Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−21086(T2000−21086/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「VALUE MANAGEMENT」の文字(標準文字による)を横書きしてなり、第16類「印刷物」及び第35類「広告,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、平成10年12月11日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、主旨、「本願商標は、『価値』及び『経営』の各意味を有する『VALUE』及び『MANAGEMENT』の各文字を『VALUE MANAGEMENT』と普通に書してなるものであるところ、これは『株主価値(企業の利益が株主・投資家から得た資本コストを上回ることによって得られる付加価値)の拡大をはかるために必要とされる新しいマネジメントの手法』の意味合いを有し、又、書籍等の特定の内容を表した題名として容易に認識されるから、このような商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、上記文字に照応する特定の内容を有する書籍等の商品、又は、株主価値の拡大を目指す経営活動の一環として行われる役務として認識され、単に商品の品質及び役務の質を表示するにすぎず、自他の商品及び役務の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 ただし、本願の指定商品及び指定役務を『雑誌,新聞』に補正したときは、この限りでない。 」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「VALUE MANAGEMENT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中前半部の「VALUE」の文字は、「価値、値打ち、真価」等、後半部の「MANAGEMENT」の文字は「経営、管理、監督」等を各々意味する平易且つ親しまれた英語であって、これより本願商標の表音は、「バリューマネジメント」であること、明らかである。
ところで、本願商標を小文字、若しくは、カタカナ表記したに過ぎない、所謂、本願商標と同義語と認めうる「value management」、「Value Management」、「バリューマネジメント」及び「バリュー・マネジメント」なる語は、例えば以下のとおり、各種書籍、書物、インターネット、新聞等に記載及び表示されている事実がある。
(1)2000年1月1日、自由国民社発行「現代用語の基礎知識」に、「バリュー・マネジメント〔value management〕」の語句説明として、主旨、原査定説示のとおりの記載の他、「バリュー・マネジメントの導入には、株主価値を測る指標(モノサシ)を設定することが最も重要である。経営トップや持ち株会社のみる『株主価値指標』から付加価値を捉える『付加価値創造指標』『収益性指標』、現場のマネジメントで使われる『収益ドライバー指標』まで、それぞれについて具体的なモノサシ体系をつくること。これによってトップから現場へのオペレーションまで一貫して株主価値の拡大を目指す経営活動が可能になる。このモノサシの体系を会社の計画体系、責任権限、評価報奨システムに組み込んで、日常の活動に結びつけて株主価値重視の経営が実現される事となる。」と記載されていること。
(2)2005年2月1日、株式会社春秋社発行の書籍に「バリュー・マネジメント 価値観と組織文化の経営革新」なるタイトルとして「バリュー・マネジメント」なる語が記載されている。本書あとがきには、「企業組織はどんな価値観を持って運営されていくことが必要なのでしょうか。〜経営者にとって必須となった「バリュー・マネジメント」の実践方法が、この書に描かれているのです。〜本書は〜バリュー・マネジメントの理論とテクノロジーを説明したテキスト〜。」と記載されていること。
(3)インターネットにおける日本ドキュメンタム株式会社ホームページ内(http://www.documentum.co.jp/support/standard.html)に「最上級のサポートレベルのValue Management(バリュー・マネジメント)で、このサービスはお客様のビジネスのニーズを〜」と表示されていること。
(4)インターネットにおけるファイブタランツ・コンサルティング株式会社ホームページ内(http://www.fivetalents.co.jp/consult/valuem.html)に「企業価値や株主価値という側面から経営管理を行っていく経営管理手法をバリュー・マネジメントと呼びます。」と表示されていること。
(5)インターネットにおける株式会社インフィニアムのホームページ内(http://www.infinium.jp/jpn/whatsci/valuemanagement.html)に「Value Managementを構成する3つの要素」として「価値の創造、価値の保存・運用、価値の伝達」から構成されている」と表示されていること。
(6)インターネットにおける社団法人公共建築協会ホームページ内(http://www.pba.or.jp/PBA/vms/gaiyo.html)に「バリューマネジメントとは、発注者が『バリュー(価値)』の意味を明確に定義し、それを施設計画に反映させるための体系的アプローチです。」と表示されていること。
(7)インターネットにおける社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会ホームページ内(http://www.sjve.org/)にVE基礎講座「バリューマネジメント実践塾」と表示されていること。
(8)インターネットにおける特定非営利活動法人プロジェクトマネジメント資格認定センターの平成16年3月「平成14年度プロジェクト・プログラムマネジメント人材育成プログラム開発事業調査研究報告書 PM2ガイドブック 概要版」(http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/ji04_04_03.pdf)において、「バリューマネジメントとは〜企業の定型的な活動やプロジェクト活動において派生する知識・経験などを価値の源泉として蓄え、プロジェクト(すなわち新たな価値の創造)にフィードバックする価値循環のプロセスである」と表示されていること。
(9)新聞記事検索情報における2000年6月13日付け日刊建設工業新聞の1頁に「建設省は、合理的な建築生産システムを確立するための「VMS(バリューマネジメントシステム)ガイドライン」を策定した。〜公共建築物の価値を総合的に高めるための仕組みを示すのが狙いで、価値向上の具体的手法として、企画構想から基本計画、設計、施工、管理運営までを網羅するVMSの必要性を提案したのが特徴」、「建設省は、合理的な公共建築生産を実現するための仕組みとして1997年度からVMSの調査・研究に着手した」と表示されていること。
(10)新聞記事検索情報における1998年12月01日付け日刊建設工業新聞の3頁に「『ロッテワールド東京(仮称)プロジェクト』で〜発注者のロッテは、バリューマネジメントや、海外資機材の積極的採用などによるコストダウンを期待している。」と表示されていること。
以上の事実を総合すれば、「value management」、「Value Management」、「バリューマネジメント」若しくは「バリュー・マネジメント」なる各文字は、株主価値や企業価値という側面から経営管理(コスト軽減)を行い、株主価値の拡大を図るといった比較的新しい経営手法の意味合いを表す語として主に企業経営・企業管理業務分野における書籍、書物、新聞等の他、インターネット上においても普通に使用されている事実が認められる。
してみれば、前記各文字を単に英語による大文字で書してなるにすぎない本願商標「VALUE MANAGEMENT」をその指定商品中、例えば前記文字に照応する特定の内容を有する書籍、又は、その指定役務中、株主価値の拡大を目指す経営管理の広告・経営の診断及び指導・市場調査等に使用しても単に商品の品質及び役務の質を表示するにすぎず、自他の商品及び役務の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。