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Trademark Appeal Case

資格名称の識別力と誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−9957(T2003−9957/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「上級情報処理士」の文字を横書きしてなり、第41類「教育」の役務を指定役務として、平成14年2月12日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同18年2月7日付けの手続補正書をもって、第41類「情報処理学を学ぶ者に対する資格の認定・資格の付与」と補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、以下の(1)ないし(3)のとおりの認定、判断をし、本願を拒絶したものである。

(1)本願の指定役務「教育」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。

したがって、本願商標は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。

(2)本願商標は、「高度な情報処理能力を有すると認めた者に与える称号」と認められる「上級情報処理士」の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これを本願指定役務に使用するときは、前記資格を得させるための教育であること、即ち役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(3)本願商標は、「上級情報処理士」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、これは一般世人において、国家資格等と一見して紛らわしく誤認を生じさせるおそれがあるから、これを商標として採択使用することは国家資格等の制度に対する社会的信頼を失わせ、ひいては、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと認める。

したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願の指定役務については、前記1のとおり補正された結果、役務の内容が明確で、かつ、役務の区分に従ったものとなった。

したがって、本願商標が商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとした、原査定の拒絶の理由は、解消した。

(2)本願商標は、「上級情報処理士」の文字を書してなるところ、これよりは、「高度な情報処理能力を有すると認めた者に与える称号」のごとき意味合いを認識させる場合があるとしても、補正後の指定役務との関係において、その質(内容)を直接的、具体的に表示するものとして直ちに理解されるものとはいい難いものである。

そして、当審において調査するも、「上級情報処理士」の文字自体が、補正後の指定役務について、上記の意味合いをもって、取引上普通に使用されている事実は発見できなかった。

そうとすると、本願商標は、補正後の指定役務について使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものでない。

(3)本願商標は、「上級情報処理士」の文字を書してなるところ、その構成文字中、「上級」の文字部分は、「等級・階級が上であること。」の意味合いを表し、また、「情報処理」の文字部分は、「収集した多量の情報に、コンピュータなどを使って分類・整理・選択・演算などの処理を施して、目的に応じた情報を得ること。」(いずれも、株式会社三省堂発行 大辞林)の意味合いを表し、そして、構成文字中の末尾の「士」の文字部分については、一般国民が末尾に「士」の付された名称に接した場合、一定の国家資格を付与された者を表していると、理解することが多いと一般的にはいうことができる。

しかしながら、当審において調査するも、本願商標である「上級情報処理士」と同一又は類似する名称の国家資格は、存在しないばかりでなく、「上級情報処理士」と同一又は類似する名称が他の法律によって、使用を規制されているといった事実も見い出し得ないところである。

そうとすれば、本願商標を補正後の指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、これより直ちに国家資格を表す名称の一つであるかのごとく誤認を生じさせるおそれがあるものとはいえず、それゆえ、本願商標をその役務に使用をすることが、国家資格制度に対する社会的信頼を失わせるおそれがあるものと認めることもできないから、結局、本願商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ということはできない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

(4)以上のとおり、本願商標を商標法第6条第1項及び第2項、同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第7号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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