Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−20556(T2004−20556/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品とし、平成15年9月1日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4297899号商標(以下「引用A商標」という。)は、「CRISTAL」の欧文字を書してなり、昭和57年12月3日に登録出願され、第28類「洋酒,ビール,果実酒,その他本類に属する商品」を指定商品として平成11年7月23日に設定登録されたものである。
(2)登録第4325927号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲のとおり構成よりなり、昭和57年12月20日に登録出願され、第28類「シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒」を指定商品として、平成11年10月15日に設定登録されたものであ。
以下、引用A商標及び引用B商標をまとめていうときは、「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標について
(ア)外観について
本願商標は、「Cristal」の文字を上段に及び「Kan−Hockt」の文字を下段に書してなるものであり、それぞれの文字は、段を異にしているばかりでなく、上段の「Cristal」の文字は、下段の「Kan−Hockt」の文字より2.5倍程度も大きく表されており、それぞれの文字は、字の大きさを異にし、その態様を異にするものである。
そうとすれば、「Cristal」「Kan−Hockt」の各文字は、同一線上になく、大きさも態様も異にするものであるから、「Cristal」の文字と、「Kan−Hockt」とは、視覚上自然と分離して把握され得るというべきである。
(イ)称呼について
本願商標全体の称呼は、「クリスタルカンホクト」と10音に亘るものであり、一連のものとして称呼するにはやや冗長である。
一方、「Cristal」より生ずる「クリスタル」の称呼は、わずか5音であり,きわめて簡潔である。
そうとすれば、本願商標からは、単に「クリスタル」の称呼を生ずるというのが相当である。
(ウ)観念について
本願商標構成中「Cristal」の文字は、上述のとおり、「クリスタル」と読まれ、構成中「y」が「i」に置き換えられているとしても、容易に「水晶」の観念を生ずるものである。
一方、本願商標構成中の「Kan−Hockt」の文字は、特定の意味を有しない造語というべきである。
ゆえに、本願商標は、全体として、特定の観念を生じ得ないものであるから、「Cristal」と「Kan−Hockt」とが、観念上、常に一体の商標であるということはできない。
そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中、「Cristal」の文字部分に着目し、取引する場合も決して少なくないものといわざるを得ない。
加えて、本願商標に接する取引者、需要者が、「Cristal」と「Kan−Hockt」の各文字を、常に一体不可分のものとして認識するという特別な事情も見いだし得ない。
(エ)まとめ
そうすると、本願商標を構成する「Cristal」「Kan−Hockt」の各文字部分は、外観、称呼及び観念において、常に一体不可分のものとして認識されるものとはいえない。
すなわち、「Cristal」の文字部分と「Kan−Hockt」の文字部分とは、それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではないというべきである。
ゆえに、本願商標構成中の「Cristal」の文字部分は、独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当であり、当該文字
部分より「クリスタル」の称呼及び「水晶」の観念が生ずるものである。
(2)引用商標について
(ア)引用A商標について
引用A商標は、「CRISTAL」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「クリスタル」の称呼及び「水晶」の観念が生ずるものである。
(イ)引用B商標について
引用B商標は、別掲のとおり、商品のラベルを表示したものであり、特定の意味合いを有さない幾何図形、「CRISTAL」の文字、商標権者の名称の一部「LOUIS ROEDERER」、商品の名称を表示する「CHAMPAGNE」の文字、商品の原産地を表示する「PRODUCE OF FRANCE」の文字及び商品の数量を表示する「75dl」の文字などが表示されているところ、係る態様にあっては、右下に小さく表示された○の中の「R」の文字と相まって、「CRISTAL」の文字自体が独立して識別標識として機能し、これより、「クリスタル」の称呼及び「水晶」の観念が生ずるというべきである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、それぞれの商標から生ずる「クリスタル」の称呼及び「水晶」の観念を共通にする類似する商標と認められ、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
(4)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであり、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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