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Trademark Appeal Case

略称の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第11851号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「MPI」の欧文字を横書きしてなり、第16類「家庭用食品包装フィルム、接着テープ、接着テープディスペンサー」を指定商品とし、平成5年1月26日に登録出願されたものである。

第2 原査定の引用商標

原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶の理由に引用した商標登録第3097318号に係る商標(以下「引用商標」という。)は、「NPI」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日登録出願、第16類「紙類、紙製包装用容器、家庭用食品包装フィルム、紙製タオル、型紙、紙製テーブルクロス、紙製旗、紙製幼児用おしめ、荷札、かるた、トランプ、文房具類、装飾塗工用ブラシ、封ろう」を指定商品とし同7年11月30日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

「原査定を取り消す。本願商標は、登録すべきものとする。」旨の審決

2 請求の理由

本願商標と引用商標を比較すると、以下のとおりである。

(1)外観

両者を外観上比較すると、一見して相違は明らかである。

(2)観念

観念上、両商標とも特別の観念を生じないから相紛れるおそれはない。

(3)称呼

本願商標は「エムピーアイ」、引用商標は「エヌピーアイ」の称呼がそれぞれ生ずる。

両者を比較すると、比較的重きの置かれる1文字目「M」(エム)、「N」(エヌ)の区切りとなる第2音「ム」は両唇音であり、「ヌ」は歯茎音であるという相違、すなわち、「ム」は上唇と下唇とを密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節であり、「ヌ」は舌片を前硬口蓋に接して発する鼻子音(n)と母音(u)との結合した音節であるという相違がある。

そして、アルファベット3文字を羅列してなる商標の場合、取引の上で称呼するに際しては、一気一連というよりも、注意深く一文字、一文字、区切って発音するのが常であるから、比較的重きの置かれる1文字目の区切りとなる第2音について上記相違を有する両商標は明確に区別し得るものである。

以上のとおり、原査定は理由がないから、本願商標は登録されるべきものである。

第4 当審の判断

そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。

(1)本願商標は「MPI」、引用商標は「NPI」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、両者は特定の観念を生じないものであり、その構成文字に相応して前者は「エムピーアイ」、後者は「エヌピーアイ」の称呼がそれぞれ生ずること明らかである(この点については請求人も争わないところである。)。

(2)この「エムピーアイ」と「エヌピーアイ」の両称呼を比較すると、両称呼は、共に同数の5音により構成され、称呼の識別上重要な要素を占める冒頭音「エ」を含め第3音以下「ピーアイ」の配列構成音を共通にし、称呼の識別上印象の薄い中間の第2音において「ム」と「ヌ」の差異があるのみである。

そして、両称呼において相違する音「ム[mu]」と「ヌ[nu]」は、その構成中の子音[m]と[n]がいずれも鼻音であって、しかも子音に帯有する母音[u]を共通にすることから、近似した音であるばかりでなく、他の構成音に比較してその発音も比較的弱い音である。

そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、両者は全体の語感語調が近似したものとなり、需要者をして称呼上互いに相紛れるおそれのある類似するものである。

(3)また、本願商標「MPI」と引用商標「NPI」とを見ると、両者の外観は、共に3文字からなり、冒頭の文字において「M」と「N」が相違するが、残りの2文字「PI」が共通するものであり、両商標ともその態様は特徴のあるものではなく、普通に用いられる方法で表示されたものである。そして、両者が前記のとおり特定の観念がなく、称呼が類似することを考慮すると、取引者、需要者が時と処を異にして両商標の外観に接した場合、両商標は誤認混同するおそれが高いとはいえないが、全く外観上類似しないとまでいうことはできない。

(4)したがって、本願商標と引用商標とは、観念においては特定の観念を生じないものであって比較することはできないが、外観においてある程度類似性が否定できないものであって、称呼において類似する商標であり、全体として出所の混同を生ずるおそれのある類似する商標であるといわなければならない。

そして、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似する商品である。

以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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