ア) 被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に本件使用商標を「PCカード用コネクタ」及びその部品である「メタルカバー、フレーム、リアカバー」(以下、これらを併せて「本件商品」という。)に使用したと主張している。
しかしながら、乙第1号証の商品カタログの第5頁には、「ICM/ICMBシリーズ」と呼ばれる商品の「概要」として「ICM、ICMBシリーズはJEITA・PCMCIAに準拠して開発されたPCカード・カードバスPCカード用キット及びスロットコネクタです。」なる記載が存在し、「パソコン、FA、PDA、通信機器」が「主な用途」とされている。
また、乙第1号証のカタログの第3頁の「PCカード用コネクタICM,IMCB,RMC,RMCA,RMCB&PCカードフレームキットシリーズ」と題した記載では、PCカードの構造が図解され、その構成要素(部品)として、下メタル、PCカード側68芯ソケットコネクタ、PCカード用I/Oコネクタ(基板用)、PCカード用メタルコネクタ(基板用)、PCカード用I/Oコネクタ(ケーブルカバー用)、フレーム、PCカード用フレーム(フレームキット)、PCカード用メタルカバー(フレームキット)、上メタル、並びにPCカードスロット側ピンコネクタが表示されている。
乙第1号証におけるこれらの記載から、本件使用商標がPCカードの上記構成部品に使用されていることが明らかである。
さらにまた、被請求人による本件商品に関する取引書類について下記のとおり説明している。
取引書類等に表示される製番は、(a)シリーズ名(ICM)、(b)芯数、(c)コンタクトの形状(ライトアングル雄ディップ)等から構成され、たとえば、「基板用ライトアングル・ディップタイプ雄コネクタ」において、芯数が68、コンタクトの形状がライトアングル雄ディップ、インクジェットボタンの長さが5.6mm、基板取付方法がネジ止め、適合基板厚が1.6mmのものについては「ICM−68MC」のように表示され(第10頁)、また、芯数が68、コンタクトの形状がライトアングル・ディップ雄、基板取付方法がFG端子付アースロックピンのものについては「ICM−68LMDGT」のように表示される(第11頁)」
かかる記載は、本件商品が、PCカードに適合する特殊な形態及び寸法において精密に設計されたPCカード専用のコネクタであることを示すものである。
ここで、「PCカード」とは、「米国のPCMCIAと日本電子工業振興協会が共同で制定したパソコン用カード周辺機器の規格。現在ではほとんどのノートパソコンや一部のデスクトップパソコンがPCカード用スロットを備えている。」とされ、「フラッシュメモリカードやハードディスク、SCSIカード、LANカード、モデムカードなどに利用される」ものであり、電気通信・コンピュータの周辺機器として把握されるものである。
また、上述のとおり、乙第1号証の商品カタログ中の本件商品に関する上記記載には、「JEITA・PCMCIAに準拠して開発された」、「カードバス」なる文字が存在する。
「PCMCIA」については、「米国にあるPCカード規格の標準化団体」、「携帯型パソコンに接続するICカードの仕様を策定するため、1989年6月に設立された米国の業界団体」、 「JEITA」については、米国のPCMCIAと共同で携帯型パソコンに接続するICカードの共同規格「PCカード」を策定した国内の業界団体(日本電子工業振興協会・JEIDA)で、2000年11月に日本電子機械工業会と合併して電子情報技術産業協会(JEITA)となったもの、「カードバス」については、「PCカードで使われるバス(データ伝送路)の規格。PCカード規格の一部を構成する。」といった解説が電気通信・コンピュータ用語辞典等に掲載されている。
以上の観点に照らせば、本件商品は、パソコン、PDA(携帯情報端末)その他の通信機器に用いられるものであって(乙第1号証)、PCカード規格に準拠するカードの形状に適合する特殊な形態又は寸法で精密に設計されたPCカード専用品であることが明らかである。
換言すれば、本件商品は、PCカード専用のコネクタ・メタルカバー・フレーム・リアカバー、すなわち、PCカードの構成部品として把握されるものである。
なお、被請求人は、本件商品が「大手コンピュータメーカー」に納品されている事実を挙げているが、この事実は、本件商品がPCカードの構成部品として情報通信・コンピュータ産業の市場で取引されるものであることを示すものといえる。
したがって、本件商品は、「PCカード」の構成部品として「PCカード」と同一の商品概念に包含されるものというべきである。
(イ)本件商標は、昭和34年法による商品の区分第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定して設定登録されたものである。
この商品区分に関して発明協会から発行された特許庁商標課編「商品区分解説」の中で、本件取消審判請求に係る指定商品「配電用または制御用機械器具」の概念については、「電気通信に専用の特殊な機械器具は“電気通信機械器具”に属し、この概念には含まれない(『継電器』『抵抗器』『蓄電器』等で特殊なもの)」と記載されている。
同じく、前掲書において、「電気通信機械器具の部品および附属品」の概念については、「電気機械器具の中概念《2.配電用または制御用機械器具》にも『抵抗器』『蓄電器』『変圧器』『接続器』等の例示商品が列挙されているが、この概念(=「電気通信機械器具」の概念)に属するのは、それらのうち、通信機械器具の部品としてのみ使用される特殊な形態又は寸法のものである」と記載されている。
上記観点に照らして本件商品を考察すれば、本件商品は「PCカード専用の構成部品としてのみ使用される特殊な形態又は寸法のもの」と認められるものであるから、「配電用または制御用機械器具」の概念に例示されている「接続器(配電用または制御用のもの)」に相当するものではなく、「PCカード」専用の部品として「PCカード」が属する概念に包含されるものであることが明らかである。
(ウ)特許電子図書館の「商品・役務名リスト」によれば、「PCカード」と同種の構造、機能、用途等の商品は「電気通信機械器具」及び(又は)「電子応用機械器具」の概念に分類されている。
すなわち、「無線式のLAN接続用カード」及び「有線式のLAN接続用カード」は、類似群コード「11B01」及び「11C01」が付与され、「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具」と同一又は類似の商品に分類されている。また、「モデム機能を有するコンピュータネットワーク用のインターフェースカード」及び「メモリーカード」は、類似群コード「11C01」が付与され、「電子応用機械器具」の概念に分類されている。
上記事情に、本件商品の用途(パソコン、FA、PDA、通信機器)を加味して検討すれば、本件商品は、「電気通信機械器具」あるいは「電子応用機械器具」の概念に包含される商品であることが明らかである。
(エ)上述のとおり、本件商品は、PCカードの構成部品と認められるから、本件商標の指定商品中の「電気通信機械器具」あるいは「電子応用機械器具」の概念に属する商品として把握されるものである。
特許庁商標課編「類似商品審査基準」によれば、本件商標に係る指定商品中、「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具」の概念に包含される商品は、本件取消審判請求に係る指定商品「回転電気機械、配電用または制御用機械器具」の概念に包含される商品とは互いに非類似のものとして取り扱われているものである。
したがって、本件商品は、本件取消請求に係る「回転電気機械及び配電用または制御用機械器具並びにこれらに類似する商品」に該当しないことが明らかである。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおりに述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同23号証を提出した。
(1)商標権者である被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において指定商品中の「PCカード用コネクタ」及びその部品である「メタルカバー、フレーム、リアカバー」について本件商標と社会通念上同一の商標を使用している。
ア 乙第1号証は被請求人の「PCカード用コネクタ」のカタログである。表紙、第3頁、第5頁には「PCカード用コネクタ」の商標として「ICM」の商標(以下「使用商標1」という。)が表示されている。
また、「ICM」の商標は「PCカード用コネクタ」のシリーズ名として使用されるものであり、第1頁、第3頁、第5頁には「ICMシリーズ」の商標(以下、「使用商標2」という。)が表示されている。
そして、取引書類等に表示される製番は、(a)シリーズ名(ICM)、(b)芯数、(c)コンタクトの形状(ライトアングル雄ディップ)等から構成され、たとえば、「基板用ライトアングル・ディップタイプ雄コネクタ」において、芯数が68、コンタクトの形状がライトアングル雄ディップ、イジェクトボタンの長さが5.6mm、基板取付方法がネジ止め、適合基板厚が1.6mmのものについては「ICM−68MC」のように表示され(第10頁)、また、芯数が68、コンタクトの形状がライトアングル・ディップ雄、基板取付方法がFG端子付アースロックピンのものについては「ICM−68LMDGT」のように表示される(第11頁)。
イ 被請求人は、あずさ電子工業(株)等に本件商標に係る「PCカード用コネクタ」を製造させ、納入されたものを予めストックしておき、顧客からの注文に応じて販売している。
乙第2号証ないし同7号証は「ICM−68MC」に関する取引書類であるが、被請求人は、2004年3月26日にあずさ電子工業(株)に100個の製造を注文し、同年5月7日に納入され、同年5月12日に検査承認を行った後、同年9月28日に美竹電機(株)から20個の注文を受け、同年10月16日に納品し受領されている。当該取引書類には「ICM−68MC」の商標(以下「使用商標3」という。)が表示されている。
乙第8号証ないし同13号証は「ICM−68LMDGT」に関する取引書類であるが、被請求人は、2004年10月20日にあずさ電子工業(株)に100個の製造を注文し、同年11月17日に納入され、同年11月18日に検査承認を行った後、2005年1月17日に(株)タイメックスから20個の注文を受け、同年1月19日に納品し受領されている。当該取引書類には「ICM−68LMDGT」の商標(以下「使用商標4」という。)が表示されている。
また、被請求人は、「PCカード用コネクタ」の汎用部品である「メタルカバー、フレーム、リアカバー」についても販売しており、発注側で「PCカード用コネクタ」の最終組立を行う場合もある。乙第14号証ないし同19号証は大手コンピュータメーカーとの取引書類であるが、このメーカーとは電子データでの発注が行われている。すなわち、乙第14号証は2005年1月7日付けの「EDI注文リスト」であり、被請求人に対して「メタルカバー」6000個の発注がなされている。発注者・受注者の双方に乙第15号証の図面が備えられており、「ICM−68EX−F01−OM03−MB」の商標(以下「使用商標5」という。)により、「メタルカバー」の材質・寸法等が特定される。また、同年3月15日には、「ICM−68EX−F01−OM03−FR」の商標(以下「使用商標6」という。)により、「フレーム」5400個の発注がなされ、同年4月19日には、「ICM−68EX−F01−OM03−C」の商標(以下「使用商標7」という。)により、「リアカバー」112500個の発注がなされている。なお、被請求人・発注者間における秘密保持契約により、企業名等の営業秘密に関する事項については伏せてある。
ウ さらに、被請求人は、「PRODUCTS GUIDE」のカタログを毎年改訂し、通信・情報・映像の国際展示会「CEATEC JAPAN」(主催:CEATEC JAPAN実施協議会、毎年10月に開催)等の会場や取引先で配布している。乙第20号証ないし同23号証は最近4年間のカタログであるが、「ICMシリーズ」の商標(以下「使用商標8」という。)が表示されている。
(2)ところで、使用商標1は、「ICM」の欧文字を肉太又はゴシック文字で表示してなるものであり、形式的には、デザイン化した「ICM」の欧文字を書してなる本件商標とは構成が相違するものではあるが、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であって、自他商品の識別機能になんら影響を及ぼすものではない。したがって、使用商標1は本件商標と社会通念上同一の商標である。また、使用商標2及び使用商標8は「ICMシリーズ」の文字を表示してなるものであるが、その構成中の「シリーズ」の文字部分は「ひと続き、系列」等を意味する英語「series」の表音であり、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、「一連の商品」又は「同系列の商品」を表示するための語として取引上普通に使用されているものであるから、使用商標2及び使用商標8の要部は「ICM」の文字部分にある。したがって、使用商標2及び使用商標8も本件商標と社会通念上同一の商標である。
つぎに、使用商標3は、その構成中の「68MC」の文字部分は、芯数が68、コンタクトの形状がライトアングル雄ディップ、イジェクトボタンの長さが5.6mm、基板取付方法がネジ止め、適合基板厚が1.6mmであることを表示するものであるから、使用商標3の要部は「ICM」の文字部分にある。したがって、使用商標3も本件商標と社会通念上同一の商標である。
また、使用商標4は、その構成中の「68LMDGT」の文字部分は、芯数が68、コンタクトの形状がライトアングル・ディップ雄、基板取付方法がFG端子付アースロックピンであることを表示するものであるから、使用商標4の要部は「ICM」の文字部分にある。したがって、使用商標4も本件商標と社会通念上同一の商標である。
さらに、使用商標5における「68EX−F01−OM03−MB」の文字部分、使用商標6における「68EX−F01−OM03−FR」の文字部分、使用商標7における「68EX−F01−OM03−C」の文字部分は芯数等を表示するものであるから、使用商標5ないし7の要部は「ICM」の文字部分にある。したがって、使用商標5ないし7も本件商標と社会通念上同一の商標である。
(3)以上のとおり、商標権者である被請求人が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中の「PCカード用コネクタ」及びその部品である「メタルカバー、フレーム、リアカバー」について本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることは明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
(1)乙各号証について
乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
ア 2002年9月作成の被請求人の「PCカード用コネクタ」に係る商品カタログには、「PCカード用コネクタ」の現物写真や図解とともに「ICM」「ICMシリーズ」が表示され、さらに、このシリーズに該当する商品現物が掲載され、これらについて「ICM−68MBGT1」等が表示されている。
そして、当該カタログのG−10(第10頁)の「製番の構成」には、前記「68」「M」等がそれぞれ「芯数」「コンタクトの形状」等を表す記号である旨の記載がされている。
また、当該カタログのG−5(第5頁)の「概要」には、「ICM、ICMBシリーズはJEITA・PCMCIAに準拠して開発されたPCカード・カードバスPCカード用キット及びスロットコネクタです。」との記載、「主な用途」には「パソコン、FA、PDA、通信機器」との記載がある。(乙第1号証)。
イ 被請求人からあずさ電子工業(株)に対して、2004年3月26日に、
「ICM−68MC」100個の製造注文がされ、同5月7日にその納品があった(乙第2号証ないし同4号証)。そして、美竹電機(株)から被請求人に対して、2004年9月28日に、「ICM−68MC」20個の発注があり、同年10月6日にそれらを納品した(乙第5号証ないし同7号証)。
ウ 被請求人からあずさ電子工業(株)に対して、2004年10月20日に、「ICM−68LMDGT」100個の製造注文がされ、同11月17日にその納品があった(乙第8号証ないし同10号証)。そして、(株)タイメックスから被請求人に対して、2005年1月17日に、「ICM−68LMDGT」20個の発注があり、同年1月19日にそれらを納品した(乙第11号証ないし同13号証)。
エ 被請求人に対して、注文主は不明であるが、2005年1月6日に、メタルカバー「ICM−68EX−F01−OM03−MB」、同年3月14日にフレーム「ICM−68EX−F01−OM03−FR」、同年4月18日にリアカバー「ICM−68EX−F01−OM03−C」の注文があった(乙第14号証ないし同19号証)。
オ 2002年ないし2005年のカタログ「PRODUCTS GUIDE」には、いずれも、「PCカード用コネクタ」のシリーズ名として「ICM」の表示があり、また、商品の現物写真とともに「ICM」「ICMシリーズ」の表示がある(乙第20号証ないし同23号証)。
以上によれば、「PCカード用コネクタ及びその部品」について、本件使用商標が使用され、前記イ及びウの年月日に、使用に係る当該商品の取引がなされたと推認される。
(2)使用商標と本件商標とが社会通念上同一の商標か否かについて
本件使用商標は「ICM」の欧文字を表したものであるか、または、これに「シリーズ」の文字を付記し、あるいは「−(ハイフン)」を介して商品の記号や符号と認められる「68MC」等を付記したものであり、当該「ICM」の文字は普通に用いられる書体をもって表されているものである。そして、上記「シリーズ」等他の文字が付記されたとしても、本件使用商標は「ICM」が要部と認められるものであり、「アイシーエム」の称呼を生ずるものである。
しかしながら、本件商標は、別掲のとおりの構成態様からなるものであるところ、左端に欧文字「I」を二重線で、また、その右側に、欧文字「C」と「M」をモチーフにして、これらを一字様に二重線でデザイン化してなるものであるから、その表示態様が本件商標の識別性のうえで重要な要素の一となっているものというべきである。
してみれば、本件使用商標は、本件商標の構成文字を単にその書体のみに変更を加えたといい得る範疇を大幅に脱しており、また、外観において同視できるものとは到底言い得ないものであるから、本件商標とは全く別異の識別機能を果たす標章として看取されるといわざるを得ないものである。
したがって、本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということはできないというべきである。
(3)使用商品について
本件商標は、平成3年改正前の商品の区分第11類に属する「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」」を指定商品とするものである。そして、上記「電気機械器具」中の「配電用または制御用機械器具」との関係にあって、接続器、抵抗器等で電気通信に専用の特殊な機械器具は「電気通信機械器具」に属し、「配電用または制御用機械器具」には含まれないと解される。
本件審判において取消請求に係る指定商品は、「回転電気機械及び配電用または制御用機械器具並びにこれらに類似する商品」である。そして、被請求人の主張及び同人の提出した乙各号証によれば、使用に係る商品は、「PCカード用コネクタ及びその部品」と認められるものである。
しかして、当該使用に係る商品は、前記(1)からすれば、電気通信・コンピュータの周辺機器として把握される「PCカード」に専用の特殊な形態又は寸法のコネクタ及びその部品というのが相当であるから、「PCカード」が属すべき「電子応用機械器具」あるいは「電気通信機械器具」の範疇に属し、「配電用または制御用機械器具」には属さない商品というべきものである。また、これと「回転電気機械及び配電用または制御用機械器具」とは、その用途、需要者等からみて類似する商品ではないというのが相当である。
なお、被請求人は、汎用部品である「メタルカバー、フレーム、リアカバー」についても販売している旨主張しているが、使用に係る商品はいずれも「PCカード」に専用の部品というべきであって、前記主張に係る商品(汎用部品)について本件商標ないしこれと社会通念上同一の商標が使用されている事実を認め得る資料は見出せない。
そうしてみると、本件審判請求の登録前3年以内の時期に、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が使用されているということはできず、その使用に係る商品も、本件審判の取消請求に係る指定商品に属するとはいい難いものである。
(4)むすび
以上、提出に係る証拠によっては、被請求人が、取消請求に係る指定商品の一について本件商標の使用を証明したということはできない。他に請求に係る指定商品についての使用を認め得る証拠はなく、また、使用していないことについて正当な理由の提示はない。
結局、取消請求に係る指定商品については、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品について本件商標の使用をしていないものに該当するといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、結論掲記の商品について、その登録の取消を免れないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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