Trademark Appeal Case
地名と一般名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−23372(T2004−23372/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「道産子市」を太文字で横書きしてなり、第16類及び第35類を指定商品又は指定役務として、平成16年3月31日に登録出願されたものである。その後指定商品又は指定役務について、平成16年10月5日付けの手続補正書により、第16類「新聞,雑誌」及び第35類「広告」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、北海道産の馬、北海道生まれの人を意味する『道産子』の文字に、市場を意味する『市』の文字とを(新村出編『広辞苑第五版』1998年 岩波書店)、「道産子市」と普通に用いられる方法で書してなるところ、例えば、デパートや駅構内等で北海道をテーマとした食品フェアを「北海道道産子市」、「うまいっしょ北海道 道産子市場」のように称して一般的に使用されている実状等に鑑みれば、これを「印刷物、広告」に用いたとしても、北海道をテーマとした食品フェアに関する印刷物、広告であることを理解させるにとどまり、単に商品の品質、役務の質を表示するにすぎず、北海道と関連がない商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号該当する。」旨の認定、判断をして、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「道産子市」の漢字よりなるものであるところ、その構成中の「道産子」は「北海道の人、北海道産の馬」を意味する語であり、「市」は、「品物の交換や売買を行う所。人の多く集まる所。まち。市井。」([株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味があり、「市が立つ」「羽子板市」等のように用いられる。
してみれば、「道産子市」よりは、「北海道の(人の)品物の交換や売買を行う場」といった意味合いを容易に想起し得るものといわなければならない。
ところで、下記の新聞記事情報及びインターネットホームページ情報によれば、日本各地のデパート等において北海道の物産等の販売会あるいはイベントが開催され、「道産子市」及び「道産子市場」と称している事情が窺える。
(1)2005年11月28日付けの日本食糧新聞には、「東急百貨店札幌店、『第1回ほっかいどう海鮮王国フェステバル」開催』のタイトルのもと、「【北海道】(株)東急百貨店札幌店(札幌市中央区、011・212・2211)は17日〜23日、9階催事場で旬の鮭、昆布、カキ、カニ、数の子、ホタテ、うに、たこシャブ、スモークサモーン、生珍味、いかめし、かまぼこ、飯寿司、きんき一夜干し、さんま棒寿司など道内各地の海産物・加工品を一堂に集め『第1回ほっかいどう海鮮王国フェステバル』を開催した。後援は北海道、協力が北海道秋鮭普及協議会、道昆布普及協議会、道ほたて漁業振興協会、小樽物産協会、函館物産協会、釧路物産協会の6団体。会場ではカキ・アサリで知られる厚岸漁協をはじめ、高級魚マコガレイの上磯郡漁協、殻付きホッキ貝の浜中漁協、天然活アワビ・松前さくら漁協、天然真昆布・南茅部加工センター、殻付きホタテ貝・八雲町漁協、シシャモ・釧路市漁協、タコ・白糠漁協、昆布巻・釧路市東部漁協、冬島昆布の冬島漁協が出品。
イベントでは、戸井産など道南の本マグロ解体実演即売会、北の海の恵みパネル展(漁業や水産物の特性を紹介)、お弁当(旭川の駅弁・まんざい丼弁当、道産子市場の厚岸産カキおにぎり、函館太田のカニコロッケ、札幌・オリゾンテのシーフードパスタソース)と実演販売。・・・・を紹介した。」との記事が掲載されている。
(2)2005年7月22日付けの日本食糧新聞社には、「竹之下、タケノシタ会総会開催 島で育ち来年50周年」のタイトルもと、「【福岡】(株)竹之下(本社=鹿児島市、099・226・2488)は、「第8回タケノシタ会定時総会」=写真=を14日、ホテル祁答院で開催した。・・・・。さらに、パン事業を展開し、人材の育成を進めている。パン直営店を来年3月に開店できる。さらに、北海道道産子市を開き、北海道の商材を育成しているが、種子島屋久島や奄美群島、沖縄群島などの地域性を持った商材を全国に広めるイベントなども積極的に展開したい。さらに、カット野菜などキット商品で販売先を広げていく。・・・」と述べた。」との記事が掲載されている。
(3)1999年12月16日付けの朝日新聞 福岡版には、「さんさんネット/福岡」のタイトルもと、「 <イベント> ◆うまいっしょ北海道 道産子市場 17日(金)まで、福岡市のJR博多駅構内GIGA1。午前7時30分−午後9時、北海道の海産物、特産品の展示販売。ホタテ貝の販売と試食。」との記事が掲載されている。
(4)1995年2月9日付けの毎日新聞 地方版/神奈川には、「[インフォメーション]デパート /神奈川 」のタイトルもと、「☆伊勢丹相模原店 9−14日、売りつくしバーゲン=本館5階▽バレンタイン特集=本館2・4階▽北海道道産子市・・・」との記事が掲載されている。
(5)「熊本市内のデパート鶴屋への買い物ツアー」のインターネット情報には、「11月21日木曜日 鶴翔苑の通所リハビリテーションの利用者の方達は熊本市内のデパート鶴屋のイベント「道産子市」へ、買い物ツアーに出かけました。・・・・道産子市の会場は多少混雑していましたが鶴屋のスタッフの皆さんの協力で、スムースな行動ができました。」と記載されている。(http://www.kakuyuukai.or.jp/Kakusyo/Dekigoto/BuckNumber/Turuya.htm)
以上のとおり、「道産子市」は、北海道の物産等の販売会等の催しを表す語として一般に認識されているといわなければならない。
そうとすると、「道産子市」の文字からなる本願商標を、その指定役務中「広告」に使用するときには、これに接した需要者、取引者は単に「北海道の物産等の販売会あるいは催しに関する広告であること。」すなわち役務の質(内容)を表示したものと認識、理解するにすぎないから、自他役務の識別機能を有しないものであって、前記以外の役務に使用するときには、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号該当し、登録することができないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。
よって結論のとおり審決する。
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